あれも食べたい。これもいいな……軽く30を超えるメニューに優柔不断必至。そこで何を食べてもおいしいけれど、麺類、ご飯もの、一品料理……何を頼むか迷ったらぜひこれを!という絶品一品料理のある町中華をご紹介です。
画像ギャラリーあれも食べたい。これもいいな……軽く30を超えるメニューに優柔不断必至。そこで何を食べてもおいしいけれど、麺類、ご飯もの、一品料理……何を頼むか迷ったらぜひこれを!という絶品一品料理のある町中華をご紹介です。
レバーの存在感を際立たせた味付けと炒めの技『中華料理 ひろし』@下板橋
口開け前から並んでいるのは近所の常連さん。扉が開けば“The”が付くほど昭和な風情の店内はたちまち満席になった。
最初は母が始めた縄のれんで、博さんの代になって中華へモデルチェンジ。目移りするほどある一品メニューはどれも、海鮮なら海鮮の、肉なら肉のと、主役になる素材を立たせた味の足し引きの妙に舌をまく。
レバニラ炒め 850円
もちろんレバニラも然りで、醤油、牡蠣油、そして少しの豆板醤を効かせた、あっさりとした味わいが、新鮮でクセのないレバーの風味もコクもきっちり引き出している。みずみずしく炒めた野菜の食感も絶好の合いの手だ。
さらに今年5月からは次男が日曜日だけ厨房に立ち“朝ラー”も開始。いよいよ『ひろし』第3章の幕開けだ。
店主 宮本博さん「ラーメンや五目焼きそばもおすすめですよ」
[住所]東京都板橋区大山金井町2-2
[電話]03-3972-6595
[営業時間]11時〜14時、17時〜21時(20時半LO)、日のみ:7時〜12時(スープがなくなり次第終了)
[休日]第1・3月
[交通]東武東上線下板橋駅南改札口から徒歩7分
隠れた名品を発見、多重に広がる食感と香り『龍華(りゅうか)』@吉祥寺
テーブルはちびっこ連れのお母さん、カウンターでは自宅みたいにくつろいで1杯やってる紳士の姿。他人の日常にふっと紛れ込むのも町中華の楽しさだ。
近隣の人々から慕われる気さくな店主は御歳77。かつて日比谷にあった広東料理の先駆け『山水樓』でみっちり腕を磨き、実家を改築して33年前にこの店を開いた。
人気は麺を両面焼きした「五目焼きそば」にネギとニラの香りを立たせた「ニラ玉」だけど、エビチリだって間違いなしの名品だ。
エビのチリソース煮 1650円
見るからにプリッとしたそれに挑めば、たっぷり絡んだ餡は小気味良いネギの食感から生姜やニンニクの香りが鮮やかに返ってくる。王道ながらもどこか品のある味は長年の技と日々の丁寧な仕事の賜物だ。
店主 篠原晢さん「中華に合う地酒や焼酎も揃えています」
[住所]東京都武蔵野市吉祥寺北町1-4-2
[電話]0422-22-5679
[営業時間]11時半〜14時、17時〜21時(20時半LO)
[休日]月・火(他、不定休あり)
[交通]JR中央線ほか吉祥寺駅北口から徒歩11分
玉子の甘みを引き立てる醤油の香ばしさ『下町中華 樹(きいち)』@堀切菖蒲園
オープンから数年と老舗中華の多いこの街ではまだまだ新参。しかし鍋を振るう姿には何とも言えない貫禄がある。それもそのはず、店主・桑原さんは14歳の頃から地元の有名店『タカノ』に入り、約40年も厨房に立ってきた。
彼の作るムースーローは個性派で、豚肉とたけのこは細切りにしてふわふわ玉子との一体感を生み、一方のキクラゲは大振りにして存在感を立たせている。味付けは醤油を仕上げにさっと振るだけ。
きくらげの玉子炒め(ムースーロー) 950円
食べればなるほど、玉子の甘みがぐんと立っている。そして忘れちゃいけないのが「ラーメン」だ。特製醤油ダレとダシが調和したスープに浅草開化楼の麺を使い、チャーシューものっけて今どきなんと400円で出すのもこの街の人々に対する愛情だ。
店主 桑原樹一さん「夜のみの営業です。ちびっこ連れのお客さんも大歓迎!」
[住所]東京都葛飾区堀切5-29-1
[電話]非公開
[営業時間]18時〜24時(23時半LO)
[休日]水
[交通]京成本線堀切菖蒲園駅から徒歩4分
撮影/小島昇(ひろし、龍華)、西崎進也(樹)、取材/菜々山いく子(ひろし、龍華、樹)
■おとなの週末2025年2月号は「醤油ラーメン」
※2024年12月号発売時点の情報です。
※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
…つづく「東京の本当うまい「町中華のラーメン」ベスト6店…なんと一杯《600円》、スープ絶品《浅草・大森・人形町・大井町・千歳烏山・清澄白河》で覆面調査隊が発見」では、町中華のうまいラーメンを覆面調査でレポートします。