餃子にあうのは《ラーメン》か《チャーハン》か…?「町中華」5軒で”絶品”を覆面調査した

餃子にあうのはラーメンか、チャーハンか?

単体で、ビールや紹興酒などと、白米も捨て難い。餃子はかように様々なものと相性が良い。しかし、同じ庶民派中華のチャーハンやラーメンとの相性は格別だ。街中華を中心に、その格別さを堪能させてくれる店を徹底調査した。 「ラーメン…

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単体で、ビールや紹興酒などと、白米も捨て難い。餃子はかように様々なものと相性が良い。しかし、同じ庶民派中華のチャーハンやラーメンとの相性は格別だ。街中華を中心に、その格別さを堪能させてくれる店を徹底調査した。

「ラーメン」×「餃子」の絶品

江戸川橋「新雅」

江戸川橋「新雅」

食べる前から「あ、ここは当たりだな」と思う指標のひとつが、手入れの行き届いた店
内。こちらの『新雅』は昼も夜もひっきりなしに客が訪れる。それなのに、醤油差しまでいつもきれい。まったく商売人の鏡である。気配り目配りは味に表れるもの。沸騰させずに丁寧にダシをとったスープは、雑味がなく清々しい。

名物は「ニラそば」。シャキシャキの肉野菜炒めと、野菜から出るエキスが溶け合ったスープが絶品で、本気で箸が止まらなくなる。熱々の餃子を頬張ると、透き通った肉汁が口中にあふれ出た。豚挽き肉、キャベツ、ニラといったシンプルな具材の餡が、弾力のある皮の中にみっちり。素材の旨さがそのままに伝わる、何と素直な餃子だろうか。

厨房を担うお父さんと息子さん、接客担当のお母さんと奥様。家族の温かい人柄も、行列をつくる所以だ。

荻窪「手もみラーメン 十八番」

もみラーメン 十八番」

「営業は夜だけ。昼はお客さんがあまり来ないんです(笑)」と店主の馬塩さん。それもそのハズ。こちらの餃子と一番人気の特製ラーメンは、ニンニクのパンチがも~う半端ない。名物の餃子は毎日皮から手作り。キャベツ、玉ネギ、ニラなど野菜が主役の餡なので、大ぶりサイズでも重たくない。がっつり利いたニンニクが、食欲中枢をビンビン刺激してくれる。そして一番人気の特製ラーメンにのる長ネギと豚バラ肉炒めには、これまたすりおろしニンニクをたっぷりと。「荻窪ラーメンといえばあっさり醤油」のイメージだったアナタは、確実に“めんくらう”旨さだ。

「チャーハン」×「餃子」の絶品

下北沢「下北グレイヴィ餃子」

下北沢「下北グレイヴィ餃子」

品書きを見て頭を抱える。餃子は日替りを含めると7〜8種類。焼餃子に水餃子、パクチー餃子やチリマヨ餃子なんて変化球も。チャーハンはなんと10種類。……選べない!店主の岡さんは大手中華料理グループのエースとして15年働いた後、2016年に独立。

「僕自身が餃子が大好きなので。やるなら餃子が主役の店と決めていました」。まずはコレを、とおすすめされた「肉汁焼餃子」。

もっちり厚めの特注生地で包むのは、鶏豚ガラスープを含ませたジューシーな餡。頬張るとまるで、小籠包のごとく肉汁がジュワッ! チャーハンは悩みぬいた上で「豚ホウレンソウ」を選ぶ。運ばれてきたのは「大盛り注文してないんですが?」といいたくなる量だが、これが普通盛だ。箸で餃子にかぶりつき、もう片方の手のレンゲでチャーハンをハフハフ。二刀流で心ゆくまでがっつきたい。

千駄木「一寸亭」

千駄木「一寸亭」

昭和の頃は、水餃子といえばスープにとぷんと餃子が浮いていた。同店の水餃子はまさに懐かしいそのスタイル。野菜たっぷりのスープに、大ぶりの餃子がドカンと入る。これがしっかりした味付けのチャーハンと鉄板の相性なのだ。まずは、刻んだチャーシューがいいアクセントを放つチャーハンをひと口、そして水餃子のスープを飲み、餃子を齧ってまたチャーハンへ。この無限ループが止まらなくなる。地元で愛される『一寸亭』は創業45年。厨房には初代と2代目が揃って立ち、黙々と鍋を振っている。たいてい満席で、一杯飲む常連客から親子で夕食を食べるほほえましい姿もある。看板メニューはモヤシソバだが、焼き餃子を筆頭に隠れた人気メニューも数多い。「お客さんが喜んでくれるから」とオムライスまであり、そんな多彩なメニュー構成が昭和の親父心をまたときめかせる。

板橋「龍王」

板橋「龍王」

個性的な名店が集まる食の迷宮・板橋。中国北部出身の楊さん家族が営む『龍王』も、豪快なチャーハンをはじめ、庶民派プライスの逸品が目白押しである。溶岩のように真っ赤なキムチを大胆に盛り付けた「キムチチャーハン」は、量も美味しさもインパクト絶大。新作の「ナスバター炒飯」も、意外な相性にハマる人続出中だ。相方の「鉄板焼餃子」は皮の両端を空けて包む、本場伝統のスタイル。カリッと焼かれた薄皮からあふれる、まろやかな餡が舌に優しい。好吃!ビールやサワーもメッチャ安くて言うことなしです。

店舗情報

■江戸川橋「新雅」
東京都文京区水道2-11-2
TEL:03-3946-2077
交:地下鉄有楽町線江戸川橋駅3番出口から徒歩2分

■荻窪「手もみラーメン 十八番」
東京都杉並区上荻1-4-10
TEL:03-3393-3545
営18時~翌1時半、日・祝18時~翌1時15分
交:JR中央線ほか荻窪駅北口から徒歩2分

■下北沢「下北グレイヴィ餃子」
東京都世田谷区北沢3-30-2
TEL:03-3466-1422
交:京王井の頭線ほか下北沢駅北口から徒歩4分

■千駄木「一寸亭」
東京都台東区谷中3-11-
TEL:03-3823-7990
交:地下鉄千代田線千駄木駅2番出口から徒歩4分

■板橋「龍王」
東京都板橋区板橋1-49-3
TEL:03-6780-0329
交:JR埼京線板橋駅西口から徒歩2分

…つづく「東京駅、じつは『朝ラーメンの天国』だった…! 朝からペロリの絶品ラーメン 《ベスト5店》 を覆面調査隊がレポート」では、早朝から開店の絶品のラーメン店を調査しました。

『おとなの週末』2018年10月号より(本内容は発売時のものです)

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