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ひと昔前の立ち食い寿司と思って行ったら軽い衝撃を受けるかも?高級店のセカンドブランドから気軽にサクッと楽しめるお値打ち店、現代ならではのシステムを取り入れた最新店まで、今行くべき店はココです!

『立ち食い鮨 鮨川』 @笹塚

実直な仕事を随所に感じる次代の立ち食い寿司

とろんと舌を包む赤エビの甘美がのっけからやってくる。スッと切り込みを入れた小肌の粋なことよ。サバの絶妙な〆加減に宙を仰げば、深紅に輝く本マグロにはもうほとんど涙目。これ本当に立ち食いのコースなの?

『鮨川』の第一印象である。実はここ、出張寿司を手掛ける店主の早川さんが始めた店。大人数で集まる機会が減ったコロナ禍、数貫でもコースでも気軽に楽しめる場を……それが立ち食いだった。

真摯な姿勢は繊細な仕事を施すネタに表れる。特に煮穴子。脂のりがいい大型を選ぶため骨も多いが、1本1本丁寧に抜いてふっくらと煮る。肉厚で食べ応えも抜群だ。

竹コース(約15貫・お椀付き)5000円

『立ち食い鮨 鮨川』竹コース(約15貫・お椀付き)5000円。この日の竹コースは、写真の煮穴子を含めた15貫と椀物。魚は豊洲や川崎の市場から仕入れるほか、産直も厳選。例えば琵琶湖に生息する「琵琶鱒」などあまり出回らない旬の味も。昆布締めにした生しらすなど工夫した握りも楽しい。自慢は煮穴子など仕事を施したネタ。米は新潟「笑みの絆」を使う。コース3000円(約10貫)~、お好み1貫200円~

赤酢やキビ糖を使うシャリは際立つ旨みで、いわば酒が進む握りと表現しようか。そこは唎酒師でもある早川さん、厳選した日本酒の品揃えで酒好きにもアプローチ。寿司も酒も、両方好きなら尚更、これほどうれしいことはない。

『立ち食い鮨 鮨川』

[住所]東京都渋谷区笹塚1-62-6 プライムブリス笹塚1階
[電話]非公開
[営業時間]17時~22時(21時半LO)
[休日]不定休(営業日はインスタで要確認)
[交通]京王新線笹塚駅北口から徒歩8分

『鮨 ブルペン』 @戸越銀座

立食の概念を覆す品質と遊び心に拍手喝采の嵐!

Tシャツにキャップ姿の元気な”選手”がお出迎え。今日はおまかせの投げ込み11球か、それともお好みで、隠し球もいっちゃう?

あ、失礼、触れずにおられぬ店名の絡みから書き始めました。ご存じブルペンとは選手が投球準備をする場所。寿司職人に置き換え、若手が握り(球)をたくさん投げ込んで活躍できる場を作ろうと目黒の高級店「鮨りんだ」が始めた新業態だ。

牽制=つまみといった品書きからして楽しいが、実力は推して知るべし。シャリは羽釜で炊いたふくよかな粒立ちが秀逸で、ネタは豊洲一と名高い仲卸「やま幸」の国産生本マグロなど上物が揃う。

おまかせ4000円(内容は仕入れで変わる。例えば、この日は、小肌・赤身・白いか・春子・中トロ・アジ・縞鰺・平貝・まこ・穴子・玉

『鮨 ブルペン』おまかせ 4000円(内容は仕入れで変わる。手前左から)・小肌・赤身・白いか・春子・中トロ・アジ・縞鰺・平貝・まこ・穴子・玉。惚れ惚れするほど美しい握り。おまかせ11貫の構成もバランスがいい。シャリは個性の違う赤酢2種に白酢も加えて旨みのある酸味に。濃淡を付けた焼き杉を使う唯一無二の付け台も特徴

仕入れは本店で経験を積んだ大将の佐々木さんが任されており、その品質は確かだ。定番人気から旬の味、知名度がなくても美味しい地方の魚も揃えるよう工夫しているんだとか。テンポよく供される握りはストライクの連続!予約がベターです。

『鮨 ブルペン』

[住所]東京都品川区荏原4-6-1
[電話]03-6426-7970
[営業時間]11時~、12時15分~、13時半~、17時~、18時15分~、19時半~ ※昼夜ともに3部制で各60分
[休日]水・木
[交通]東急池上線戸越銀座駅・目黒線ほか武蔵小山駅から徒歩10分

『立喰 鮨となり』 @麻布十番

気軽に楽しく憧れの高級ネタが1貫からでも!

いわゆる高級店が手掛ける立ち食い寿司がブームになる前から構想を練っていたという。今年1月、満を持してオープン。経営は人気店「麻布十番 秦野よしき」、その隣のビルにあるから”となり”だ。

目指すはハイエンドな立ち食い寿司。予約はラインで、タッチパネルでの注文、会計はキャッシュレスと今どきのスタイルを貫くが、「自宅でも職場でもないサードプレイス的な存在に」と安藤店長は心地よい雰囲気作りを志す。その魅力の一端は?

・車海老(唐子づけ) 858円 ・なすの揚げ浸し 165円 ・本鮪大とろ(海外産) 880円 ・白海老 880円 ・のどぐろ炙り 990円 ・こしあん(おはぎ) 165円 ・醍醐味(玉子焼き) 429円

『立喰 鮨となり』左列手前から・車海老(唐子づけ) 858円 ・なすの揚げ浸し 165円 ・本鮪大とろ(海外産) 880円 ・白海老 880円 ・のどぐろ炙り 990円 ・こしあん(おはぎ) 165円 ・醍醐味(玉子焼き) 429円 本店で定番の「なすの揚げ浸し」や仲卸「やま幸」の生本マグロ、芝エビのおぼろと共に握る車エビなど。こしあんを酢飯を合わせた通称「おはぎ」もユニーク。基本60分制。おまかせは6600円~

本店同様の高級ネタがかなりお値打ち。素材の個性を生かす白酢のシャリは1貫でも満足できるよう酢をやや強めに。ネタによっては味わいを計算した切り込みを入れ、さらには旨みを感じる適温で提供するよう心掛けているんだそう。

独自の味なら大トロなどマグロの各部位を山盛りの手巻きにしたエベレストならぬ「マグベスト」を。挑めば感動に打ち震えます。

『立喰 鮨となり』

[住所]東京都港区麻布十番2-8-7 M2K Holding BLD.2階
[電話]03-6453-9950
[営業時間]11時半~14時半、18時~21時(LO)
[休日]不定休
[交通]地下鉄南北線ほか麻布十番駅7番出口徒歩2分

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おとなの週末Web編集部
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