旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■トゲトゲ
正解:バフンウニ
難易度:★★★☆☆
旬の時期が異なります
バフンウニは、棘皮動物門ウニ綱ホンウニ目バフンウニ科に属する小型のウニです。
殻が丸く小ぶりで、短いトゲが密に生えている姿が畑に落ちた馬糞に似ていることからこの名がついたといわれています。
主な漁獲地は北海道で、なかでも利尻・礼文、積丹、日高あたりは昔から質のよいウニが揚がることで知られています。
これらの海域は昆布が豊富で、ウニが一年を通して良質な餌に恵まれるため、殻を開けたときの香りが強く、身の色も濃くなります。利尻昆布や日高昆布の産地として知られる地域と、良質なウニの産地が重なるのは自然なことで、ウニの味は食べている海藻に大きく左右されるのです。
旬は地域によって大きく異なります。
一般的に「バフンウニは夏が旬」といわれるのは、市場に流通する多くが北海道産で、北海道では6月から8月が最盛期だからです。冷たい海で育つウニは海藻が育つのも遅く、初夏から夏にかけて身が太り、産卵前の短い期間がもっとも味がよくなります。
一方で、暖かい海域では旬の時期が変わります。
九州や四国、紀伊半島の一部では、海藻の生育が早いため、バフンウニは春先に身が太り、3月から4月頃が食べ頃になります。長崎や五島列島、壱岐・対馬などでは、春のバフンウニが高く評価されていて、地元では「春のウニ」として扱われています。
味の特徴は、なんといっても濃厚な甘さと香りです。ムラサキウニが軽やかな甘みと海藻の香りを持つのに対し、バフンウニはひと口で「ウニらしい味」がはっきりわかるほどの濃さがあります。
舌に乗せるとねっとりとした質感があり、甘さの奥に昆布のような香りが潜み、後味にほのかな苦味が残ることもあります。この苦味がまたウニらしさの一部で、寿司屋ではこの“奥行き”を好む人も少なくありません。身の色が濃いほど味も力強く、香りが立ちやすいのが特徴です。



