新日本プロレス創立50周年を記念して製作されたドキュメンタリー映画『アントニオ猪木を探して』が、一周忌直後の2023年10月6日(金)より公開される。これに先だち、9月20日に完成披露試写イベントを開催。イベント前のレッドカーペットには、出演者に加え、プロレスを愛する各界の著名人が集まった!!
映画のナレーションと主題歌は猪木ファンの福山雅治さんが担当
2022年10月1日。ひとりの国民的スーパースターがこの世を去った。アントニオ猪木―。プロレスラーの枠にとどまらない、希代のエンターテイナーであった彼の名は、世代の枠を超え、誰しもの耳に轟いていたに違いない。「バカヤロー!」「元気があれば何でもできる」。猪木が放った名言の数々に叱咤され、勇気を貰った人々も多いのではないだろうか?
あの日から1年、猪木が波乱万丈の人生を通じて伝えたかったメッセージを「さがす」ための1本のドキュメンタリーフィルムが誕生した。
生前の猪木の雄姿を捉えた貴重なアーカイブ映像やスチールの数々。猪木から多大な影響を受けたプロレスラーや各界の著名人たちが、猪木の偉大な足跡を辿る旅に出るドキュメンタリーパートをメインに、猪木から力を貰った名もなき市井の男の半生をも情感豊かにドラマとして描き出す。
さらに、主題歌とナレーションを担当するのは、プロレスファンであり、猪木をリスペクトするアーティストの福山雅治さん。猪木の入場テーマ曲「炎のファイター」を新たにプロデュースし、映画に令和の「闘魂」を注入する。
アントニオ猪木の、がむしゃらに生きる姿から、我々は、どんなメッセージを受け取ることができるだろうか―?
迷わず行けよ。行けばわかるさ。
イベント直前のレッドカーペットには「大槻ケンヂ」や「橋本マナミ」の姿も
『アントニオ猪木を探して』の完成披露試写会の直前には、出演者や各界のプロレスファンを集め、レッドカーペットを歩くイベントが開催された。まさに猪木カラーの上を歩くということで、出演者も若干緊張気味であった。
レッドカーペットに現れた大槻ケンヂさんは「アントニオ猪木さんの引退試合のドン・フライ戦を見に行ったんですよ。南原清隆さんとなくなった春一番さんが一緒でした。試合後に春一番さんが「闘魂びんたお願いします」って猪木さんのところに行ったんですが、試合直後の猪木さんがとても怖くて、一緒にびんたしてもらいに行けなかったんですよね」と思い出を語った。
橋本マナミさんも登場したが、プロレスとの接点はあるのだろうか?「プロレスラーの方はとてもいい身体をしているので、見るのは好きなんです」と一言。「猪木さんのことをもっと知りたいので、映画は楽しみ」と試写直前の心情を語った。
世界一のプロレス団体WWEに2021年から2023年に参戦したSareee選手も会場に駆け付けた。現在は国内の様々な団体に参戦している。「私は以前から赤い衣装を着けてリングに上がっているのですが、猪木さんにお会いした時に『赤が似合うね』といってもらえたのがうれしかったです」と語った。
お笑いコンビ・アジアンの馬場園梓さんは、「ほんまに子供のころから両親の影響でプロレスが好きで、今日はレッドカーペットということで、緊張しますね。気分はキャサリン・ゼタ・ジョーンズって感じです」と会場の笑いをさらった。
「1980年生まれなので、全盛期の猪木さんも見ています。子供のころから戦う気持ち、何があってもあきらめない気持ちを猪木さんおプロレスから教えてもらったんので、なんなら親よりも、学校よりもたくさんのことを教えてもらいました。(映画で)本当にプロレスの神様の姿を胸に刻みたいと思います」
テレビ朝日のバラエティ番組『新日ちゃんぴおん!』を担当する三谷紬アナウンサー。「2年前から新日本プロレスの仕事を担当しているのですが、もうその頃猪木さんはリングに上がっていらっしゃらなかったので直接お会いしたことはないのですが、お話を伺う現役のプロレスラーの方から、猪木さんの話をよく聞きます」と多くの選手が影響を受けていることを明かした。
物まね芸人のアントニオ小猪木は「元気ですか~」の発声とともに登場。「猪木さんと初めて会った時の話なんですけど、闘魂神社というイベントがありまして、その壇上に猪木さんのお兄さんとお姉さんの後押しで壇上に上がることになりました」
「そこでマニアックな猪木さんの物まねとして、『話を聞くときのアントニオ猪木の顔』と『プロレススーパースター列伝の漫画に出てくるアントニオ猪木の笑顔』というのをやりました」
「これで会場がスゴイ盛り上がったので、猪木さんにマイクをお返ししようとしたのですが、『せっかく出てきたんだから、なにか物まねやってくれよ』といわれてしまったんですね。もう全然やったネタ見てなくて、早速猪木さんの天然ワールドを味わわせてもらいました。そのあとびんたもやってもらいました」とエピソードを披露。
トークイベントには「神田伯山」「藤波辰爾」「藤原喜明」「和田圭介監督」「三原光尋監督」が登壇
試写会の後に行われたトークイベントには、神田伯山さん、藤波辰爾さん、藤原喜明さん、和田圭介監督、三原光尋監督が登壇。
ドキュメンタリーパートを担当した和田圭介監督は、「映画は限られた上映時間ということで、猪木さんが持つ多くのエピソードや証言の中でどの部分を使うかで悩んだ」と語った。
また「棚橋弘至さんに話をした際に『猪木さんを知らない世代にも伝わる映画にしてほしい』と言われた。その言葉が指針になった」とも。
ドラマパート担当の三原光尋監督は、新日本プロレス黄金期の放映時間である金曜日午後8時には必ず家族でテレビの前に張り付いてアントニオ猪木の試合を見ていたことを力強く繰り返していた。
さらに「オファーを頂いた際は震えましたが、猪木さんへの僕なりのラブレターだと思って描きました」とドラマパートへの思い入れを語った。
プロレスラーの藤原喜明さんは「この企画の話を聞いたときは『おいおい、難しいことだぞ』と監督に言ったけれど、完成した作品を観たら上手くまとまっていて感動しました」と絶賛。
同じく猪木さんと長くリングを共にした藤波辰爾さんは「猪木さんとの宝物がまた一つ増えたようで、いい思い出になりました。『アントニオ猪木をさがして』というタイトルも凄くいい」と語った。
「猪木さんとは横浜で60分の勝負をした仲(時間切れ引き分けとなった試合)だけれど、プライベートで蕎麦屋に呼ばれたりするときは緊張して直立不動だった。でも猪木さんには怖い中にも優しさがあった。そして寂しがり屋だった。人が大勢いると機嫌がいいけれど、二人きりになったりするとどこか寂しさを感じた」と猪木さんとの思い出を語った。
藤原さんは、猪木さんとよく酒を飲んだという藤原も「酔っぱらったふりして『アントン(猪木さんの愛称)と呼んでいいですか?』と聞くと『いいよ』と言ってくれた。プロレスでは怖い人だったけれど、私生活では少年がそのまま大きくなったような純粋な人だった」とエピソードを披露した。
神田伯山さんは「猪木さんファンが多い中で自分でいいのか? と思ったが、ここで遠慮をしたら一生後悔すると思った。まさに猪木さんの『迷わず行けよ、行けばわかるさ』という言葉が背中を押した」と猪木さんの名言でオファーを快諾したという。
その一方で「自分の代わりに出たやつが自分の気に入らない奴だったら嫌だから」と持ち前のコメントで場内を沸かせていた。
映画『アントニオ猪木を探して』は2023年10月6日(金)よりTOHOシネマズ日比谷他で全国ロードショー公開される。