ぶらっと東京日和

目黒川沿いの和の店6選!町で愛されるうなぎ屋さんが大盤振る舞いだった

目黒川。葉が生い茂る夏の景色も涼やかな風情たっぷりだ

東京にはいくつもの川が流れている。普段何気なく眺めている川も、川に沿って歩いてみると、史跡がいくつもあり、名も知らぬ花が咲きと、実に色々な表情を持っていることに気付く。週末の散策にぴったりな3名川を歩いてみました。今回は最新のショップなど多くの店が軒を連ねる目黒川で、“和”を満喫できるスポットをご紹介します。

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東京にはいくつもの川が流れている。普段何気なく眺めている川も、川に沿って歩いてみると、史跡がいくつもあり、名も知らぬ花が咲きと、実に色々な表情を持っていることに気付く。週末の散策にぴったりな3名川を歩いてみました。今回は最新のショップなど多くの店が軒を連ねる目黒川で、“和”を満喫できるスポットをご紹介します。

天空から地下まで!驚きあふれるエリア

最新のショップや飲食店が軒を連ね、おしゃれエリアのイメージが強い目黒川。でも、昭和30年代頃までは染物屋が友禅流しする光景も見られたそうな。

へえ~、ブロックできっちり整備された、現在の姿からはちょっと想像できないなあ。と、ここで素朴な疑問。周囲にこれだけ店も住宅も密集しているんだし、少し前の集中豪雨の時には被害が大きかったのでは?

目黒川。葉が生い茂る夏の景色も涼やかな風情たっぷりだ

「川から水が溢れるってことはなかったね」とは『寿し屋のなか村』のご主人。長年、目黒川のすぐ近くに店を構えているが、今まで水害に遭ったことはないそうだ。

というのも、山手通りと駒沢通りの交差点近くにある公園(通称:船入場)の地下には、平成6年に大規模な洪水調整池が設けられ大雨の備えとなっているんだとか。普段は保育園のチビッコ達がにぎやかにお散歩する、おだやかな光景の真下に、そんな巨大施設があったとは!ぜひそんなことを想像しながら訪れてみて下さい。

五反田から大崎にかけての川沿いは人も少なく気持ちの良い散歩コース

そしてもう1箇所、意外な場所にある公園を発見した。その名も『目黒天空庭園』。

『目黒天空庭園・オーパス夢ひろば』

首都高大橋ジャンクションの屋上に、これほど緑豊かな空間があったなんて、全然知らなかった。平日の昼間は人も少なく、近隣の住人がワンコを連れてくつろぐ姿がチラホラ。ここが東京のど真ん中ということを忘れられる気持ち良いスポットだ。

でもやっぱり気になるのがグルメでしょう。こじゃれたカフェやらイタリアンやら、このエリアは若者が好みそうな店ばかりかと思いきや、実は、寿司、蕎麦、鰻と、われわれ大人世代がしっぽり楽しめる和の実力店も点在していたのだ。

受け継いだ伝統技術を美しき握りに込める!『寿し屋のなか村』@池尻大橋

店主の中村さんは15歳の頃からこの道ひと筋。現在の握り寿司を形作ったと言われる華屋与兵衛の系統に当たるという。

にぎり 1000円(昼)

『寿し屋のなか村』にぎり 1000円(昼) 北海道から取り寄せたアスパラを巻物に。味噌汁やお新香付き。内容は日替わり

中村さんの寿司はそんな先人達への敬意にあふれていた。一般的な締める、漬けるといった仕事以外にも一見、生に思えるネタにも、それと分からぬひと手間を忍ばせていたりする。

イナセな姿の握りに半世紀かけて磨いた技を詰め込んで、さらに懐にやさしき良心価格。心を掴まれないハズがない。

[住所]東京都目黒区青葉台3-13-9
[電話番号]03-3463-4556
[営業時間]11時45分~13時半LO(月~金)、18時~23時
[休日]不定休
[交通]東急田園都市線池尻大橋駅東口から徒歩9分

粋な昭和の蕎麦屋スタイルでつまみも蕎麦もうどんも全てに唸る!『驀仙坊(ばくざんぼう)』@中目黒

うどんや丼物もあって、昼から夜まで通し営業、天ぷらや気の利いたつまみも揃っている。酒場でもあり社交場でもあった、昭和の蕎麦屋そのままの粋な光景が広がっていた。

やや平打ちの色の濃い蕎麦は、青森の在来種を殻ごと使った挽きぐるみで、頼もしき香りと甘みに満ちている。

驀仙坊 1380円

『驀仙坊(ばくざんぼう)』驀仙坊 1380円 山葵の茎のおひたし、親田辛味大根、カイワレなどを盛り込んだぶっかけ。爽快な旨さ

一方のうどんは少し太めの讃岐式。表面のまるで絹のような滑らかさは舌とのどに快感を呼ぶ。嗚呼、こんな店で昼から飲みたい!

[住所]東京都目黒区青葉台1-22-5
[電話番号]03-3792-8823
[営業時間]12時~20時
[休日]火・水
[交通]地下鉄日比谷線ほか中目黒駅正面改札から徒歩3分

川沿いに暖簾を出す庶民派の店そこに潜んだ百年以上の歴史とは?『めぐろ大黒屋』@目黒

町で愛される鰻屋さん、とはこういう店のことだろう。

大きめの蒲焼きがのったお重に、肝焼きだってひと串に8~ 10匹分と大盤振る舞い。気取らない雰囲気も実に居心地がいい。とはいえ、うな重を食べてハッとした。

うな重 3960円

『めぐろ大黒屋』うな重 3960円 焼き上がりを待つ間に供される数種類の小鉢も気が利いている。素材の味と風味をしっかり感じられるうな重だ

香ばしさの中に身の甘みや風味が立っていて、タレは淡いがコク深い。店主の実家は明治期創業の横須賀の老舗で、タレはそこから受け継いだ。百年越しのこのタレで炙った焼鳥も食べずには帰れない。

[住所]東京都目黒区目黒2-8-4
[電話番号]03-3493-5260
[営業時間]11時半~14時LO、17時半~20時半LO
[休日]日・祝
[交通]JR山手線ほか目黒駅西口から徒歩7分

目黒川沿いの食べる・見るスポット5選

■『目黒天空庭園・オーパス夢ひろば』@池尻大橋

高速道路の真上にある緑豊かな空間からの展望は◎大橋ジャンクションの屋上を利用し、約400mのドーナツ状にデザインされた庭園だ。

『目黒天空庭園・オーパス夢ひろば』

緑豊かで空中に浮かんでいるかのような光景から“東京のラピュタ”とも言われている。

また、その内側の巨大壁に囲まれた地上部分には人工芝を敷いたスポーツコート「オーパス夢広場」がある。

[住所]東京都目黒区大橋1-9-2、1-9-4(夢ひろば)
[電話番号]03-3464-1611
[営業時間]7時~21時
[休日]悪天候
[交通]東急田園都市線池尻大橋駅から徒歩1分

■『福砂屋』@中目黒

自身へのお土産にも最適濃厚な味わいのカステラ。百貨店でお馴染みのカステラの福砂屋は実は目黒川沿いに工場を構えており、売店も併設している。

写真の「五三焼」は熟練の職人だけが作ることを許された一級品で、口どけの良い生地は卵のコクがたっぷり。

特製五三焼カステラ 1本入 3564円

『福砂屋』特製五三焼カステラ 1本入 3564円

この店舗限定で金曜のみハーフサイズ(1728円)も販売。

[住所]東京都目黒区青葉台1-26-7 福砂屋中目黒店(東京工場内)
[電話番号]03-5275-2939
[営業時間]9時~17時半(土・日・祝~17時)
[休日]年始
[交通]地下鉄日比谷線ほか中目黒駅正面改札から徒歩8分

■『江戸みやげ本舗 進世堂』@五反田

明治時代から続く老舗の手間暇かけたえびせんは必食。明治初期創業の老舗せんべい屋さん。赤エビのむき身を使い、太白ごま油や綿実油で揚げたえびせんは、多くのファンを持つ名物。

江戸みやげ 1300円

『江戸みやげ本舗 進世堂』江戸みやげ 1300円

そのえびせんをはじめ、あられなどの詰め合わせは大小サイズが揃っており、買い食いにも、手土産にもぴったり。

[住所]東京都品川区西五反田7-8-10
[電話番号]03-3491-3092
[営業時間]9時~19時半(土~18時半)
[休日]日・祝
[交通]JR山手線五反田駅から徒歩8分、東急池上線大崎広小路駅から徒歩5分

■『CAFE IZUMIYA』@五反田

看板犬がお出迎え!川近くの路地裏に昨年オープンしたカフェ。

果実をふんだんに使用した自家製シロップの「かき氷」(800円~)や「クリームあんみつ」(750円)などの甘味のほか、スパムを使ったおにぎり(360円~)なども充実。

かき氷(マンゴー) 800円

『CAFE IZUMIYA』かき氷(マンゴー) 800円

散策のついでにぜひ立ち寄りたい。

[住所]東京都品川区西五反田2-17-4
[電話番号]03-3491-0596
[営業時間]9時~18時(土11時〜)※変動あり
[休日]日・祝
[交通]JR山手線ほか五反田駅から徒歩4分

東京の魅力発信プロジェクトとは

雑誌『おとなの週末』ムック「ぶらっと東京日和」は令和6年度「東京の魅力発信プロジェクト」※に採択されています。

東京都は、国内外へ東京の都市としての魅力を発信し、「東京ブランド」の確立に向けた取り組みを推進しています。その一環である「東京の魅力発信プロジェクト」※に、雑誌『おとなの週末』ムック「ぶらっと東京日和」が採択されました。

※「東京の魅力発信プロジェクト」は、江戸時代から続く伝統と最先端の文化が共存する、東京の魅力を表現した東京ブランドアイコン「Tokyo Tokyo Old meets New」を効果的に活用しながら、東京都と民間事業者が連携し、東京の魅力の発信等を行う事業です。

「Tokyo Tokyo」とは

「Tokyo Tokyo」は、東京の魅力を国内外にPRするアイコンです。旅行地としての東京を強く印象づける「東京ブランド」の確立に向けた東京都の取組の中で誕生しました。
筆文字のTokyoとゴシック体のTokyoは、江戸から続く伝統と最先端の文化が共存する東京の特色を表現しています。

『ぶらっと東京日和-自分だけの東京を見つける小さな旅-』

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

つづく……『東京日和』では、東京の3名川のひとつ「石神井川」の魅力も紹介しています。

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