厳選【やさしいバー】東京6選 好みの蒸留酒にきっと出合える!《店主直伝・家飲みレシピ付》

知らないお酒を楽しみたいとき、頼りにしたいのが、やさしく色々教えてくれる店主のいるバーです。種類や飲み方、未知なる美酒など最高の出合いが待っていますよ。店主直伝の家飲みレシピ付きです!

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知らないお酒を楽しみたいとき、頼りにしたいのが、やさしく色々教えてくれる店主のいるバーです。種類や飲み方、未知なる美酒など最高の出合いが待っていますよ。店主直伝の家飲みレシピ付きです!

ジントニック専門店で世界中のジンを気軽に飲み比べ『The World Gin&Tonic Antonic(アントニック)』@中目黒

店内がよく見える大きなガラス戸から入れば、白タイルの壁際に世界各国のジン約150種が並ぶ。クラシックからニュースタイルまで、「ジン界の見取り図」を描くようにバランス良くセレクトされている。

「まずはジンの香りを感じてほしい」とメニューはジンをトニックウォーターで割ったジントニック一択。さらにノーチャージで1杯900円〜の明朗会計という、どこまでも初心者に寄り添うバーだ。迷ったときは、分かりやすい説明つきのオンラインメニューから選べば安心だ。

もちろん、詳しいスタッフに好みの香りや気分などを伝えてチョイスをしてもよい。スパイス、ハーブ、果物などを漬け込んで造られる自由なお酒・ジンで、めくるめく香りの旅に出てみよう。

ohoro GIN 1100円、野沢温泉蒸留所 NOZAWA GIN 1300円

『The World Gin&Tonic Antonic(アントニック)』(左)ohoro GIN 1100円、(右)野沢温泉蒸留所 NOZAWA GIN 1300円 杉やクロモジのウッディーな香りに癒される

なかでもおすすめは北海道の「ohoro GIN」。ハッカや柚子の香りが爽快に抜け、心地よいのど越しののちやさしい甘みが残る。この清らかさ、たまらない。フランクな人柄の店長・本多さんは、自身もこの店でジンを知り、今では大のジン好きに。

「基本的にスッキリした味わいなので飲みやすいです!難しく考えず、トライしてみて」

【家飲みレシピ】ボンベイ サファイア プレミアクリュ

『The World Gin&Tonic Antonic(アントニック)』ボンベイ サファイア プレミアクリュ

グラスに氷を入れステア。グラスが冷えたら溶けた水を捨て、ジン20mlを注ぎ再びステアしトニックウォーター100mlを加える。氷を軽く持ち上げ、レモン果汁を数滴加えて完成。柑橘が爽やかに香る贅沢な一杯は、丁寧な計量がカギ。

『The World Gin&Tonic Antonic(アントニック)』

[住所]東京都目黒区東山1-9-13
[電話]03-6303-1729
[営業時間]17時~23時LO、土・日・祝は14時~
[休日]不定休
[交通]東急東横線中目黒駅正面改札から徒歩9分

カジュアルな角打ちで昼下がりのジンを『THE HISAKA』@高田馬場

ここは面白い構成で、手前に今回紹介する角打ちのバーがあり、奥にはメインバーが隠されている。メインバーはウイスキーをじっくり飲みたいムードだが、角打ちは立ち飲みのような気安さだ。バックバーに並ぶおすすめのジンはどれもワンショット1100円で、カクテルはジンソーダとジントニックのみ。スペシャルなジンもあるが、そちらは価格も違うので興味があれば聞いてみたい。

ジンソーダ 1100円~、ジントニック 1100円

『THE HISAKA』(左)ジンソーダ 1100円~ ジンソーダは「ウォータードラゴンスピリッツ」。生姜やミント、甘夏が香るリフレッシュ系のボタニカルが爽やかだ (右)ジントニック 1100円~ 「ハチオウジン」はエルダーフラワーの香りが広がるので甘みを使っておいしさを引き出すジントニック向き

力を入れているのは最近メキメキと実力派が登場している国産のジン。日本らしいボタニカルは、ジンに不慣れな人にも飲みやすいという。例えばしそを使った「SHISO GIN」はお湯割りに合う。乾燥するとオレンジの香りがするという赤えぞ松を使ったウッディな「火の帆」はロックがおすすめ。どちらも海外のジンにはない日本の香りが親しみを感じさせてくれる。

「ジンは明るいお酒なんですよ。だから昼間から飲んで欲しくて」と店主の小倉さん。

そこで開店は午後3時と早い。まだ明るい時間にパッと飛び込んでジンソーダで軽く喉を潤す。そんなカッコいい使い方をしてみたい。

【家飲みレシピ】柚子胡椒ジンソーダ

『THE HISAKA』柚子胡椒ジンソーダ

グラスに好みのジン30mlと炭酸水適量、柚子胡椒少々を入れて溶けるまで混ぜる。最後に氷を加える。ほかにもおろし生姜、わさびなども合う。居酒屋でジンソーダを飲む際は、刺身の薬味を使うという裏技もある。

『THE HISAKA』

[住所]東京都豊島区高田3-8-5 セントラルワセダ1階
[電話]03-4363-9683
[営業時間]角打ち:15時~23時、メインバー:17時~23時
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか高田馬場駅早稲田口から徒歩3分

ラムの沼にハマる第一歩はここ『BAR dillydally(ディリーダリー)』@西新宿

ラム好きだけど、あまり詳しくない人にもおすすめなバーがこちら。ラム100種に加えウィスキーも豊富に揃える本格的なバーだが、店長の手塚景子さんがわかりやすくラムの飲み方を導いてくれるビギナーにやさしい店だ。

世界のラムを俯瞰して体験したいなら、「テイスティングセット」がおすすめ。ラムの代表的な宗主国から、イギリス、スペイン、フランスの代表的なラムをハーフショットで楽しめる。

もう少し軽く楽しみたい人には、ラムにボタニカル、ジェニパーベリーを漬け込んだ、ジンのように芳醇な香りを楽しめる「ボタニカルラムトニック」がいいかも!

ピニャコラーダ 1518円

『BAR dillydally(ディリーダリー)』ピニャコラーダ 1518円

そしてティキカクテルの代表「ピニャコラーダ」は男女問わずに人気のメニュー。使うラムは「バカルディ スペリオール」。生クリームを使っているので、濃厚な香りと味わいを堪能できる。

フードもおいしいと評判のこちら。一番人気は牛肉100%のハンバーガーだ。バンズも生地がしっとりしていて、食べ応えも抜群。運が良ければ食べられる、隠れメニューの「ラムレーズンバターチキンカレー」も要チェック!

【家飲みレシピ】カルダモン ラムコーク

『BAR dillydally(ディリーダリー)』カルダモン ラムコーク

お好みのダークラムに潰したカルダモンを入れて12時間漬け込めば、カルダモンのしっかり香るラムが完成。それをコーラで割るとクラフトコーラのような複雑な味わいに。山椒の実、レモングラスで作っても美味。

『BAR dillydally(ディリーダリー)』店名は道草を食う、という意味。ほっと寛いで過ごしてもらえる空間作りを心がけているとか。ビルの4階まではエレベーターで、そこから階段を上って店に到着する、お忍び感がいい

[住所]東京都新宿区西新宿7-14-6 第二高橋ビル5階
[電話]03-6908-8482
[営業時間]17時~翌1時、土・日・祝は15時~
[休日]無休
[交通]地下鉄丸の内線西新宿駅出口E8・西武新宿線新宿駅からともに徒歩5分、JR中央線ほか新宿駅西口から徒歩8分

浅草の小さな南米へようこそ!『どんまるてぃん』@浅草

『どんまるてぃん』は、日本の焼酎とペルーのぶどうの蒸留酒・ピスコを楽しめるスタンディングメインのバー。なぜピスコと焼酎?それは店主の好きなお酒が焼酎で、故郷のお酒がピスコだから。そして両者は造り方や味わいにも共通点があるとのことで、焼酎好きならきっとピスコも好きなはず!

ピスコはざっくり分けると芳香系のぶどうで作ったフルーティータイプと、非芳香系のドライタイプがある。飲み方はロックやストレートもいいけれど、おすすめなのがチョイトニ割。ソーダ割に少しトニックを加えることでピスコ特有の甘い香りが際立ち、華やかな味わいに。

ピスコのチョイトニ 780円

『どんまるてぃん』ピスコのチョイトニ 780円 チョイトニ割のピスコは「トロンテル」。柑橘系の爽やかな香りが特徴

またお酒が強い人なら「ピスコサワー」にチャレンジしてみて。乳酸菌飲料のような甘酸っぱい味わいで飲みやすいけれど、アルコール度数は40度もあるから飲み過ぎには要注意。

そしてこの店は、男女を問わずフラリと立ち寄るひとり客が多い。店主の気さくな人柄もあり、ひとりでも気負わず過ごせる癒しの酒場なのだ。浅草で遊んで、なんか飲み足りないな~ってときは、『どんまるてぃん』でピスコを一杯引っかけてみては?

【家飲みレシピ】ブルーベリーヨーグルト×ピスコ

『どんまるてぃん』ブルーベリーヨーグルト×ピスコ

ジューサーで作る簡単カクテル。ピスコ、冷凍ブルーベリー、プレーンヨーグルト、はちみつを各適量入れて撹拌し、グラスに注いでライムをひと搾り。冷たいのど越しが最高の一杯。ピスコとブルーベリーは相性抜群!

『どんまるてぃん』カウンター席の奥にテーブル席もある。ボードゲーム類もたくさん用意があり、自由に遊んでOK

[住所]東京都台東区浅草1-41-5
[電話]03-6802-7708
[営業時間]19時~24時、日は~22時 ※開店時間はInstagramで要確認
[休日]月
[交通]地下鉄銀座線ほか浅草駅出口3から徒歩5分

飲み方で変わるテキーラの魅力を再発見『テキーラバー Gatito(ガティート)』@大井町

テキーラといえば学生時代にやらかした痛い思い出の酒?いやいやそれは昔の話です。今や日本にも良質なテキーラが入ってくるようになり、改めてそのおいしさが注目されているのだ。良質のテキーラは原料となる多肉植物のアガベ100%で造られている。

「植物由来なので飲んだ後が軽やかなんですよ」という店主の伊藤さんは、あの手この手でテキーラのおいしさを追求している。

気まぐれタコス 1300円、オリジナルハイボール 1100円

『テキーラバー Gatito(ガティート)』(料理)気まぐれタコス 1300円 (ドリンク)オリジナルハイボール 1100円 熟成の違うテキーラをブレンド。この日のタコスは豚肉を煮込んだカルニータス。ライムを搾るといっそうテキーラと合う

例えば、とある老舗バーのような氷なしの「オリジナルハイボール」は自家ブレンドしたテキーラを使う。これがスッキリなのに味わい深く、飲み飽きしないのだ。また前割り用の陶器ボトルは、特注で作ってもらったという逸品だったりもする。究極は、伊藤さんが編み出したというお燗テキーラ。これはメキシコ人にも喜ばれたというお墨付きだ。

また「テキーラはお鮨と合うんですよ」と意外な一面も教えてくれた。実は伊藤さん、鮨とテキーラのペアリング“鮨テキ”なる活動でも知られている。テキーラの知られざる魅力を紐解く伊藤さんにかかれば、グラスの中のテキーラがいっそう楽しい酒に見えてくる。

【家飲みレシピ】テキーラ前割りロック

『テキーラバー Gatito(ガティート)』テキーラ前割りロック

テキーラも焼酎のように前割りにするとおいしい。ガラスの瓶にミネラルウォーターと好みのテキーラをアルコール度数15%になるように入れ、冷蔵庫に一晩以上置く。氷を入れたグラスに注ぐ。数日かけて飲んでも可。

『テキーラバー Gatito(ガティート)』店内はメキシコらしいムードが漂う

[住所]東京都品川区大井4-10-7
[電話]03-3774-7757
[営業時間]18時~23時半
[休日]不定休 ※SNSで確認
[交通]JR京浜東北線ほか大井町駅西出から徒歩4分

初めてでもアブサンと仲良くなれるバー『The Condition Green(コンディション グリーン)』@中目黒

アブサンは薬草を漬けた蒸留酒。ニガヨモギを筆頭にアニスやフェンネルなど様々なハーブが使われている。世界的には愛好家も多いが、日本ではまだ馴染みが薄く、飲む機会は少ないかもしれない。そんなアブサンを100種類以上も揃えているのがここ。その品揃えはプロのバーテンダーも目を見張るほどだ。

「若いときによく知らずに飲んで、その先入観から苦手という方も多いんですよ。でも正しい飲み方をしてもらうと、こんなにおいしいお酒だったのかと感動してもらえるのがうれしくて」と店主の前所さん。

White Bloody Mary 1540円、Summer Love Triangle 1540円

『The Condition Green(コンディション グリーン)』(左)White Bloody Mary 1540円 透明なトマトジュース、アブサン、トッピングの鰹節は炙って“あたりめ”のニュアンスをプラスしている (右)Summer Love Triangle 1540円 グリルしたパプリカを漬けたラム、紅茶、カンパリ、アブサンに赤ワインをフロート。香ばしいパプリカの香りとカンパリの苦みがアクセント。

ストレートで飲むイメージのアブサンだが、アルコール度数は60度前後と高い。そこで割って飲むのがおすすめという。気軽なソーダ割りや水割りもいいが、アブサンを引き立てるカクテルも前所さんの得意技。プリンに見立てたり、鰹節をトッピングしたり、アブサンの可能性は無限大と教えてくれる。

昔から多くの芸術家に愛されたアブサンはファンキーなデザインのラベルも多く、迷ったらジャケ買い感覚で選ぶのも楽しい。とはいえ度数はやはり高いので、飲み方は相談しながらで。

【家飲みレシピ】きゅうり入りソーダ割り

『The Condition Green(コンディション グリーン)』きゅうり入りソーダ割り

アブサンの香りに合うきゅうりを使ったソーダ割り。グラスに氷、お好みのアブサン(あればスイス産がおすすめ)20ml、炭酸水をグラスの8分目まで入れて混ぜる。ピーラーで薄切りにしたきゅうりを入れる。

『The Condition Green(コンディション グリーン)』シックな内装にトリッキーな装飾があるのが楽しい

[住所]東京都目黒区上目黒5-4-8
[電話]050-1091-4424
[営業時間]バー:17時~24時(金・土は~翌2時)、カフェ:火・水10時~15時
[休日]バー:水・日、カフェ:火・水以外すべて
[交通]東急東横線ほか中目黒駅中央口、東急田園都市線池尻大橋駅東口からともに徒歩15分

撮影/松永直子(Antonic)、西崎進也(THE HISAKA、dillydally、どんまるてぃん、The Condition Green)、貝塚隆(Gatito)、取材/芦谷日菜乃(Antonic)、岡本ジュン(THE HISAKA、Gatito、The Condition Green)、白鳥紀久子(dillydally、どんまるてぃん)

2024年9月号

※2024年9月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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