名古屋刀剣博物館「名古屋刀剣ワールド」に併設する、和カフェ&レストラン『有樂』で、豪華な名古屋めしが盛り付けられた「お殿さま城ランチ」が2025年3月11日より登場した。
織田有楽斎が所持した「短刀 有楽来国光」を所蔵
名古屋刀剣博物館「名古屋刀剣ワールド」は、2024年に開館した約500振の刀剣を所蔵する博物館で、日本刀、甲冑、浮世絵を中心としたコレクションを展示。重要文化財や重要美術品に指定された美術品も数多く、中でも国宝「短刀 有楽来国光」を所蔵していることで知られる。「短刀 有楽来国光」は、鎌倉時代末期に山城国で活躍した名工・来国光が制作。織田信長の末弟である織田長益/有楽斎(1547~1621年)が、豊臣秀頼から拝領した1振だ。
織田長益は、1547年に織田信秀の十一男として生まれ、信長の13歳下の弟にあたる。武将として活躍し、本能寺の変で信長亡き後は豊臣秀吉に仕え、御伽衆と呼ばれる話し相手を務めた。その頃に剃髪し、名は「有楽斎」に。秀吉の没後は徳川家康との関わりを深くし、関ヶ原の戦いでは石田三成の軍勢と戦をまじえて戦功をあげる。その後、大阪冬の陣においては淀君の叔父として豊臣家に付くも、豊臣・徳川の間で和平交渉を行なう働きをみせた。
このように武将・大名として乱世を生き抜いた織田長益/有楽斎は、千利休に茶の湯を学んでいた茶人でもあり、武家茶道の流派のひとつ、有楽流を興したことでも有名。大阪夏の陣前に隠棲した後は、茶室「如庵」を建てるなど茶の湯に専念し、この世を去った。
ひつまぶしや、味噌カツなどの名古屋めしが味わえる
名古屋刀剣博物館「名古屋刀剣ワールド」の2階にある、和カフェ&レストラン『有樂』の店名は、もちろん織田有楽斎に由来する。日本刀をイメージした装飾を随所にあしらい、和モダンで落ち着きのある雰囲気だ。店内に刀剣や日本史、戦国史関連の書籍がズラリと並び、読書を楽しみながらゆったりと過ごせる。
メニューには「うなぎひつまぶし」や「味噌かつ丼」、「エビフライ御膳」など、いわゆる名古屋めしがラインナップ。尾張国(愛知県)出身、織田信長の家紋「織田木瓜紋」があしらわれた「家紋ラテ」、「家紋抹茶ラテ」、「家紋チョコラテ」も人気だ。