「そうだ、温泉へ行こう」。予定を立てて行くのもいいけど、思い立ったらすぐに行きたいときもあるでしょう。今回、5つの県へおと週スタッフが思い思いのエリアへおでかけ。東京から1時間〜2時間で行ける「日帰り温泉旅」を満喫しまし…
画像ギャラリー「そうだ、温泉へ行こう」。予定を立てて行くのもいいけど、思い立ったらすぐに行きたいときもあるでしょう。今回、5つの県へおと週スタッフが思い思いのエリアへおでかけ。東京から1時間〜2時間で行ける「日帰り温泉旅」を満喫しました。温泉処・群馬県で、ぐるりとクルマではしご湯を敢行した『おとなの週末』ライター池田。未だ食欲旺盛で、湯の後の食事も満喫し、大満足の旅となりました。
『仏岩温泉 鈴森の湯』
樹々の緑とせせらぎに囲まれた癒しの湯
新潟県との境に近い、谷川連邦の麓に位置。約1500〜2000万年前の地層から毎分445Lという豊富なお湯が湧き出ている源泉かけ流しの日帰り温泉だ。広々とした内湯は檜造りで、源泉温度そのまま35℃のぬる湯と加温湯があり、交互に楽しむのもよし。肌あたり柔らかで実に癒される。眼下に阿能川の清流を見る露天風呂は開放感たっぷりに自然に囲まれている。「二千万年水」として源泉温泉水も購入可。その水を使ったご飯を楽しめる食事処もある。
[住所]群馬県利根郡みなかみ町阿能川1009-2
[電話]0278-72-4696
[営業時間]11時〜20時(受付19時まで)
[休日]水(8月は最終水のみ・祝の場合は翌日) ※臨時休業あり
[交通]JR上越線水上駅からタクシーで約5分、関越自動車道水上ICから車で約10分
『沢渡温泉 共同浴場』
沢渡の原点 芯まで温まる美肌の湯
古代より自然湧出し、実は約800年前から湯治場として確立していた沢渡温泉。古くは源頼朝や、高野長英、若山牧水など歴史上の人物にも愛されてきた。源泉は55℃以上の熱さ。無色透明の硫酸塩泉は肌ざわりが柔らかく、強酸性の草津の湯で肌を痛めた湯治客が肌を癒したことから“草津のなおし湯”とも言われた美肌の湯だ。熱湯、温湯、2つの浴槽がある共同浴場は、朝9時から誰でも利用できる。地元の人も利用するので素朴なふれあいも楽しめる。
[住所]群馬県吾妻郡中之条町上沢渡2310
[電話]0279-66-2841
[営業時間]9時〜20時半
[休日]無休
[交通]関越自動車道渋川伊香保ICから車で約56分
『八千代温泉 芹の湯』
ここにしかない雰囲気が味わえる秘湯!
下仁田の街場から川沿いを走らすこと20分余り、山あいの人里離れた場所に、素朴にたたずむ隠れ湯だ。湯は内湯で、日替わりの男湯と女湯2つある。片方は板張りと木の浴槽。もう一方は石造りの岩風呂。いずれも明かり取りの窓からの光がやさしく浴室を満たし落ち着いた空間だ。源泉かけ流しの湯は、口にすると少ししょっぱく、ヌルヌル感があって肌にまとわる感じがよし。ほどよいぬる湯で湯あがりが軽い。ふわとろ温泉豆腐はじめ素朴な料理もあり。
[住所]群馬県甘楽郡下仁田町西野牧芝の沢12809-1
[電話]0274-84-3812
[営業時間]11時〜20時
[休日]木・第2金
[交通]上信越自動車道下仁田ICから車で約29分
【湯のあとはココへ】
『鈴森の湯食事処』
炭火で20分かけて焼く岩魚塩焼き定食をはじめ、鈴森の湯の源泉100%で打った温泉うどんやそばなど、手作りの美味しい料理が。中までふんわりと焼かれた岩魚は川魚らしいいい香りもあってきれいな味。味噌焼もあり。
岩魚塩焼き定食 1700円
[住所]群馬県利根郡みなかみ町阿能川1009-2 鈴森の湯内
[電話]0278-72-4696
[営業時間]11時〜19時LO
[休日]鈴森の湯に準ずる
『生蕎麦処 はやしや』
沢渡温泉からは車で15分ほど。中之条駅前にあり、地元の蕎麦粉を使った二八の手打そばが人気。うめおろしそばは、蕎麦の風味、のど越しもよく、きれいにダシの出たツユも美味。梅の酸味も効きとてもいいバランス!
うめおろしそば 870円
[住所]群馬県吾妻郡中之条町大字伊勢町819-1
[電話]0279-75-3277
[営業時間]10時〜19時半
[休日]日(予約営業)
『コロムビア』
大きな鉄鍋にたくさんの下仁田ネギや地元の野菜、大きくスライスされた美しい下仁田ポーク。出来上がったすき焼きの肉は柔らかく、やさしい甘み。期待のネギもとろけて旨い。驚くべきコスパ。牛もある。ぜひお試しを!
豚すき焼セット 1400円(1人前)
[住所]群馬県甘楽郡下仁田町下仁田362
[電話]0274-82-3128
[営業時間]11時半〜14時LO、17時〜19時LO
[休日]月(祝日の場合翌火)
未訪湯の開拓とハシゴ これぞ群馬の醍醐味!
群馬県といえば温泉県。中でも3大温泉に数えられる草津、伊香保、四万は有名だけどほかにも未訪の、しかも日帰り湯も各所に点在。これを最大限楽しむ方法はといえば……そう、温泉のハシゴだ。所変われば風情も泉質だって変わる。地図とにらめっこしながら、どんな順路で行くか、作戦を考えるのだって楽しい。さて、本日はどんな出会いが待ってるか。
関越道を走らせて最初に向かったのは、みなかみ町、谷川連邦の麓にある『仏岩温泉 鈴森の湯』だ。2000万年前の太古の地層から湧き出るという源泉かけ流しの日帰り湯だ。山間の清流・阿能川沿いのロケーション。まずは檜造りの広々とした内湯へ。大きな窓の外は樹々に囲まれ、その緑と陽の光を映し込みながら溢れ出す湯が気持ちいい。軽い硫黄の匂いと肌あたりの柔らかさを感じて、自然と手足が大きく伸びる。
階段を降りた外には露天風呂もある。天井もなく、すっぽりと自然に囲まれたような浴槽に身をまかすと、聞こえてくるのは川のせせらぎや鳥のさえずり。マイナスイオン全開。内湯も露天も、癒され感抜群の湯なのである。湯あがりには、炭火で中までふんわり焼かれた岩魚塩焼きもおすすめだ。
次は下道を中之条町方面に向けて車を走らせ1時間ほど、10軒の温泉宿からなる小さな温泉地、『沢渡温泉』へ向かう。実は縄文時代から湧き出ると言われる隠れた名湯。ここには300円で誰でも利用できる、何ともいい共同浴場があるのだ。浴室に入ると、板張りの壁に堅牢な石造りの湯船がふたつ。
余計なものがなく、でもほっとするような空間。湯はほどよく熱く、ガツンと芯まで効く。透明なんだけど成分濃いなあと感じる。軽い硫黄臭に湯の花も。ちなみにこちら“一浴玉の肌”、つまり入れば玉のように艶々になれるという美肌の湯として親しまれている。地元の人と一緒に入るのも楽しい。いやあ、芯まで温まってリセットされる。
さて、最後はさらに下り、上信越自動車道を経由して下仁田を目指そう。下仁田と言えばネギとこんにゃくと言われそうだが、温泉もあるのだ。そして目的はふたつある。秘湯と旨いメシだ。温泉の名は『八千代温泉 芹の湯』。人里離れた場所に隠れ家のようにある素朴な佇まい。明かり取りの窓からのほのかな光に照らし出された浴室の風情がいい。
身を沈めると、湯はしょっぱくてヌルヌル系。肌にツルツルまとわりつく感じが心地いい。湯あがりの体は軽く、ほかではなかなかお目にかかれない雰囲気だ。そして締め括りには、下仁田ポークと下仁田ネギを使ったすき焼き!群馬の旨いもんに感謝しつつ、本日の湯を噛み締めるのだ。
撮影/鵜澤昭彦、取材/池田一郎
※2023年6月号発売時点の情報です。
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