旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■味噌汁といえば
正解:ワカメ
難易度:★★★☆☆
新ワカメの旨さは格別!
ワカメはコンブ目チガイソ科に分類される大型の海藻です。
旬の時期は3月~5月。この時期のワカメは「新ワカメ」と呼ばれて、やわらかくて香りがよいのが特徴です。収穫後すぐにゆでて塩蔵にされることが多いのですが、旬の時期には生も流通します。
天然ものと養殖ものがありますが、天然ワカメは大きさは不揃いですが、風味が強いことが特徴です。ただし、収穫量が少ないのであまり流通していません。
養殖ワカメは、大きさが均一で扱いやすく食感は柔らかめです。市場に出回っているものほぼ養殖ものです。
古くからワカメをはじめとした海藻類は日本人の食卓にのぼっていたようで、奈良時代にはすでに食べられていたという記録もあります。
献上品とされていた時代もあり、中世以降には職人の給料として支払われていたといわれています。とくに海沿いの地域では、ワカメをはじめとした海藻類が年貢や俸禄として納められたり、職人や役人の報酬として支払われたりしていた記録があります。
給料や年貢として価値があった理由は、塩蔵・乾燥で長期保存でき、運搬にも便利だっただけではなく、出汁がとれるワカメをはじめとした海藻類は調味料としても重宝されていたためです。
国内最大の産地は三陸(岩手・宮城)です。ほかに、北海道産(函館など)、鳴門産(徳島県・鳴門海峡)のものが有名です。
なかでも「鳴門ワカメ」は高級料亭などでも使われている高級ワカメとして知られています。
これは徳島県北東部の鳴門市沿岸(鳴門海峡)で養殖・収穫されているもので、徳島県の「ブランド産品」として全国に出荷されています。柔らかながらシャキッとした食感が魅力です。
鳴門ワカメが美味しい秘密は渦潮にあります。強い潮流に逆らって育つことで、葉がぎゅっと引き締まることで歯ごたえがよくなります。
また、渦によって海水がかき混ぜられることで海中の酸素量が豊富になることでワカメの光合成が活発になり、元気なワカメが育つためです。
通常、可食部分は「葉」の部分が多いのですが、茎の部分(茎ワカメ)や根元の部分(メカブ)も栄養豊富で美味です。