斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気に…
画像ギャラリー斬新な調理スタイルの「バズレシピ」や「至高のレシピ」で話題のリュウジさんは、お酒を飲みながら料理をするというYouTube動画が人気の料理研究家です。レシピの公開だけでなく、Twitter「リュウジの酒場探求記」では気になる飲食店の紹介も。SNSなどの総フォロワー数が700万人以上という「料理のお兄さん」が、感性の赴くままに歩いて街で見つけた「自分史上最高にウマくて、楽しく飲める店」について本音で語ります。
第2回は東京・新宿の「よしだ海岸」です。
“ポイ捨てしたら〇〇します” 過激な看板に誘われて
僕は、スタッフと5人で、週に3回ぐらい飲みに行きます。ただ、5人で入れる店ってなると席数が限られるから、毎回、選ぶのにひと苦労なんです。
代々木公園で仕事を終えて、スタッフと新宿で飲もうと歩いていたとき、落ち着いたところがいいねと、新宿御苑方面へ。僕は、直感でこの辺にウマい店があるなと、新宿2丁目の路地裏に入ったりして探し回っていました。
やっと、5人が座れるオープンテラス席を発見。9月下旬の気候が穏やかなころですから、テラス席はベストチョイス!
ほっとしたのもつかの間、次の瞬間、物騒な看板が目に飛び込んできました。
“ポイ捨てしたら、殺します”
“持ち込みOK でもコソコソやっていたら許さない”
こんな感じの何とも強気な文字。みんなで「めちゃオモロイじゃん、ここ」って引かれて入ったのが居酒屋「よしだ海岸」です。
看板の文字には驚いたけど、威勢のいい店員さんたちが笑顔で応対してくれる、全然怖くない店です。安心してメニューに目を移すと、一皿300円台~と破格の安さがズラリ。300円以下もある。看板にも値段にも驚かされながら、まずは1杯460円のハイボールでカンパ~イ!
「ツナサラダ」の衝撃のボリュームと価格、酒のアテに最高のワケとは
最初に注文したのは、「自家製ツナサラダ」。なんと、市販のツナ缶3缶分もの山盛りがボコッと出てきたんです。皿にのっているのは、ツナだけ。ツナサラダって、ふつうレタスとかの野菜に、ちょこっとツナがのっているイメージだから、その見た目とボリュームは、すごい衝撃でした。
ツナにニンニクを炒めて風味付けした菜種油がかかっているだけ。これは、シンプルにウマい!
ハイボールを飲みながら、ずっとつついていたほど。酒のアテには最高です。しかも一皿320円。市販のツナ缶L缶1個分ぐらいの値段とは。僕も自分でツナを作っているからわかるけど、このボリュームでこの値段は、まず、ありえない!!
良心的なのは、「あら煮」も同じ。320円だから、小鉢で出てくると思ったら、ドーンと大皿で来たんです。しかも、いろんな魚の脂ののった“身”が甘辛く煮つけてあって、アラが全然入っていない!
美味しくてもあまりに安いと、「この店、ホント、やっていけるのか!?」と心配にもなります。でも、店の人達がお客さんに、いかに満足できるものをギリギリの値段で提供できるか、もの凄く経営努力しているのがわかるから、そんな店が好きでよく行きます。
食感も楽しい生タコ&ワタリガニのから揚げ
珍しい海鮮を使った唐揚げも充実しているんです。特におススメなのが、「生タコの唐揚げ」。何と一般的な蒸しダコではなくて、贅沢に生タコを唐揚げにしているんです。生タコは油で揚げるとコリコリした、ホルモンみたいな食感がたまらない!!
これで400円程度だったか。この値段はマジ、ヤバい。3、4切れ食べながら、ハイボールを1杯空けられるほど、みんなめちゃくちゃ酒が進む進む……。
〆に注文したのが「ワタリガニの唐揚げ」。カニの唐揚げって、珍しいですよね。僕も食べたことがないから、どんなのかなって、興味津々。
出てきたのは、カラリと素揚げした鮮やかなワタリガニの足。このまま殻ごと頬張ると、パリパリ骨せんべいみたいで食感もいい。しかも美味ながら、500円ぐらいだったかな。最後まで、最強コスパメニューが続きました。ハイボール、もう何杯目だろう……。
この日の会計は、5人で飲んで食べて1万2000円ほど。ひとり2000円強と、非常にリーズナブルに酔えた夜でした。
『よしだ海岸』の店舗情報
〔住所〕東京都新宿区新宿2-13-6光亜ビル1F
〔電話〕03-5379-5488
〔営業時間〕18時~翌6時
〔休日〕不定休
〔交通〕地下鉄丸ノ内線・副都心線、都営地下鉄新宿線新宿3丁目駅から徒歩2分
※新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前にお店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。
リュウジ
料理研究家。1986年、千葉市生まれ。Twitter やYouTubeで日々更新する料理動画やレシピが、「簡単に爆速で美味しく作れる」と大人気。YouTube チャンネル「料理研究家リュウジのバズレシピ」の登録者数は330万人で、SNSを含めた総フォロワー数は720万人を超える。2020年、『ひと口で人間をダメにするウマさ!リュウジ式悪魔のレシピ』(ライツ社)で「第7回料理レシピ本大賞」を受賞。22年には、定番料理100品のレシピを集めた『リュウジ式至高のレシピ』(ライツ社)で「第9回料理レシピ本大賞」を受賞し、2度目の栄誉に輝く。「料理のお兄さん」として自炊の楽しさを広めようと、多方面で活躍している。