卒業生の団結で危機を免れた店も
菜「私も隠れた名店を見つけたよ。それが『いこい』。クセがなく甘みだけ広がる豚レバーに感動した」
本「早稲田界隈ってやっぱり大学色が濃い街ですよね~」
菜「卒業生も街に対する愛情が深いからずっと通い続けるんだと思う。しかも界隈はアルバイトも早大生が多くて、店主とは祖父と孫ぐらい歳が離れてるけど早稲田を愛する気持ちは同じだなと実感」
戎「いい話ですねえ」
菜「まだあるよ。そんな街への愛はコロナ禍の店も救っていて、『ぷらんたん』は卒業生中心のクラファンで危機を免れたんだって。『源兵衛』は卒業生が飲みに来ると後輩のためにお金を置いていく人も多く、それで学生が飲める。そんなかっこいい大人に私もなりたい」
『キッチン南国』カツカレー(ロース)950円
岡「長く続く店はそういう常連さんに支えられているんだよね。飯田橋も30年以上続く店を紹介したけど、懐かしかったのは『おけ以』。実はしばらく休業していて最近復活したの。今は餃子オンリーだけど常連さんの声もあってタンメンなども復活させたいとのこと。楽しみ」
菜「三田と日吉はどう?」
本「三田はどの店もお客さんを楽しませたいという気風の良さを感じたな。特に『たけちゃん』の安さには呑んべえ涙出ました(笑)」
『串揚げたけちゃん』キス140円、えび250円、紅生姜140円、ヒレ250円、とうふ140円、アスパラ140円、ナットウ140円、ニラ巻き140円、玉子140円、キリン一番搾り500円

武「日吉は駅を起点に放射状に商店街があるんですが、そのひとつ『普通部通り商店街』の名に改めてここは慶応の門前町なんだと思いましたね。慶応と聞くとおしゃれな店が多いと思いきや、定食屋など庶民的で安くて旨い店ばかり。OBでなくともお腹が空いたら目指すのもアリです」
肥「そうなの、卒業生じゃなくても校風を感じたり、自分の思い出を重ねたり、魅力を再発見するのが楽しいよね」
武「そんな学生街を知り、味わい尽くしてこそ真の卒業!?てことでこの座談会誌面も何かと話題の卒業証書風に!」
肥「なるほど。ではチラ見せじゃなく、じっくりご覧ください(笑)」
文/肥田木奈々、撮影/西崎進也(雲仙楼、神保町)、浅沼ノア(早稲田、キッチン南国)、小澤晶子(小澤晶子)
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