焼きカレーの三ツ星店・東京9選 食欲をそそる焼き色がたまらない

『cafe’紅鹿舎』チキンカレーのオーブン焼き 1600円 ※14時~ イチから作るルウはスパイシーだがチーズと焼くとまろやかに

『cafe紅鹿舎』 @有楽町 あの和食材が入った愛情たっぷりの味 元祖ピザトーストなら昭和32年創業の『紅鹿舎』。初代の妻で2代目の村上節子さんが夫から新メニューを相談された時、「手軽な食材でピザが作れたら」と考案した。…

画像ギャラリー

香ばしく焼かれたチーズの下に芳醇なカレーが潜む焼きカレー。熱熱&香辛料による刺激で、ひと口ごとに体が温まるこの旨さは、寒い日にこそ食べたい旬の味。焼きカレーの三ツ星店、集めました!

『3丁目のカレー屋さん』 @宝町

手間を惜しまず作る 華麗な味のハーモニー

さあご覧ください。グツグツと息吹くカレーの大地にとろりと溶ける黄金のチーズを。スコップ形の愛らしいスプーンで発掘するかの如く挑めば、気分はもう探検家。これぞ美味のお宝だ。実は先代の頃はミュージックバーだったそうで、音楽さながら素材のハーモニーを奏でるカレー店になったのは2代目が継いだ17年ほど前のこと。

焼きチーズビーフカレー 1500円(昼)

『3丁目のカレー屋さん』焼きチーズビーフカレー 1500円(昼) ※夜は2000円・リーフサラダ付きで内容が若干変わる 小麦粉はほぼ使わず、とろみは野菜とバナナなどを煮込んで出す

「焼きチーズビーフカレー」欧風を基本にしながらスパイスを強めに効かせ、塩味の少ないモッツァレラチーズと焼くことで理想のバランスに仕上げているとか。カレーソースは大量の野菜と果物、和牛すね肉などを煮込み、熟成させたもので、それに作りたての新しいソースを混ぜて重層的なコクを完成させる。まろやかだがピリリと刺激的、その華麗なる味に脳内で拍手が鳴りやまない!

『3丁目のカレー屋さん』

[住所]東京都中央区京橋3-9-9 地下1階
[電話]03-3567-6767
[営業時間]11時~14時45分(14時15分LO)、18時~22時(21時15分LO)
[休日]日
[交通]都営地下鉄浅草線宝町駅A3出口から徒歩1分・銀座線京橋駅2番出口から徒歩4分

『YOGORO(よごろう)』 @原宿

ベースの味が選べる行列必至の人気店

ハッキリいって筆者に”緑の革命”が起きました。これまでどの店でも98%選ばなかったほうれん草のカレーだけど、この店の一番人気と聞いて試したら……え、うまっ。味蕾が覚醒した。パエリア用の鍋で運ばれてきたそれはクリーミーで芳醇で。世の”緑の食べ物界”で上位に入る旨さ(筆者調べ)なんでないかい?

チキン(ホウレン草) 1100円 ※チーズトッピング+100円

『YOGORO(よごろう)』チキン(ホウレン草) 1100円 ※チーズトッピング+100円 ベースの味はほうれん草とトマトから選択。ほうれん草は水を足さず濃厚に仕上げる。ご飯はターメリックライス

ギリギリの水分量に抑えたほうれん草ペーストで作る味はドキッとするほど濃厚だし、選んだ具のチキンはカレーと一緒に煮込むのではなく、注文後にソテー&フランベするのでカリカリでジューシー。既存のルールに縛られず、独自の手法を細部に施した旨さにひれ伏したのだ。一方、もうひとつのトマトベースの味はスパイス感キレキレで爽やか。くう、甲乙つけがたし!

『YOGORO(よごろう)』

[住所]東京都渋谷区神宮前2-20-10 小松ビル1階
[電話]03-3746-9914
[営業時間]11時半~15時50分LO、18時~19時50分LO ※土は昼のみ・いずれもカレーが無くなり次第終了
[休日]日・祝
[交通]地下鉄副都心線北参道駅2番出口から徒歩10分、JR山手線ほか原宿駅竹下口から徒歩18分

『カレーライス カリヒオ』 @幡ヶ谷

高温で焼き上げる奥深い旨みをハフハフ

カレー好きを唸らせる人気専門店の品書きに「焼きカレー」の文字を見つけたらテンション上がりません?看板の味もいいけれど、たまに食べたいホットなアイツ。この店にもありました。しかも自家製ハンバーグなど4種から具を選べるってうれし過ぎ。「チキン」は根強いファンがいる同店のチキンマサラカレーをベースにしたもので、「オーブンで焼くと熱が一気に入って旨みが増す」と店主の川村さん。

焼きカレー(チキン) 1200円(ミニサラダ付き)

『カレーライス カリヒオ』焼きカレー(チキン) 1200円(ミニサラダ付き) 「チキン」はチキンマサラカレーがベース。カシューナッツやバナナなどのフルーツでコクと甘みを加え、生クリームも入るミルキーなコク。ボリュームもたっぷり

程よくスパイシー&カシューナッツのコクやフルーツの自然な甘みが加わった味はリッチで風味豊か。ちなみに牛スジのダシを使う定番カレーの「全部のせ」は低温調理した角煮など人気の具が勢ぞろい。曰く「カリヒオの小宇宙」。その味の深~い調和、神秘ですわ~。

『カレーライス カリヒオ』

[住所]東京都渋谷区幡ヶ谷2-48-7
[電話]03-5371-0125
[営業時間]11時半~21時半(材料が無くなり次第終了、ウーバーイーツは11時~)
[休日]月
[交通]京王新線幡ヶ谷駅北口から徒歩4分

『usubane(ウスバネ)』 @自由が丘

名店の味を継承した焼きカレーが人気

かつて自由が丘にあった人気店「ジジセラーノ」の名物焼きカレーを受け継ぐ店があるよ、と聞いてやってきたのがここ。それは器を彩るトマト、ナス、カボチャに卵やチーズ、バナナやパイナップルも入ってトロピカル!名店の味を復活させたのが店の常連客だった薄羽さんだ。

焼きカレー 1400円

『usubane(ウスバネ)』焼きカレー 1400円(ランチは17時まで・サラダ付き、夜は単品1450円) 牛骨のダシとスパイスで作るルウはマイルドな辛さ。トマトの部分は酸味が強く、バナナの下はフルーティと食べる箇所で違う風味。混ぜれば調和した味を楽しめる。ご飯はコシヒカリ+ジャスミン米

カフェやイタリアンで経験を積んだ腕を生かし、高齢で引退する店主から味を学んで同じ場所で開業した。基本はマイルドな味だが、やや刺激を出すためホールスパイスなどを使ってアレンジしたのだそう。ルウは1日寝かせることで熟した旨みになる。さてお店はといえばカフェでもあり、バーでもあり。コーヒー豆は自家焙煎、クラフトビールは約120種。いつでも気軽に一杯でもOKとは有難い限り!

『usubane(ウスバネ)』

[住所]東京都目黒区自由が丘2-12-19 地下1階
[電話]03-6421-2353
[営業時間]11時半~23時(フード22時LO)
[休日]木
[交通]東急東横線ほか自由が丘駅正面改札口から徒歩1分

『焼きカレーの店 ストーン』 @浅草橋

お客の7割が注文する絶対的王者の看板品

名作はひょんなことから誕生するものだ。『ストーン』の場合。23年ほど前のある日、常連客の「何か変わったカレーない?」のひと声で作ってみたのがこの焼きカレー。瞬く間に行列店となった。そう、チーズとカレーの出合いは運命。熱々に盛り上がる両者の蜜月に卵の誘惑が加われば、器の中で美味の三角関係が繰り広げられる。

焼きカレー 900円(夜は1000円)

『焼きカレーの店 ストーン』 焼きカレー 900円(夜は1000円) 発端は常連の言葉を受けてカレーを焼いてみたことから。実は妻のアイディア。具は卵、ソーセージ、ブロッコリーなどが入る

えっと、何が言いたいかって?その不朽の名作は「最高で賞」ってことですよ。水はほぼ使わず、コトコト煮込んだ香味野菜の水分と牛スジのダシがたっぷり入るルウは隠し味にジンとウォッカを加えるのも特徴だ。これが絶妙な深みを演出する。いやもう何かね、老いも若きも虜にする罪な旨さ。けれど実家に帰ったかようにホッとする安定の味。大好きです。

『焼きカレーの店 ストーン』

[住所]東京都台東区浅草橋1-10-12
[電話]03-5821-3800
[営業時間]11時~14時(13時45分LO)、17時半~22時(21時45分LO)※祝は昼のみ
[休日]日
[交通]JR総武線ほか浅草橋駅東口などから徒歩1分

『cafe紅鹿舎』 @有楽町

あの和食材が入った愛情たっぷりの味

元祖ピザトーストなら昭和32年創業の『紅鹿舎』。初代の妻で2代目の村上節子さんが夫から新メニューを相談された時、「手軽な食材でピザが作れたら」と考案した。以来、喫茶店の定番として全国で愛されているそうな、完。じゃなくて!実はこの名喫茶、美味の宝庫だとご存じ?

チキンカレーのオーブン焼き 1600円

『cafe紅鹿舎』チキンカレーのオーブン焼き 1600円 ※14時~ イチから作るルウはスパイシーだがチーズと焼くとまろやかに

何せ品数は約240種。今回注目したのが「チキンカレーのオーブン焼き」だ。独自のルウは辛さを主張しつつ、クセが強くないチーズと焼いてまろやかに。刺激の中にどこか懐かしい風味があるのは具に和食材を使うからだそう。それはキンピラゴボウ。「私が子供の頃から好きで、母がカレーに入れて焼いてくれたのがおいしくて。そのままメニューに」と3代目の淳さん。母の愛の味なんです。

『cafe紅鹿舎』

[住所]東京都千代田区有楽町1-6-8 松井ビル1階
[電話]03-3502-0848
[営業時間]11時~23時(土日祝10時~)
[休日]無休
[交通]地下鉄日比谷線ほか日比谷駅A2・A4出口などから徒歩2分・JR山手線ほか有楽町駅中央西口から徒歩4分

『カレー専門店 ベンガル』 @末広町

スパイス際立つ濃厚&軽やかな味

香辛料輸入会社に勤めた初代が創業した同店の実力を感じるなら、焼きカレーだ。ひと口すくったなら、スプーンを前に深呼吸してみて欲しい。鼻をかすめる甘やかで香ばしい匂い……。その芳香の秘密は、なんといってもスパイスだ。使うカレー粉は創業当時からスパイスの配合が変わらないオリジナル。

こく旨焼きビーフカレー 1300円

『カレー専門店 ベンガル』こく旨焼きビーフカレー 1300円 ルウのベースには野菜、鶏、牛で取った旨みたっぷりのスープを使用

2代目店主の浅見さんが「これがなければうちの味は作れない」と言う、そのスパイスをたっぷり加えたルウは、辛味は控えめながら香り高く、旨みの奥に酸味と苦味がふわりと漂う。皿の上で焼かれたルウはチーズと合わさり、より濃厚でまろやかな味わいになっているが、スパイス効果であくまで軽やかなのだ。相反する味わいを同居させるスパイスマジックに惚れたぜ!

『カレー専門店 ベンガル』

[住所]東京都千代田区外神田3-6-1 丸山ビル1階
[電話]03-6260-8879
[営業時間]11時半〜21時(20時半LO)、水・木11時半〜15時(14時45分LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄銀座線末広町駅3番出口から徒歩3分

『TOKYO STYLE CURRY RED CHILI』 @信濃町

「簡単だから」じゃない完成度高き焼きカレー

「店を開いた14年くらい前はまだ焼きカレーを出す店が少なくて。オーブンさえあれば簡単にできますから」。看板メニューのひとつ、焼きカレーを供する経緯を聞けば、ひょうひょうと答える店主・陣内さん。しかしそれは本音ではない。ハフハフしつつ頬張り、じっくりと味わえば、その完成度の高さに唸らされてしまう。

焼きカレー(牛すじ) 900円

『TOKYO STYLE CURRY RED CHILI』焼きカレー(牛すじ) 900円 焼きカレーは他にチキン、キーマと3種用意

チーズにはパルメザンも使われ、実に香ばしく風味豊か。牛スジダシのカレーには隠し味にトマト、桃、リンゴを使用し、穏やかな刺激の奥にやさしい甘みがじんわり。そして食べ進むと出合うとろ~り卵が、カレーとチーズ、ご飯の重なりにコクとまろやかさをプラス。その味わいは、口の中だけでなく、気分までもたちまちあったかパラダイスに導いてくれる傑作なのだ。

『TOKYO STYLE CURRY RED CHILI』

[住所]東京都新宿区信濃町11-4 五十嵐ビル地下1階
[電話]03-6380-6503
[営業時間]11時半〜14時、18時〜23時(22時LO)
[休日]日
[交通]JR総武線信濃町駅から徒歩5分、地下鉄丸ノ内線四谷3丁目駅1番出口から徒歩5分

『ビストロ カマラード』 @蒲田

カレー好きが作った ワインに合う〆カレー

まずはメイン。そして食べたい料理をあれやこれやと決めいく。それが王道だろう。が、同店ではそうはいかない。ビストロ料理からイタリアン、洋食まで。ワインに合う料理を出しつつ、〆には焼きカレーも用意。これが絶品で、お腹に少し余力を残しておきたいのだ。

レッドチェダーチーズの欧風焼きカレー 1500円

『ビストロ カマラード』レッドチェダーチーズの欧風焼きカレー 1500円 3日間かけて仕上げるカレーには、ポークのほか牛ほほ肉使用のビーフもある

カレー好きの店主が作る欧風カレーはスパイスの調合も自身で行う自信作。昼に出していたが、試行錯誤の末、豚バラ肉のグリルとレッドチェダーチーズをのせ、焼きカレーとして夜のメニューにオン。その味は香り豊かで辛さは控えめ。そこに豚バラのコク、甘み、さらにチーズのまろやかさが加わり、リッチな味わい。〆ばかりか、ワインにもぴったりだ。このカレーを前提に食事を考える。そんな夜をぜひ試してみて。

『ビストロ カマラード』

撮影/橋本真実(3丁目のカレー屋さん、ウスバネ)、小澤晶子(ヨゴロウ)、大西尚明(カリヒオ、ストーン)、西崎進也(ベンガル、紅鹿舎)、鵜澤昭彦(RED CHILI、カマラード)、取材/肥田木奈々(3丁目のカレー屋さん、ヨゴロウ、カリヒオ、ウスバネ、ストーン、紅鹿舎)、藤沢緑彩(ベンガル)、編集部(RED CHILI、カマラード)

※2023年3月号発売時点の情報です。

※全国での新型コロナウイルスの感染拡大等により、営業時間やメニュー等に変更が生じる可能性があるため、訪問の際は、事前に各お店に最新情報をご確認くださいますようお願いいたします。また、各自治体の情報をご参照の上、充分な感染症対策を実施し、適切なご利用をお願いいたします。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

画像ギャラリー

この記事のライター

関連記事

北海道で「店内に銭湯の入り口がある」ラーメン店を発見! 競走馬とグルメ旅

名物のサラダカレーはスプーンが止まらない!東日本橋『カレー屋 SATCHMO』は主人の思いを忠実に守る

ブーム!大阪スパイスカレーの原点は?ルーツを巡る【厳選】4軒 「理想です」と言わしめた名店とは

【入門編】大阪カレーの人気店3選!「毎日食べられる味噌汁のようなカレーを作りたい」

おすすめ記事

【11月22日】今日は何の日? 辛い!おいしい!美容にうれしい!

ビッグなソーセージをがぶり!【厳選】シャルキュトリーが自慢のビストロ4軒 

名古屋のコーヒーは量が多い!?コーヒー好き女優・美山加恋がモーニングでその真相を知る

肉厚!もつ煮込みがうまい 創業70年の老舗『富久晴』はスープも主役「ぜひ飲み干して」

東京、高田馬場でみつけた「究極のラーメン」ベスト3店…鶏油、スープ濃厚の「絶品の一杯」を覆面調査

禁断の2尾重ね!「うな重マウンテン」 武蔵小山『うなぎ亭 智』は 身がパリッと中はふっくら関西風

最新刊

「おとなの週末」2024年12月号は11月15日発売!大特集は「町中華」

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌「おとなの週末」。11月15日発売の12月号は「町中華」を大特集…