茨城の名峰「筑波山」(つくばさん)は空気が澄んだ冬の日没後、関東平野の夜景を一望できる大パノラマと満天の星を同時に楽しめることが大きな魅力です。山頂近くのレストランには、期間限定でアート装飾が施された店内に「こたつ」が初…
画像ギャラリー茨城の名峰「筑波山」(つくばさん)は空気が澄んだ冬の日没後、関東平野の夜景を一望できる大パノラマと満天の星を同時に楽しめることが大きな魅力です。山頂近くのレストランには、期間限定でアート装飾が施された店内に「こたつ」が初登場。“天空の特等席”でほっこりくつろぎながら、彼方にきらめく“光の海”を眺めれば、心が浄化されるかも!?
日本百名山で一番低い筑波山、アクセスの良さ&景勝地として人気
筑波山は、標高877メートルの女体山(にょたいさん)と標高871メートルの男体山(なんたいさん)の2つの峰を持ち、日本百名山のひとつに数えられています。
首都圏から近く、標高が低いこともあって気軽に山歩きを楽しめる景勝地として人気が高く、小春日和の週末となった12月2日(土)は、今シーズン最後の紅葉を楽しむ大勢のハイカーが訪れていました。
スカイツリーや東京タワー、都心の高層ビル群…眼下に「光の海」
日が沈み、暗闇と静寂が山を包む午後6時過ぎ、女体山中腹にある「つつじケ丘駅」(標高542メートル)からロープウェイに乗り込むと、昼間とは客層がガラリと変わり、落ち着いたムードに。
出発してまもなく車内が消灯すると、眼下の関東平野にきらめく光の海が出現しました。車内から一斉に「凄い!キレイ!」と歓声が上がり、誰もが見惚れてしまうほどの美しさです。
ロープウェイは、6分ほどで「女体山駅」(標高840メートル)に到着。下車した先の展望デッキからは、先ほどの夜景がさらに輝きを増して目に飛び込んできます。目を凝らした先には、東に太平洋に面した鹿島臨海工業地帯、離発着する航空機が行き交う成田空港…。南に位置する都心からは、スカイツリーや東京タワー、新宿の高層ビル群を確認。関東平野の大パノラマが一望できます。また、夕暮れ時に訪れると、夕日が沈む富士山も見えます。
満天の星に心が浄化される
ふと見上げた天空には、満天の星。明かりの少ない山頂近くとあって、オリオン座やおおいぬ座の1等星シリウスをはじめ、冬の星座が華やかに輝いています。
「これから来年2月にかけて寒くなるにつれ、空気が澄み、一段と美しい星空と夜景が同時に眺められるベストシーズンを迎えます」(ロープウェイの乗務員)
夜のしじまに霊峰「筑波山」に立てば、地上の光と、きらめく星々に抱かれて、まるで宇宙にいるようです。神秘的な雰囲気に、心が浄化されます。
今冬「こたつ」が新たに登場!人との距離を縮める“こたつマジック”を堪能
冷えた体を温めるべく向かった先は、展望デッキ前のカフェレストラン&バー「cafe cielo blu(カフェ シエロ ブルー)」。店内は、ミラーボールが回り、地球や月といった天体を模した明かりが吊り下げられ、色とりどりのアートフラワーでライトアップされて、幻想的な空間を醸し出しています。
この冬、新たに登場したのが「こたつ」。奥の小上がりに2台置かれています。非日常的なアート空間に、レトロな雰囲気のこたつがあると、癒されます。窓際近くに設けられた1台からは、我が家で寛いでいるようにほっこり温まりながら、遠くに夜景を眺めることもできます。
早速、空きを待って、こたつに足を入れた途端、冷えた体がじんわり足元からほぐれて自然と笑みがこぼれます。ふだん、我が家にはこたつがありません。この日は、小中学生の息子2人を伴って訪れたのですが、最近口数が減った彼らが初めてこたつに入った途端、「身体の芯から温まって最高!」「ウチにもほしい」など饒舌になって久々に家族だんらんを楽しめました。相手との距離をグッと縮める“こたつマジック”はおススメです。
こたつは2024年2月25日まで
こたつの利用は、2024年2月25日(日)まで(2024年1月1日~8日を除く)。
なお、16時40分以降は、限定メニューのビーフシチュー(1500円)か「フルーツタルト」(ホットドリンクとセットで1500円、12月24日までの土日限定販売のためネットから要予約)を注文した人が優先的に利用できます。
12月24日までの土日は若手声優の朗読も
また、若手声優らが、ギリシャ神話を題材にした冬の星座にまつわる物語の朗読をしており、星空へのロマンをいっそう掻き立ててくれます(12月24日までの土日17時~40分間隔)。
国内外であかりのアート展を手掛け、今回この企画をプロデュースした「オフィスミゴト」の芳賀尚賢社長は、「広大な夜景と星空の双方を楽しんだ後は、(標高840メートルの)アート空間でこたつに入る特別感な体験ができます。夜の筑波山は、おとなが楽しめる魅力にあふれています」と話しています。
一段と寒さが厳しくなるにつれ、昼間と違った顔を持つ夜の筑波山の魅力もまた、輝きを増すことでしょう。
文・写真/中島幸恵
「筑波山 冬のロープウェイ」の概要
【乗降場所】筑波山女体山「つつじケ丘駅」※カーナビ等で「筑波山京成ホテル」と検索
【期間】2024年2月25日(日)までの土日祝※12月29日(金)のみ平日開催、12月31日、1月1日は除く
【運行時間】16時40分~20時の毎時20分間隔※上り最終19時40分、下り最終20時
【乗車料金】大人往復1300円
【問い合わせ】029-866-0611(筑波観光鉄道)
【交通】常磐道土浦北IC、圏央道つくば中央ICから40分/つくばエクスプレス「つくば」駅から臨時の夜間シャトルバス
【公式HP】https://www.mt-tsukuba.com/?p=43209