ひと昔前の立ち食い寿司と思って行ったら軽い衝撃を受けるかも?高級店のセカンドブランドから気軽にサクッと楽しめるお値打ち店、現代ならではのシステムを取り入れた最新店まで、今行くべき店はココです! 『立ち食い鮨 鮨川』 @笹…
画像ギャラリーひと昔前の立ち食い寿司と思って行ったら軽い衝撃を受けるかも?高級店のセカンドブランドから気軽にサクッと楽しめるお値打ち店、現代ならではのシステムを取り入れた最新店まで、今行くべき店はココです!
『立ち食い鮨 鮨川』 @笹塚
実直な仕事を随所に感じる次代の立ち食い寿司
とろんと舌を包む赤エビの甘美がのっけからやってくる。スッと切り込みを入れた小肌の粋なことよ。サバの絶妙な〆加減に宙を仰げば、深紅に輝く本マグロにはもうほとんど涙目。これ本当に立ち食いのコースなの?
『鮨川』の第一印象である。実はここ、出張寿司を手掛ける店主の早川さんが始めた店。大人数で集まる機会が減ったコロナ禍、数貫でもコースでも気軽に楽しめる場を……それが立ち食いだった。
真摯な姿勢は繊細な仕事を施すネタに表れる。特に煮穴子。脂のりがいい大型を選ぶため骨も多いが、1本1本丁寧に抜いてふっくらと煮る。肉厚で食べ応えも抜群だ。
竹コース(約15貫・お椀付き)5000円
赤酢やキビ糖を使うシャリは際立つ旨みで、いわば酒が進む握りと表現しようか。そこは唎酒師でもある早川さん、厳選した日本酒の品揃えで酒好きにもアプローチ。寿司も酒も、両方好きなら尚更、これほどうれしいことはない。
[住所]東京都渋谷区笹塚1-62-6 プライムブリス笹塚1階
[電話]非公開
[営業時間]17時~22時(21時半LO)
[休日]不定休(営業日はインスタで要確認)
[交通]京王新線笹塚駅北口から徒歩8分
『鮨 ブルペン』 @戸越銀座
立食の概念を覆す品質と遊び心に拍手喝采の嵐!
Tシャツにキャップ姿の元気な”選手”がお出迎え。今日はおまかせの投げ込み11球か、それともお好みで、隠し球もいっちゃう?
あ、失礼、触れずにおられぬ店名の絡みから書き始めました。ご存じブルペンとは選手が投球準備をする場所。寿司職人に置き換え、若手が握り(球)をたくさん投げ込んで活躍できる場を作ろうと目黒の高級店「鮨りんだ」が始めた新業態だ。
牽制=つまみといった品書きからして楽しいが、実力は推して知るべし。シャリは羽釜で炊いたふくよかな粒立ちが秀逸で、ネタは豊洲一と名高い仲卸「やま幸」の国産生本マグロなど上物が揃う。
おまかせ4000円(内容は仕入れで変わる。例えば、この日は、小肌・赤身・白いか・春子・中トロ・アジ・縞鰺・平貝・まこ・穴子・玉)
仕入れは本店で経験を積んだ大将の佐々木さんが任されており、その品質は確かだ。定番人気から旬の味、知名度がなくても美味しい地方の魚も揃えるよう工夫しているんだとか。テンポよく供される握りはストライクの連続!予約がベターです。
[住所]東京都品川区荏原4-6-1
[電話]03-6426-7970
[営業時間]11時~、12時15分~、13時半~、17時~、18時15分~、19時半~ ※昼夜ともに3部制で各60分
[休日]水・木
[交通]東急池上線戸越銀座駅・目黒線ほか武蔵小山駅から徒歩10分
『立喰 鮨となり』 @麻布十番
気軽に楽しく憧れの高級ネタが1貫からでも!
いわゆる高級店が手掛ける立ち食い寿司がブームになる前から構想を練っていたという。今年1月、満を持してオープン。経営は人気店「麻布十番 秦野よしき」、その隣のビルにあるから”となり”だ。
目指すはハイエンドな立ち食い寿司。予約はラインで、タッチパネルでの注文、会計はキャッシュレスと今どきのスタイルを貫くが、「自宅でも職場でもないサードプレイス的な存在に」と安藤店長は心地よい雰囲気作りを志す。その魅力の一端は?
・車海老(唐子づけ) 858円 ・なすの揚げ浸し 165円 ・本鮪大とろ(海外産) 880円 ・白海老 880円 ・のどぐろ炙り 990円 ・こしあん(おはぎ) 165円 ・醍醐味(玉子焼き) 429円
本店同様の高級ネタがかなりお値打ち。素材の個性を生かす白酢のシャリは1貫でも満足できるよう酢をやや強めに。ネタによっては味わいを計算した切り込みを入れ、さらには旨みを感じる適温で提供するよう心掛けているんだそう。
独自の味なら大トロなどマグロの各部位を山盛りの手巻きにしたエベレストならぬ「マグベスト」を。挑めば感動に打ち震えます。
[住所]東京都港区麻布十番2-8-7 M2K Holding BLD.2階
[電話]03-6453-9950
[営業時間]11時半~14時半、18時~21時(LO)
[休日]不定休
[交通]地下鉄南北線ほか麻布十番駅7番出口徒歩2分
『鮨〇△(すしまるさんかく)』 @渋谷
上質な旬のネタが盛り込まれたおまかせがお値打ち
約10年間、予約制のおまかせコースのみでやってきたが、コロナ禍を経て、立ち食い寿司にリニューアル。
店主の杉浦秀樹さんが「どんな寿司店に行きたいか?」と立ち返って考えたとき、好きなお寿司を少しずつ食べたいという結論に至ったという。
入りやすい雰囲気になったからか、お客さんの幅が広がり、回転もよくなり、前より高級なネタも仕入れられるようになったそう。その醍醐味を味わうなら、やはりおまかせ。
10貫2500円でも十分リーズナブルだが、ランクが上がるごとによりお得感が増す。とくに、SSSはウニ、本マグロのトロ、イクラの3種入り。
おまかせSSS 3500円 ・赤身・中トロ・いくら・うに・黒ムツ 下左から・スズキ・コハダ・甘エビ・アジ・ヒラマサ
口中でほろりと崩れる、赤酢がほんのり効いたシャリも絶妙だ。さらに見逃せないのが、ランチ。握り10貫に巻物3切、茶碗蒸しも付いて2000円。SSSでも10貫2700円なんて聞いたら、もう行くしかないでしょ。
[住所]東京都渋谷区円山町1-18 峯ビル1階
[電話]080-7518-0118
[営業時間]12時~14時半(14時15分LO)、18時~23時(22時半LO)
[休日]月
[交通]JR山手線ほか渋谷駅ハチ公口から徒歩8分
『あて鮨 喜重朗』 @立川
趣向を凝らした新感覚のアテ鮨で日本酒が止まらない!
立川の人気居酒屋「あてまき 喜重朗」の新たな挑戦がこの『あて鮨』。一軒目は酒のアテになる巻物だったが、今回はアテになる鮨。
例えば、キャビアがトッピングされたホタテは、粒々の食感とともにほどよく広がる塩味がいい。口に運ぶと、ふわっと漂うトリュフの香りと脂ののったサーモンがマッチする。ネタの持ち味を消すことなく、塩味や旨みのさりげない足し引きが見事だ。
あて鮨3点盛 980円・キングサーモンのトリュフのせ・スマガツオの薬味醤油がけ・帆立のキャビアのせ
こういったユニークな発想は、「アテ巻き 喜重朗」のオーナーが18年以上海外で和食に関わっていたという経験がベースになっているとか。
アテ鮨というだけあり、確かに日本酒を飲まずにはいられない。辛口からフルーティーなど幅広く揃い、五勺600円から飲めるのもうれしい。お店は、駅北口に2021年12月にオープンしたフードコート「GALERA TACHIKAWA」にあるため、はしご酒できるのも魅力だ。
『立ち鮨 あじ平亭』 @蒲田
本物の寿司を限界価格に抑えてカジュアルに!
和気あいあいとした雰囲気重視の格安立ち食い寿司かと思いきや、一度食べるとネタの質の高さに驚く。この日の「おきまり鮨 上」に入るダルマイカは肉厚でやわらかく、細かく包丁が入れられて甘みがぐっと増している。
おきまり鮨 上 1870円 巻物:鉄きゅう ・いくら・ダルマイカ・コハダ・蒸し海老・玉子・ブリ・赤身・ヒラメ・中トロ
そして、名物でもある蒸しエビは試行錯誤の末に完成したレア感が旨い!また、一貫200~300円台が中心の低価格なのは、和食店から立ち飲みまで幅広いジャンルの24店舗を営んでおり、仕入れた魚を適材適所に分配できるから。
さらに、横浜中央卸市場でセリに参加できる売参権を持ち、市場内に加工場があるため下処理をまとめて行えるのも強みだ。
「本物の寿司を気軽に楽しく味わえる、スーパーカジュアル寿司エンターテインメントを目指しています!」とは、寿司職人の山本翔馬さん。ピーク時には外で待つ人もいる人気ぶりで、リピーターが多いのも納得!
[住所]東京都大田区蒲田5-21-7 並木ビル1階
[電話]03-6715-8111
[営業時間]17時~23時(主に水・土の週2回は18時~24時半、変更の場合あり)
[休日]月
[交通]JR京浜東北線ほか蒲田駅東口から徒歩4分
『築地 すし兆』 @築地
築地界隈で、最も勢いのある立ち食い寿司ではなかろうか。週末はもちろんのこと、平日でも店先には並びの列が出来ていたりする。理由はもちろんネタの良さとそのお値段。
イカのヅケや、マグロのたたき、真いかといった88円の最安ネタでも、きちんと舌を満足させてくれるし、さらにその上の握りに手を伸ばせば「このネタをこの値段で!?」と目の前に立つ職人さんに拍手を送りたくなる。
実はこちらを運営するのが、首都圏にテイクアウト店を展開する「ちよだ鮨」なのだ。大手チェーンが培ってきた仕入れの強みが、このネタケースに集約されていると言っていい。
超特撰・すし兆 2079円 ・大トロ・真鯛・ヅケマグロ・子持ち昆布・アジ 前列左から・甘エビ・ウニ・いくら・煮穴子・玉子焼き
ウニの澄んだ甘みに、香りもコクも強い本鮪に、訪れたかいがあったと必ず思う。お決まりは「おまかせ盛・月島」の869円~で、夜だって、お好みでつまんでちょこっと飲んでも3千円ほど。これなら財布を気にせず週に何度も通えそう。
[住所]東京都中央区築地3-10-9
[電話]03-6226-5422
[営業時間]11時〜22時(21時半LO)、日・祝〜21時(20時半LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄日比谷線築地駅1番出口から徒歩1分
撮影/西崎崎也(立ち食い鮨 鮨川)、大西尚明(鮨 ブルペン、立喰 鮨となり、あて鮨 喜重朗、築地 すし兆)、竹崎恵子(鮨〇△、立ち鮨 あじ平亭)、取材/肥田木奈々(立ち食い鮨 鮨川、鮨 ブルペン、立喰 鮨となり)、井島加恵(鮨〇△、あて鮨 喜重朗、立ち鮨 あじ平亭)、菜々山いく子(築地 すし兆)
※2022年9月号発売時点の情報です。
※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。
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