『魚と心の居酒屋 のだぴん』@歌舞伎町2丁目
家で寛いでいるかようなホッとする旨さ
ぜっぴん魚に唸って寛いで心もすっぴん、その店の名は? 『のだぴん』です。今年で創業40周年。変わらぬ旨さと居心地の良さはずっと家族で守ってきた店の“味”。何というか、ただいまと叫びたくなるんです。
海鮮盛りは自慢の生本マグロの他、取材時は鮑カンパチも参戦してこの充実ぶり。ほらキリッと角が美しい刺身の切りつけを見てくださいよ。豪快な量にも思わず敬礼、明日の活力になる名物盛りだ。
のだぴん海鮮盛り1人前1480円~
そんな旬魚を使った握りや巻物も人気で、店名を冠した軍艦は赤酢のシャリにその日のネタがあふれんばかり。頬張るほどに元気がみなぎる。
ちなみに初代は山梨出身。モチモチのほうとうを使ったウニパスタや、ほとんど地元でしか出回らない銘酒があったり、ああもう推しの品々を書き出したら文字数が全然足りない。とにかく行けば“のだぴんファミリー”。あなたも家族の一員になりませんか。
[住所]東京都新宿区歌舞伎町2-45-7 石井ビル3階
[電話]03-6273-8083
[営業時間]17時~23時半(23時LO)
[休日]月
[交通]西武新宿線西武新宿駅北口から徒歩1分、JR山手線ほか新宿駅東口から徒歩7分
『Chartro(シャルトロ)』@新宿1丁目
本場で学んだシャルキュトリーに感動
ヘタすりゃこれは店へのラブレターになるかもしれない。それほど惚れた、いやもう溺愛。
お気に入り店リストに極太字で加えたくなる。だってパテやハムなどシャルキュトリーの旨さからしてもう撃沈だ。
それも当然、店主の鈴木さんはフランスの食に欠かせない食肉加工品を学ぶため渡仏→星付きレストランで働きながら機会を伺い→パリの専門店に頼み込み→熱意を認められて修業を許された人なのだから。
豚と鶏白レバーで作る看板「パテ・ド・グランメール」はしっとり芳醇。本場のレシピがベースだが、脂を控えめにするなど日本人に合わせたやさしい味を心掛けているそう。
シャルキュトリー盛り合わせ(2人分)3400円
無論ビストロ料理の腕も推して知るべし。前菜ではズワイガニとウニが織りなす美味のハーモニーに言葉を失い、ホロホロ鳥にフォワグラなどを包んだガランティーヌの迫りくる旨みに身も心も奪われた。結論。ゾッコンです。
[住所]東京都新宿区新宿1-12-1 サンサーラ第三御苑103
[電話]03-6380-4240
[営業時間]18時~22時(20時半LO)
[休日]日
[交通]地下鉄丸の内線新宿御苑前駅2番出口から徒歩2分
『ルネット』@西新宿4丁目
店主の“好き”を詰め込んだ楽しい店
4歳から料理の手伝いを始め、お菓子作りは小学6年から。隠れ家のような小さな部屋101号に「自分の“好き”を全部詰め込んだ!」と笑うシェフでパティシエの井上さん。彼の現在地である店を訪ねると「楽しそうだなあ」とこちらもニコニコだ。
イタリアン、フレンチ、パティスリーをミックスした感じのメニューは「季節と仕入れと気分(笑)」で変わるそうで、トウモロコシのピュレに山椒を合わせた前菜のように「あれとこれが合うかな」とヒラメキで考案することも多いとか。
おつまみ&冷菜もりあわせ(価格は選ぶ料理で変わる)
そんな井上家、いや店では料理のことやナチュラルワインの味わいのことを愛情たっぷりに伝えてくれるから、へ~、ほお~と楽しくなってしまう。そっか“楽しい”は伝染するんだよね。
人気のロールケーキは旬の果物満載、生クリームも注文後にホイップ。「だって出来立てが一番おいしいでしょ?」。井上ワールド最高!
[住所]東京都新宿区西新宿4-10-19西新宿コーポビアネーズ101
[電話]03-5388-8210
[営業時間]19時~23時頃(土・日は18時~)
[休日]火・水・他不定休
[交通]都営大江戸線西新宿五丁目駅A2出口などから徒歩3分
撮影/西崎進也(ヒロキ倶楽部)、小島昇(六、富久、のだぴん)、大西尚明(七福八郎)、橋本真美(Chartro)、鵜澤昭彦(ルネット)、取材/肥田木奈々
※2023年9月号発売時点の情報です。
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