旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■見た目は……
正解:ラ・フランス
難易度:★★★★☆
贈答品にもぴったりの高級フルーツ
ラ・フランスとは、フランス原産の西洋なし(洋梨)の品種のひとつです。
日本に導入されたのは明治時代で、そのゴツゴツした見た目のから「見ためよくなし」ということで「みだぐなし」と呼ばれていたとか。
その見た目とは裏腹に、味や食感はじつに上品。洋梨の最高峰ともいわれ、贈答品にも使われる高級フルーツです。
生産量の約8~9割を山形県が占めています。
和なしとの大きな違いは食感と香りです。シャクシャクした食感の和なしとは異なり、噛まなくてもいいくらいの柔らかい果肉をもち、香りも芳醇。また、酸味は控えめで、スイーツのような甘さがあります。
価格が高めな理由は、ラ・フランスは非常に繊細な果物で、栽培に手間と時間がかかるためです。
実際、長雨や病害に弱く、さらに、実をつけるまでほかの洋梨より1カ月ほど長く時間がかかるといわれています。
ラ・フランスの収穫時期は、10月上旬から10月中旬頃ですが、市場に出回るのは10月中から12月頃です。旬の時期がお歳暮シーズンとも重なるため、お歳暮の品としても人気となっています。
その理由は、未熟のまま収穫され、そこから2週間から1カ月ほどの期間、低温で貯蔵して熟成させる(追熟)ためです。
収穫されたばかりの未熟なものは硬くザラザラした食感がありますが、追熟させることで、ジューシーでなめらかな食感に変化します。また、糖度も高まります。
ジャムやスムージー、コンポート、タルトなどにしてもOKですが、やはりシンプルに生で食べるのが一番! 食べる2~3時間前に冷蔵庫で冷やすとより美味しくいただけます。