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軽自動車に非円形ステアリングが採用されない理由とは?

レクサスRZにオプション設定されるハンドルは、まるで飛行機の操縦桿のような形状となっている。S2000と同様に速度域によってステアリングの切れ角が変動する

また日産には前述の通りD字型ステアリングホイールが多いが、軽自動車のデイズなどは一般的な円形に近い。開発者に理由を尋ねると「軽自動車には、運転が苦手と感じているお客様も多い。違和感が生じないよう、D字型にはしていない」と返答された。つまり円形でない異形のステアリングホイールには、操作しにくいという意見も多いようだ。

従ってD字型などから円形に戻す車種が多いが、ソルテラは逆だ。前述の通り以前は円形で、マイナーチェンジの時に、bZ4Xとは異なりオーバル型を採用した。ソルテラやbZ4Xは、もともとメーターがステアリングホイールの上側に見える配置で、視認性が悪かった。そこでソルテラはオーバル型にして、ステアリングホイールがメーターパネルに干渉しにくくしている。

スバルのEV、ソルテラのオーバル型ステアリング

ちなみにスバルは、安全性を重視するため、デザインに関して保守的な傾向が強い。異形ステアリングホイールが最も似合わないメーターともいえるが、ソルテラにオーバル型を採用した。スバルがソルテラについて、メーターの視認性の悪さを問題視していた結果だ。

以上のようにステアリングホイールの形状は、ターゲットにしているユーザーの好みや運転技量でも左右され、さまざまな事情が絡んでいる。

文/渡辺陽一郎(わたなべ よういちろう):自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスに転向した。「読者の皆様にケガをさせない、損をさせないこと」を重視して、ユーザーの立場から、問題提起のある執筆を心掛けている。執筆対象は自動車関連の多岐に渡る。
写真/レクサス、日産、ホンダ、スバル

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渡辺陽一郎
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