バレンタインデーが近づいてきた。スコットランド・スカイ島で生み出されるウイスキー「タリスカー」と、「ホテルニューオータニ」がコラボレーションした「タリスカー ボンボンショコラ(3粒セット)」と、オリジナルカクテル(3種)…
画像ギャラリーバレンタインデーが近づいてきた。スコットランド・スカイ島で生み出されるウイスキー「タリスカー」と、「ホテルニューオータニ」がコラボレーションした「タリスカー ボンボンショコラ(3粒セット)」と、オリジナルカクテル(3種)が2月から登場した。ホテルニューオータニ(東京・紀尾井町)の「バー カプリ」で、数量限定で販売されている。ボンボンショコラは、ウイスキーのスモーキーフレーバーと、チョコの甘さとほろ苦さが絶妙に調和した“おとなの味”だ。
「タリスカーボンボンショコラ」第2弾、10年とストーム、ポートリーの3種類を使用
タリスカーと、ホテルニューオータニが組むのは、今回が初めてではない。2023年2月にも「タリスカーボンボンショコラ」が発売され、話題になった。
第2弾となる今回も、新たにメニューが開発された。一粒一粒に異なるシングルモルトが使われている。味わえるのは、次の3品だ。
・「タリスカー10年」(バナナ風味)
「エクアドル産のチョコレートを使用。スモーキーで力強い味わいが特徴的なタリスカー 10年に、九州大牟田産の生クリームを加えたガナッシュとバナナピューレを合わせ、隠し味に黒胡椒を使用しました。ウイスキーの甘味ある香りと豊かでフルーティーな味わいが口の中でまろやかに広がります」(プレスリリースより)
・「タリスカー ストーム」(ナッツ風味)
「ベネズエラ産のチョコレートを使用。スパイシーさと甘美なスモーキーさ、蜂蜜のような甘い香りを愉しめるタリスカー ストームには、アーモンド・ヘーゼルナッツ・ピスタチオの3種類のナッツをチョイス。ウイスキーのスパイシーな味わいと、濃厚でサクサクとしたナッツとのバランスがよく、やみつきになる味わいに仕上げました」(同)
・「タリスカー ポートリー」(フランボワーズ風味)
「エクアドル産のチョコレートを使用。潮と黒胡椒の風味、ベリー系のリッチな香りが味わえるタリスカー ポートリーを、甘酸っぱいフランボワーズと合わせました。ウイスキーのクリーミーなスモーキーさと、フランボワーズの味わいが口の中で重なり、長く余韻を愉しめる一品」(同)
タリスカー10年の隠れた魅力“海のやさしさ”に触れた
「バー カプリ」で行われた試食試飲会に足を運び、実際に味わってみる。それぞれ使われたタリスカー3種類を口にしながらの贅沢な楽しみ方だ。
まずは、「タリスカー10年」を。自宅にも常に置いて20年近く愛飲しているタリスカーの代表的銘柄。「海の潮風を味わっているかのような風味」が魅力だ。黒胡椒を感じさせるスパイシーさも特徴のこのシングルモルトを使ったチョコとは、どんな味わいなのか。
試食試飲会には、タリスカーを取り扱う「MHD モエ ヘネシー ディアジオ」から、MHDシングルモルトアンバサダーのロバート(ボブ)・ストックウェルさんが参加。「最初はチョコをそのまま食べていただき、そこからもう一味食べる。まだ口に含んでいる間に、ウイスキーをひとくち。アルコールとチョコレートが混ざるという感じにすると、口の中にポワンと風味が出てくると思います」と、楽しみ方の一例を指南してくれる。
たしかに、言う通りだ。チョコの上品な苦味、そしてバナナフレーバーをまとった甘味が、ウイスキーの香りに押されるように、口の中に広がった。しかも、チョコをあわせることで、ウイスキーの荒々しい部分が丁寧にけずられ、力強さを残しながらもマイルドな口当たりになる。タリスカー10年に含まれた“海のやさしさ”に触れたようで、新たな魅力を発見した気分になった。
嵐がおさまり、凪が訪れた
「タリスカー ストーム」は、ストーム(嵐、荒天)の名の通り、タリスカー10年をさらに力強くした印象のウイスキーだ。つまり、もっと海を感じるような、潮っぽさがあるような。その豊かなスモーキーさとスパイシーさを、ナッツ風味のチョコとともに味わうと…。海上の嵐がやみ、凪(なぎ)が訪れたような穏やかさが伝わってきた。なんともやわらかい。
「タリスカー ポートリー」は、ポートワインでの樽で追加熟成しただけに、甘い香りが鼻孔をくすぐる。タリスカーの中でも、特別感がある逸品だ。フランボワーズ風味とあわせると、ウイスキーの甘味に、このチョコの酸味が重なり、甘酸っぱさが際立つ。ただ、驚いたのは、タリスカー特有の黒胡椒が効いたようなピリッとしたスパイシー感がはっきり感じられたこと。個人的にはある意味、“タリスカーらしさ”を一番実感した組み合わせだった。
タリスカーとのハーモニーを感じる3種類のボンボンショコラ
限定メニューのチョコを考案したシェフパティシエは、鈴木薫さん。ホテルニューオータニのパティシエ・ブランジェリエ統括料理長だ。
鈴木さんは、「タリスカーを飲み始めると、スモーキーさが病みつきになった」と、自身もタリスカーの魅力にはまったことを明かす。それから、各チョコの特徴を説明してくれた。
【バナナ風味】
「使ったのはベネズエラ産の72%のチョコレート。ちょっと甘味があるので、それを抑えようと思って72%のハイカカオにした。苦味の中のバナナと胡椒のほのかな香りの余韻が残るように作った」。
【ナッツ風味】
「(タリスカーが生み出される)島の中の塩味を感じさせるにはナッツかなと思った。ベネズエラ産の65%、ちょっとカカオ分を落としたものを使用したガナッシュをあわせて作った。ほのかな塩味を感じさせたいなと思った」
【フランボワーズ風味】
「ポートリーは、ストームや10年に比べて、スモーキーさが、やさしい。フルーティーさもある。バナナ、ナッツときて、酸味がほしいな、と。インパクトを与えるため、フランボワーズを入れた。(チョコは)ハイカカオの72%にした」
その作り手の思いは、たしかにこの3種類にきちんと表現されている。うん、おいしい。
エスプレッソ、フィズ、オールドファッション…スペシャルな3種類のオリジナルカクテル
オリジナルカクテルも、この機会にぜひとも楽しみたい。次の3種類だ。
・「タリスカー 10年」使用『スカイ・エスプレッソ』
「焚き火の煙を思わせるスモーキーな味わいのタリスカー 10年に、ビターなエスプレッソを合わせたエスプレッソマティーニのツイストカクテル。隠し味にマンゴーを使用し、ほのかにフルーティーな味わいも感じられます。コーヒー好きにもおすすめの一杯」(プレスリリースより)
・「タリスカー ストーム」使用『ストーム・フィズ』
「タリスカー ストームの際立った潮の香りや黒胡椒の風味と相性の良いパイナップルを組み合わせたカクテルは、突き抜ける爽快感を味わえます。輝くようなゴールドの一杯は、タリスカーの黄金の蒸留酒を表現」(同)
・「タリスカー ポートリー」使用『ノーザン・オールドファッション』
「タリスカー ポートリーの赤いベリーのリッチな甘い香りと、黒胡椒のドライな味わいを、紫蘇やほうじ茶が香るハーブリキュールと和三盆と組み合わせました。ドライな味わいの中に、ふんわりと香る和素材の香りをお愉しみいただけます」(同)
タリスカーの可能性を感じるオリジナルカクテル
『スカイ・エスプレッソ』は、コーヒーの味わいが力強く迫ってくる。隠し味のマンゴーが風味を醸すのだろう。ほろ苦さの中に、フルーティーな香りがほのかに漂う。とてもおいしい。
『ストーム・フィズ』は、パイナップルのさわやかな甘味が心地よい。とても飲みやすいカクテルだが、スパイシーなニュアンスを感じられるところに、タリスカーを思わずにはいられない。うまい。
『ノーザン・オールドファッション』は、ポートリーの甘さがさらに増幅された感じ。和三盆による“トロリ感”があって、これもとてもおいしかった。
オリジナルカクテル考案者は「バーカプリ」副支配人でバーテンダーの岡田東宣(はるのり)さん。「10年、ストーム、ポートリーを飲んだなかで、やはり力強さを感じたのは、10年かな」と自身の好みに触れた上で、それぞれのカクテルを生み出した過程を話してくれた。
【スカイ・エスプレッソ】
「10年をなぜエスプレッソにしたのか。10年はこの3種類の中で一番力強い味。10年のほうがよりタリスカーの風味を生かしつつスパイシーさも感じられる。南国系のフルーツの相性がいいのかなと思い、マンゴーのシロップをアクセントとして加えました。飲んでみて、驚きを感じてくれたら」
【ストーム・フィズ】
「3種類の中で、ハイボールに適しているのはストームじゃないかな。フィズにして味わいをもたせる。本来は、レモンジュース。レモンの酸味が、ストームに相性がよくないと思ったので、タリスカーには南国系のフルーツがあうので、パイナップルジュースの酸味で和らいだほうがすごくまろやかになるのかな。アクセントとして胡椒を入れることで、嵐(ストーム)のような感じになる」
【ノーザン・オールドファッション】
「ポートリーには、バーボンを感じさせるものがあった。それで、オールドファッションかな、と。(オリジナリティ性を出すために)和三盆を使い、和のテイストを。さらに和のビターリキュールを使ってみたら、ポートリーにあった」
「タリスカー ボンボンショコラ」と、オリジナルカクテル。どれも、タリスカーの可能性と魅力を再認識させてくれる逸品だ。
文・写真/堀晃和
■「タリスカー ボンボンショコラ」商品概要
価格:1700円 (税込) ※サービス料別
販売予定期間:2024年2月1日(木)~3月31日(日)
販売店舗:ホテルニューオータニ(東京)内「バー カプリ」
■オリジナルカクテル3種
価格:いずれも2900円(税込)
※全てサービス料別
※3メニューは2024年2月1日~3月31日の期間での提供を予定。期間中、「バー カプリ」でタリスカー各種をグラス・ボトルそれぞれにて提供予定。
■ホテルニューオータニ「バー カプリ」
住所:東京都千代田区紀尾井町4-1 ザ・メインのロビィ階
電話:03-3238-0035(「バー カプリ」直通)
営業時間:月~木16時〜23時(L.O. 22時半)、金16時〜24時(L.O.23時半)、土13時〜24時(L.O.23時半)、日13時〜23時(L.O. 22時半)