カレーライスは日本の国民食。今回は肩肘はらず、ふらっと立ち寄って味わいたい喫茶店の激旨カレーを紹介します。喫茶店とひと口にいっても、その形態は様々。それと同様にカレーもお店ならではの個性がキラリ。味はもちろん、店の雰囲気込みで楽しみたいひと皿を集めました。
画像ギャラリーカレーライスは日本の国民食。今回は肩肘はらず、ふらっと立ち寄って味わいたい喫茶店の激旨カレーを紹介します。喫茶店とひと口にいっても、その形態は様々。それと同様にカレーもお店ならではの個性がキラリ。味はもちろん、店の雰囲気込みで楽しみたいひと皿を集めました。
『喫茶 東京郊外』 @亀戸
若手ふたりが切り盛りするレトロ喫茶の王道メニュー
アーチ型に切り抜かれた間仕切りに、昭和のスナックにありそうな真っ赤なベルベッドのソファ席。レトロモダンに設えた店内の風情には、こんな懐かしの「ドライカレー」がよく似合う。
ドライカレー 1000円
店を切り盛りするのは越智仁大さんと遠藤拓也さん。学生時代からの友人同士で店を立ち上げ2年と少しが経った。
銀のプレートに盛り付けられたそれを食べてみれば、オーソドックス寄りな中にもクミンやコリアンダーの香りがだんだんと膨らんで、角切りにしたピーマンの爽やかな苦みが後味を引き締める。
ルックスは王道だけれども、香り、味、食感をバランス良く整えたひと皿だ。食後は手作り感あふれる素朴な味わいのプリンやチーズケーキで、ほっと癒されるひと時を。
[住所]東京都江東区亀戸8-19-3
[電話]非公開
[営業時間]11時~22時(21時LO)
[休日]不定休
[交通]東武亀戸線亀戸水神駅から徒歩2分
『古民家カフェ こぐま』 @曳舟
熱々をハフハフやればふわっと広がる爽やかな香り
涼やかな暖簾をくぐると、いつもの日常とは違う時間が流れていた。かつて薬屋だった昭和初期の建物に置かれた学習机のテーブル席。ときおり柱時計が音を響かせ時を告げている。
棚に並んだ陶芸家の作品を眺めながらゆるゆる過ごしていると、やってきたのが「焼きカレー」。
焼きカレー 1150円
オーブンから出したばかりの熱々はスパイス感が立っていて、シナモンやクミンの爽やかな香りから、じわじわ挽き肉の旨みと程よい辛さが膨らんでくる。そこへこんがり焼かれたチーズのコクも加わって、やがて玉子にたどり着くのもお楽しみ。
さらにはピリ辛ケチャップライスに玉子の層で蓋をした、この店オリジナルの「焼きオムライス」も、どこか懐かしい味わいにぐっと来る。
[住所]東京都墨田区東向島1-23-14
[電話]03-3610-0675
[営業時間]11時半~18時半(18時LO)
[休日]火・水
[交通]東武スカイツリーライン曳舟駅西口から徒歩10分
『喫茶バー ナイマ』 @代々木上原
まろやか&肉々しい旨み 表情異なる2種のカレー
昼から深夜まで通し営業で、コーヒーもお酒も食事もいつでもウェルカム。ついでに棚には漫画もズラリとあって、もちろん読み放題。なんと心強い町の宿り木だろう。そんな店のカレーは前身のカフェだった頃から引き継いだ、とりわけ人気のメニューなのだ。
グリルチキンカレーとキーマカレーの二種盛り 1400円(昼は1100円)
「グリルチキンカレー」はヨーグルトや豆乳でコクを持たせたマイルドな仕上がりで、スパイス使いはおだやかながらも鶏ガラや香味野菜のダシがきっちり味のベースを支えている。
一方の「キーマカレー」は合挽き肉の旨みを軸に立体的にスパイスの香りを立たせ、4種類の豆による楽しき食感がアクセント。さらに両者を混ぜ合わせれば、それぞれの味を補完し合って新たな表情と奥行きが生まれていく。
[住所]東京都渋谷区上原3-2-2
[電話]非公開
[営業時間]11時半〜翌3時(翌2時LO)
[休日]無休
[交通]地下鉄千代田線ほか代々木上原駅南口1から徒歩6分
『ハロー・オールド・タイマー』 @新桜台
アメリカ南部料理とスープカレーの共通項とは?
正確に言えばここはアメリカンダイナー。でも食事もスイーツもドリンクもそれぞれに楽しめるところは喫茶店と同じスタンスだ。
音楽をきっかけにアメリカ南部料理に目覚めたという店主の重実さん。「うちの看板!」と胸を張るのがルイジアナ州の伝統的な家庭料理「ガンボ」だ。
ガンボ 1320円(ランチタイムは1210円)
レシピは様々あれど、こちらはカニやエビ、さらに鯛のアラといった魚介系と鶏ガラをじっくり煮込んだ濃厚スープに、炒めた野菜やソーセージを合わせ、コトコト炊いていく。
ご飯と一緒に口へと運べば、ダシの旨みにケイジャンスパイスの香りと刺激がマッチして、食べ心地はまさしくスープカレー。濃厚なのにさっぱりしていて、ご飯もぐいぐい進むガンボに、この夏ハマりそう。
[住所]東京都練馬区栄町22-1
[電話]03-6914-8814
[営業時間]9時半~17時(16時半LO)、18時~21時LO(夜の営業は土・日・祝のみ、平日はテイクアウトのみ対応可)
[休日]月、第1・3・5火
[交通]西武有楽町線新桜台駅2番出口から徒歩4分
撮影/西崎進也(東京郊外、こぐま)、浅沼ノア(ナイマ)、小島昇(ハロー・オールド・タイマー)、取材/菜々山いく子
※2024年9月号発売時点の情報です。
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