名店多し!東銀座の洋食店4選 ハンバーガー×蕎麦の意外な組み合わせも◎

昼は高コスパ、夜はカジュアルに美味満喫 芝居の街の風情と親しみやすさが魅力 東銀座は何というか、妙味のある街だ。ブランド店がひしめくきらびやかな銀座とはまた違う、そこはかとない情緒が今も随所に残る。江戸時代は木挽職人が多…

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銀座の奥にあり、銀座のハナレとも言える東銀座エリア。高級店、老舗といった美食店が並ぶ銀座とは違い、ハナレはコスパよく、カジュアルに、しかしここも銀座なのだと納得させる美食店が存在します。今回は散策も楽しい東銀座の洋食店を徹底リサーチしてきました!

『TRE CULI(トレクーリ)』

広島から届く豊かな恵みをシチリア薫る伝統の料理に

小学1年の文集で既に料理人になる夢を記していたオーナーシェフの吉村さん。有言実行、シチリア島の二つ星店などで経験を積み、今年2月に新店で独立。テーマは出身地である広島の食材をふんだんに使ったシチリア伝統料理だ。

地中海に浮かぶ島はレモン栽培が盛んだが、実は獲れる魚も広島と似ているそうで、故郷から届く牡蠣や野菜など広島の恵みとシチリアの食文化の融合を楽しませてくれる

PRANZO A 1800円(前菜の盛り合わせ・本日のパスタ)

『TRE CULI(トレクーリ)』PRANZO A 1800円(前菜の盛り合わせ・本日のパスタ ※取材時は砂肝のラグー・カサレッチェ) シチリアのショートパスタ、カサレッチェ。前菜はカポナータやひよこ豆のパネッレなど多彩

その一例、カポナータは現地のおばあちゃんの味。素揚げしたナスにセロリなど広島野菜の旨みがぎゅっ。またある日の夜のコースの前菜は牡蠣を蒸し、急冷で締めることで味を凝縮させる仕掛け。どの皿にも地元食材への誇りと本場の経験&技が詰まっている。しかも付け合わせひとつも惜しみない手間暇をかける姿勢に敬服。名店爆誕に万歳だ。

『TRE CULI(トレクーリ)』

[住所]東京都中央区銀座5-14-9 石和田ビル2階
[電話]03-6228-4422
[営業時間]12時~14時(13時半LO)、17時半~23時(22時LO)
[休日]水
[交通]地下鉄日比谷線ほか東銀座駅4番出口などから徒歩3分

『銀座 トレオン16区』

ワイン輸入会社が手掛ける人気店は味も量も大満足

何を注文しても見た目に味に量にと満足必至。加えて良心価格。いやあ食いしん坊には本当にありがたい。

夜でいえば岩手の銘柄「菜彩鶏」を皮目パリッと仕上げたコンフィがおすすめ。あっさりした旨みをシンプルなマスタードソースで際立たせた実直な味だ。生ハムとサラミのボリュームも思わず喉が鳴る。

ワインプリーズ!ご安心を。実はここ、ワインの輸入会社の直営店で、チリ産を中心に約100種を用意。厳選した高品質のものだけを揃えているのだそう。

岩手県産 菜彩鶏のコンフィ 白ワイン風味の粒マスタードソース 2300円、ブラータチーズと苺のカプレーゼ 1800円

『銀座 トレオン16区』(手前)岩手県産 菜彩鶏のコンフィ 白ワイン風味の粒マスタードソース 2300円 (奥)ブラータチーズと苺のカプレーゼ 1800円 ブラータチーズと苺のカプレーゼはミルキーな味わい。コンフィは鶏の旨みがあふれる

昼は昼でふわふわのロディジャーノチーズをこれでもかとのせた肉厚ハンバーグなどのランチがビジネスマンに大人気。肉推しに思えるが、産直野菜(これも岩手から♪)の新鮮で元気なおいしさも裏テーマだ。さりげなく添えた名脇役たちの仕事ぶりに驚きますぞ!

『銀座 トレオン16区』

[住所]東京都中央区銀座4-14-15 サントル銀座2階
[電話]03-6264-2078
[営業時間]11時半~14時、17時~22時
[休日]日・祝
[交通]地下鉄日比谷線ほか東銀座駅5番出口などから徒歩3分

『スモールワンダーランド』

遊び心あふれるランチセットと確かな技のディナーも楽しい

ハンバーガーの相棒は蕎麦。うん、やっぱそうだよね……って違う違う、堀さん(店主)!?

「バーガーは半年かけて試作。サイドメニューはポテトが定番だけど蕎麦もいいかなと(笑)」。

聞けば以前からバーガー店をやりたかったそうで。とはいえ高級素材を使うだけのグルメ系には興味がない。で、某ファストフード店に負けない安くて旨いセットを目指したとか。何せ一流の星付きフレンチや本場フランスでも腕を磨いた人だ。

ハンバーガー+そば+飲み物セット 750円

『スモールワンダーランド』ハンバーガー+そば+飲み物セット 750円 ※写真はスパイシーケバブバーガー ケバブは蒸した鶏肉にキャベツとジャガイモのピューレが入る。飲み物だけのセットならワンコイン。蕎麦は安定して使える乾麺

スパイシーケバブは鶏ムネ肉を独自配合のスパイスで和え、ピリッと辛い特製ソースをとろり。コクとなるジャガイモのピューレを入れるのがビストロっぽい。味の構成もさすがです。

夜はクラシックなフレンチの他、パスタやリゾットまで幅広く。確かな技が基盤にあるからこそジャンルを超えた自由さがうれしいのだ。

『スモールワンダーランド』

[住所]東京都中央区銀座4-12-2
[電話]03-3547-3805
[営業時間]11時半~14時、18時~22時LO
[休日]土・日・祝
[交通]都営浅草線ほか東銀座駅A7出口などから徒歩2分

『WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ 銀座店)』

メニューは世界の朝ご飯 旅するように楽しみたい

異国情緒漂う小さな店は「朝ごはんを通して世界を知る」がコンセプト。風土や習慣、宗教が異なる各国の朝食にはその国の文化や生活が凝縮されているもの。東京にいながら旅するように異文化体験ができるとあって、朝から行列の日も多い人気ぶりだ。

旅先は定番のアメリカ、イギリス、台湾に加えて2か月ごとに変わる期間限定国も。レシピは在日大使館や政府観光局など公的機関、航空会社や日本在住の現地の人が協力。なるべく本場に近い王道をワンプレートにまとめているそう。

台湾の朝ごはん 1750円

『WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ 銀座店)』台湾の朝ごはん 1750円 外食文化のある台湾で人気の3品。豆乳スープやモチモチの台湾版玉子焼きなど

食べ方からも文化を感じられて面白い。アメリカならパンケーキだけでなくカリカリに焼いたベーコンにもメープルシロップをかけたり、イギリスならベイクドビーンズに揚げたパンを浸して食べたり。朝食だけど店名通り提供はオールデイ。思い立ったら旅に出よう。

『WORLD BREAKFAST ALLDAY(ワールド・ブレックファスト・オールデイ 銀座店)』

[住所]東京都中央区銀座2-12-12 1階
[電話]03-6672-5095
[営業時間]7時半~20時(19時LO)
[休日]不定休
[交通]都営浅草線ほか東銀座駅A7出口などから徒歩3分

昼は高コスパ、夜はカジュアルに美味満喫

芝居の街の風情と親しみやすさが魅力

東銀座は何というか、妙味のある街だ。ブランド店がひしめくきらびやかな銀座とはまた違う、そこはかとない情緒が今も随所に残る。江戸時代は木挽職人が多く住んでいたことから、この辺りは木挽町と呼ばれた。

評判の芝居小屋が並び、その賑わいが芝居の街としての礎を築いたそうだ。明治期からは料亭街としても知られた。

シンボルは何といっても歌舞伎の殿堂、歌舞伎座。2013年にリニューアルしたが、威風堂々たる姿は絶対的な存在感だ。

『歌舞伎座』明治期に開場。現在の建物は5代目

周辺を歩いてみれば、常連になりたい隠れた名店が点在している。そんな店は路地裏やビルの2階、地下にも潜んでいるので、気になる看板を見つけたら思い切って飛び込んでみるのもいいだろう。昼は行列の店も多く、夜は一献楽しめる赤提灯も。昼と夜で違う表情を見せるのもまた魅力。通うほどに街も店も、人も好きになる、そういう意味でも、実に妙味ある街なのだ。

赤提灯が並ぶ通り

撮影/浅沼ノア(歌舞伎座、ワールド・ブレックファスト・オールデイ)、西崎進也(東銀座の裏路地、トレクーリ、トレオン16区、スモールワンダーランド)、文/肥田木奈々

2024年5月号

※2024年5月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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