新橋『能登治』
ご主人の七尾信昭さんが6代目、落ち着いた昔ながらの蕎麦屋の佇まいはやはりいい。昔から変えてないという蕎麦ツユはカツオ節に醤油、みりん、砂糖だけを使う。心持ち甘めなのは新橋がかつて花町だった名残りだとか。風味の飛ばない胴搗(どうづき)という製法で挽かれた北海道産の蕎麦はのど越しのいい二八だ。
通しで営業できるのは「家族でひとつの仕事をしているから」とご主人。何十年来というお客さんも多い中、ちゃんと手の入った仕事がされた料理には温かみがある。
自慢のひとつは、近くの鳥肉問屋から新鮮なまま仕入れる国産の合鴨を使った蕎麦や料理。鴨とじの鴨にはムネ肉もモモ肉も入り、噛み締めるほどにジュワジュワ〜。一緒にすする蕎麦がたまらない。
『おとなの週末』2023年12月号より(※本内容は発売時のものです)
…つづく「東京のうまい 「最強の町寿司」 ベスト7軒…高コスパ、一貫 《110円》 からで一見さん、ソロ活でも大丈夫「覆面調査隊が実食」」では、庶民価格の美味しい町の寿司店を紹介します。