戦災で焼失した丸の内駅舎、“仮の姿”での営業は半世紀以上に
さて。先ほど、丸の内駅舎を“当時のまま復原”と書いたが、その理由は多くの人が知っているであろう、第二次世界大戦時の東京大空襲で焼夷弾が直撃し、南北のドームや3階部分、さらに内部も焼失、開業時の姿は一時潰えていたのである。
しかし終戦の一カ月後には、早くも復興へ向かって東京駅は走り始める。
焼失した3階部分を撤去して2階建てとし、南北のドームにはジュラルミン製の天井が被せられた。
実はこの2階建ての駅舎。せいぜい10年程度持てばいいという程度の、あくまで“仮”といってもいい設計であった。
つまり、2012年の復原までの半世紀以上もの長きに渡り、東京駅丸の内駅舎は、あくまで“仮”の姿で営業を続けていたのである。
『東京ステーションギャラリー』
1988年開館、そして2012年の丸の内駅舎復原時に、丸の内北口にリニューアルオープンした東京駅の中にある美術館。東京駅の歴史を常設展示しているだけではなく、その美術館自体が、東京駅の100年の歴史を今に伝えるという構造になっている。
[住所]東京都千代田区丸の内1-9-1
[電話]03-3212-2485
[営業時間]10時~18時、金曜日10時~20時 (入館は閉館30分前まで)
[休日]月(祝日の場合は翌平日/ただし会期最終週、ゴールデンウィーク・お盆・シルバーウィーク期間中の月は開館)、年末年始、展示替期間
[HP]http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
▶おとなの週末2025年1月号は『本当においしい「東京駅」』
撮影/谷内敬樹、取材/カーツさとう
※2019年1月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。