春の九州温泉旅(下)“界ホッピング”のメリットとは

3Wi-Fiのパスワードが星野リゾートの全施設共通で、到着と同時に通信できることは、今までにも助かる要素だったが、今回は複数の施設を巡ったのでそのありがたみが身に染みた。到着したらすぐ調べたい現地の情報や、今回のような長…

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なかなかの大冒険、と張り切って挑んだ九州横断旅だったが、終わってしまうとあっけないほどスムースだった。そしてそれぞれのエリアでの滞在も期待以上に充実。それは九州横断しつつ、界を巡るプランに助けられているだろう。そこで界ホッピングすることで得られるメリットを考えてみた。

星野リゾート 温泉ブランド「界」の魅力

1その土地ならではの食、デザイン、文化を体感できるご当地コンテンツが充実
2滞在中は心地よい作務衣を着るので、最低限の着替えだけでよく、荷物もコンパクト
3Wi-Fiのパスワードが共通のため、到着と同時に通信はサクサク!
4お湯印やカラフルな風呂敷など、スタンプラリー感覚で集めていくのが楽しい
5すべての界にドッグフレンドリーな部屋があるので愛犬といっしょの旅も可能
6客室内のデスクやライブラリーなどで、快適にリモートワークがしやすい

まずは1ご当地コンテンツの充実。これはただ温泉でリラックスするだけでなく、その土地ならでは文化に触れられる体験があることが大きい。食事にしても、食材や調味料、調理法だけでなく、器やその地の文化をモチーフにしたプレゼンテーションで目でも楽しませてくれる。


また界 由布院のわら綯(な)い体験や界 雲仙の活版印刷体験など、手仕事を通じて文化に触れ、気軽に誰でも体験できるご当地楽も多い。その多くは参加費無料だ。そこでつくった縄のお守りや活版印刷のカードは旅の想い出にもなる。大浴場やロビーなどのパブリックスペースも、その地の文化を表現した空間が多く、施設内にいながらその地の歴史や文化を学べるのは界ならではだろう。

2滞在中はずっと作務衣を着るため、荷物もコンパクトに収まるのは意外なメリットだった。浴衣と違ってはだけにくく、ちょっと近くを散策したり、朝のエクササイズにも対応できる木綿の作務衣風上下なので、部屋着以上の活躍をしてくれる。つまり滞在中はほぼ作務衣のまま。最小限の着替えだけでいいので、荷物はもっともっと軽量化できそうだった。

3Wi-Fiのパスワードが星野リゾートの全施設共通で、到着と同時に通信できることは、今までにも助かる要素だったが、今回は複数の施設を巡ったのでそのありがたみが身に染みた。到着したらすぐ調べたい現地の情報や、今回のような長い旅では、メールチェックを頻繁にしたい場合も。毎回、パスワードを入力し、つながるまで待って…というまどろっこしさがゼロなので、ストレスフリー。これは地味にうれしいポイント。


4スタンプラリー感覚で界を巡るのも楽しい。各施設の温泉の特徴を記すお湯印帳はまさにスタンプラリー。お湯や滞在体験を記録することで、旅の思い出が深まる。そしてアメニティが包まれた風呂敷は全国各地にある界すべてで違う配色。これをコレクションしているリピーターも多いのだとか。現在22か所にある界すべてを巡ろうとする猛者も!

5すべての施設にドッグフレンドリーな愛犬部屋があるのも界の特徴。界 由布院ではドッグラン付きの離れがあり、界 雲仙では大型犬2匹がゆったりくつろげるような広々とした客室も。ベッドやトイレやごみ箱など、生活に必要な設備があり、床や家具もメンテナンスしやすい素材にするなど工夫されている。半個室のレストランなら愛犬と同席することも可能だ。とはいえ、犬専用の施設やメニューなど、ペットのために特化したサービスをあえて設けないのだとか。ペットも家族の一員として、いつもどおりに過ごせる宿を目指している。だからこそ、気負わず、気軽な温泉旅を計画できるのだ。

また6快適にリモートワークがしやすい環境も、長旅には欠かせない。ちょっとしたメールチェックや書類作成でも集中できるデスクが設置された客室が多く、トラベルライブラリーなどのパブリックスペースが心地いいので、気分を変えて作業ができる。ちなみに私は資料の読み込みや、校正作業を湯上がり処で進めるのが好きだ。その地域を代表するドリンクや、映画「湯道」とコラボしたその土地の牛乳がふるまわれたりして、ここでもご当地の味を発見できる。ひんやり冷えたアイスバーも美味しい。

ちなみに「王道なのに、あたらしい。」をコンセプトとする星野リゾートの温泉旅館ブランドの最初の施設は界 阿蘇。いわば界の原点ともいえる宿だ。しばらく九州エリアには界の施設はなかったが、2021年1月に界 霧島、2021年7月に界 別府、2022年8月に界 由布院、そして2022年11月に開業したばかりなのが界 雲仙だ。そのエリアごとにコンセプトも、デザインもまったく違い、その土地にあった楽しみ方ができる。

今回は東の端の大分から西の長崎へ、さまざまな文化や地形を楽しむ横断旅だったが、鹿児島にある界 霧島や、実は九州の玄関口ともいえる山口県の界 長門を巡る旅もいい。移動そのものを楽しみ、滞在先で文化に触れ、温泉でくつろぐ。そんな周遊旅はまさに大人の遠足。春の九州温泉巡りとしゃれこんで、その土地の魅力を満喫しよう。

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