【3日目】福井の郷土料理から 温泉とせいこがにで〆 さて、今日が福井の最終日。朝風呂に入って気合いをいれる。この宿を選んだのには理由があって、1年ほど前のリニューアルと同時に宿泊者以外にも提供し始めた朝食が市内でプチバズ…
画像ギャラリー11月上旬に漁が解禁され、3月下旬までシーズンを迎える冬の味覚・カニ。せっかく食べるなら産地で食べたい。ということで向かったのが、2024年春の北陸新幹線延伸に向けて盛り上がる福井県。ブランドガニ「越前がに」をお得に食べたい!と、地元の情報を頼りに福井駅周辺と県随一の水揚げ量を誇る越前町を巡りました。しかし、『おとなの週末』取材班に課せられたのは食事代3万3000円以内でおさめよ。無事ミッションを達成できるのか!?
【1日目】コスパ高寿司店でせいこがに料理に舌鼓
今回の旅の目的、それは福井が誇る冬の味覚、カニだ。それもいかに予算内で楽しむか、ということ。良型は1杯数万円なんてザラにある「越前がに」にいきなり手を延ばしたら即試合終了、なのである。そこで最初の晩に狙いを定めたのが手頃なメスのズワイ、福井での呼び名はせいこがにだ。
向かったのが地元の人に強く、強~く勧められた『寿司政』。ホワイトボードに手書きのネタがびっしり書かれているあたりイイ店の予感しかしない。軍艦で食すせいこがにの味もさることながら、それを使ったグラタンもたまらぬ旨さ! 最高の旅のスタートを切れた。
【夜】
『寿司政』 @福井城址大名町
まさに穴場!地元で愛される 町寿司の名店
隣と肩が触れ合うような小体な店はいつも地元客で満席。理由はむろん旨さと安さ。握りはひと皿300円~でその日のおすすめには地物を中心とした旬の魚介が並ぶ。さらに店主は元洋食のコックという経歴で、ベシャメルソースから手作りして、せいこがにの身も内子も外子も丸ごと使った「カニグラタン」も必食だ。
セイ甲軍艦2貫 1000円
[住所]福井県福井市順化1-12-1
[電話]0776-26-4006
[営業時間]18時~24時(23時LO)
[休日]月・火
[交通]福井鉄道福武線福井城址大名町駅から徒歩1分
【2日目】越前町と福井市で越前がにを1日堪能
朝7時半に宿を出発し、向かったのが越前町にある「大樟漁港」。そう、ここがかの有名な越前がにの水揚げ地だ。100g単位に仕分け並べられたカニたちの列は、どこかインベーダーゲーム風。
しかも活きてる!動いてる!死んでしまうと商品としての価値が落ちるので、当然ちゃ当然だけど、数百匹がわしゃわしゃとうごめく姿から目が離せない。9時を過ぎた頃にいよいよ競りも始まった。詳しい金額は控えるが、競り値ですらも驚きのお値段。果たして我らは予算内で越前がにを口にすることができるのだろうか。
気を取りなおし、次に向かったのが漁港からほど近い「道の駅越前」。ここでも活や茹での越前がにが販売されていて、先ほど見たカニたちの一部も、間もなくここに並ぶと思えば感慨深い。
それはさて置き、施設内には食堂や露天風呂、温水プールなども併設しており、見応え抜群だったのが『越前がにミュージアム』。ズワイガニは8~10年という長い時間をかけてやっと親ガニまで成長するそうだ。そりゃあ越前がにの値が張るのも仕方ないってもんだろう。
午後、福井市に戻りこの日の宿『宝永旅館』にチェックイン。女将さんはとっても気さくで、語尾をたなびくように伸ばす福井弁のおしゃべりが耳に心地良い。それはそうと本日の夕飯はどこ行くの?編集の戎くんは自信あり気に言い切った。「今夜は本物の越前がにを食べましょう!」。
で、乗り込んだのが『柳庵』。またまた地元情報によれば、コスパ、ピカイチだそうだ。確かに今朝の競り値を聞いたからこそわかるけど、この内容でこの値段って採算取れてる?「せっかく福井まで来てくれたのに越前がにを諦めて帰っちゃう方も多いんですよね。だからできるだけ安く楽しんでもらおうと思って」と専務の柳町さん。
しかもこちらでは、客の到着に合わせて活け茹でするので風味も甘みもとりわけ強い。ミソも身もぎっしり詰まって、その味わいはとびきり品が良い。ありがとう福井、ありがとう越前がに。この味一生忘れません。
【朝】
『大樟(おこのぎ)漁港』 @越前町
ウデに光る黄色いタグが旨さの証
越前がに漁が解禁される11/6から3/20まで、入港すれば朝9時から行われているのが漁協による競り。帰港したばかりの船から運び出される、活きたままの越前がにがズラリと並んだ様はまさに圧巻だ。一般公開はしていないものの、3日前までに「越前町観光連盟」に予約すれば見学も可能
[住所]福井県丹生郡越前町大樟
[電話]0778-37-1234
【昼】
『道の駅 越前』 @越前町
食べて、学んで癒される 複合観光スポット
[住所]福井県丹生郡越前町厨71-335-1
[電話]0778-37-2360
[営業時間]アンテナショップ9時~17時、露天風呂11時~21時、温水プール&スパ11時~17時
[休日]火(11月~3月は第2・4火のみ)
[交通]JR武生駅から福鉄バス・かれい崎行きで約65分
『お食事処 かねいち』
道の駅内にある地元の水産会社が直営する食堂。福井名物のソースカツ丼から日替わりの刺身定食、さらにシーズン中は越前がにやせいこがにの定食までと幅広いラインナップ。海鮮丼は、紅ズワイガニや、甘エビの他にも歯応えの良い新鮮な刺身を種類豊富に盛り込んでいる
お魚屋さんの海鮮丼 1750円
[電話]090-7087-1122
[営業時間]9時~17時(16時LO)
『越前がにミュージアム』
施設内には深海約300mのパノラマ劇場や、カニ漁船の操舵体験ができるシミュレーター、さらには大型スクリーンによる大迫力の映像や、バーチャル水槽などで、越前がにや、せいこがに、はたまた日本海の神秘を楽しく学べる。また、生態研究を行うラボも併設しており、これからの越前がに漁の発展にも貢献している
[電話]0778-37-2626
[営業時間]9時~17時
【夜】
『和食ダイニング 柳庵(りゅうあん)』 @福井城址大名町
贅沢&高コスパ 丸ごと1杯付く珠玉のコース
漁港の競り人とのパイプにより、市内でも特に高コスパで越前がにを味わえる。活で仕入れ、店内の水槽でひと晩、泥吐きさせてから茹で上げた身は、甘みも香りも上品。ご覧のコースは400g前後のサイズがひとり丸ごと1杯に、前菜や刺身の盛り合わせ、小鍋に食事などが盛りだくさんについて、大満足間違いなしだ
お手軽カニコース 1万7600円
【贅沢するならコレもぜひ!】
700g前後の比較的大きなサイズを刺身と炭焼きの両方で堪能できる。活でしか味わえない刺身は、とろりとなめらかな口当たりから広がる甘みがなんとも官能的。一方、目の前の七輪で炙った焼きガニは、香ばしさも加わって旨みも凝縮。甲羅の中でフツフツと音を立てるカニみそを舐めつつ日本酒をキュッ。至福とは、まさにこのこと!
焼き蟹・蟹刺しセット 2万8600円
[住所]福井県福井市順化1-13-13
[電話]0776-21-8880
[営業時間]17時~23時(22時LO)
[休日]日・祝
[交通]福井鉄道福武線福井城址大名町駅から徒歩2分
【3日目】福井の郷土料理から 温泉とせいこがにで〆
さて、今日が福井の最終日。朝風呂に入って気合いをいれる。この宿を選んだのには理由があって、1年ほど前のリニューアルと同時に宿泊者以外にも提供し始めた朝食が市内でプチバズリしているとか。打ち豆入ひじき煮に麩のからし煮、福井の郷土料理と手作り感あふれるおかずがしみじみ旨い。朝から元気いっぱいの女将さんに見送られ本日の取材先へGO!
車を走らせていると、雨が降ったり止んだりと福井の天気はコロコロ変わる。雨上がりには二重の虹がくっきり見えて、なんか良いことありそう。そうこうするうちに『鷹巣荘』へ到着。こちらはカニのシーズン中、日帰りプランを行っている旅館だ。
まずは源泉かけ流しの温泉へ。露天風呂のすぐ目の前にある日本海は、まるで東映映画のオープニングのように荒々しく力強い。そして今回のカニの旅のフィナーレを飾るのが、せいこがにの炊き込みご飯。カニの風味が染み込んだホクホクのご飯に、外子のプチプチがアクセント。初日の軍艦もおいしかったけど、こういう楽しみ方もいい!
大満足で帰途に着いた。2泊3日の旅はこれにて終了。行く先々で感じたのが福井の人々の越前がにに対する特別な想いなのだ。えいやっと奮発してこの冬、福井に出かけてみませんか?
福井2泊3日食事代 ひとり26,550円ナリ!!
【朝】
『宝永旅館(ほうえいりょかん)』 @仁愛女子高
市内で話題沸騰!宿泊なしでOKの旅館の贅沢朝食
宿泊者でなくても楽しめるのが、JR福井駅からもほど近い、こちらの旅館の和朝食だ。「たくあんの炊煮たの」や「すこ(ズイキの甘酢漬け)」などの家庭料理や、炙ったへしこといった福井の味も。他に、焼き魚にサラダ、3種類の小鉢にコーヒーまで付いて、ジャスト1000円。数量限定のため、前日までに予約してから訪れよう
朝食 1000円
[住所]福井県福井市宝永3-7-16
[電話]0776-22-5204
[交通]福井鉄道福武線仁愛女子高駅から徒歩8分
【昼】
『国民宿舎 鷹巣荘(たかすそう)』 @みの浦
景色、温泉、蟹 丸ごと堪能できる欲張りプラン
3/20までの期間限定で打ち出すのが、入浴と食事、個室休憩をセットにしたプラン(3日前まで要予約)。目の前に雄大な景色が広がる温泉で身体を温めた後にいただくのが、せいこがにを使った釜飯や丼。身はもちろん濃厚なコクの内子やプチプチ食感の外子も丸ごと味わえる。食後は全室オーシャンビューの部屋でゆったり過ごそう
※食事+個室休憩(11時~14時)+温泉(タオル付き)
日帰り蟹プラン せいこ釜飯御膳 4500円(食事のみ 3300円)
[住所]福井県福井市蓑町3-11-1
[電話]0776-86-1111
[交通]JR福井駅から鮎川・小丹生行きバスで約50分、「みの浦」バス停下車徒歩5分
【福井駅で発見!カニみやげ】
福井駅にてカニに関する土産を発見!帰りの新幹線に、家での晩酌のお供になりそうなものを集めました。
土産物探しならJR福井駅に隣接するショッピングモール「プリズム福井」が充実の品揃え。『越前田村屋』では写真の「かにみそ」などの加工品はもちろん茹で立ての越前がにもサイズごとに販売。
かに新上 1030円
そして『番匠本店』の名物が「越前かにめし」だ。せいこがにのミソなどを炊き込んだご飯の上にズワイや紅ズワイの身がたっぷり。雑炊やチャーハンにリメイクするのもおすすめ。
越前かにめし 1400円
時間がなければ駅の西口付近にある自動販売機でも購入できる。店舗では「かにみそチーズ」や「かに新上」などのおつまみ類も豊富に揃えている
かにみそチーズ 680円
撮影/貝塚隆、取材/菜々山いく子
※2023年2月号発売時点の情報です。
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