フランス料理を肩肘張らず、ワイン片手に粋に楽しむ。そんな時間を存分に過ごせるのが〈ビストロ〉だ。ビストロといえば、大迫力のステックフリットやパテ、冬の名物・カスレにオニオンスープなど飾り気なしの真っ向直球メニューがひとつの顔です。そんな定番最高!な料理を、ワインとともに楽しみたい。
おかえり、そしてこれからもよろしく『ラミティエ』@高田馬場
皿からはみ出るステックフリット(ステーキとフレンチフライ)をつまみにカジュアルなワインをグビグビ飲んで、お喋りが弾み、笑顔が弾ける。そんなビストロはフランス版の居酒屋や食堂のようなものだ。高田馬場の映画館『早稲田松竹』の向い側路地にある『ラミティエ』は、2000年のオープン以来、まさにそんなビストロの魅力を圧倒的なインパクトで伝えてきた。
白い皿(ビストロの定番!)に本場さながらの味とボリューム、カラフェで出すワイン、ラフだけどパリを感じる店づくり。何より学生にも手が届くフレンドリーな価格。東京でパリを体感できるこの場所は、今をときめく人気店のシェフたちにもファンが多い。
国産牛ロースのステーキ500g5900円

その『ラミティエ』が昨年秋に全面改装を経て生まれ変わった。これはビストロ好きにとっては大きなニュースである。今年5月には25年目に突入するという人気店が、このタイミングでどうして改装に踏み切ったのか。
その理由を聞いてみると、「長年ずっと同じことを続けてきたので、ルーティンをこなしているように感じられて」と店主の宮下清志シェフ。それを変えたいと思ったのだ。店が新しくなったことで気分も一新、「これからもう1回頑張ってみたい。ワクワクしています」と晴れ晴れと語る。
今回のリニューアルでの大きな変化はカウンターを作ったこと。
「ゆくゆくは映画帰りにふらりとワインを飲めるようにしたいけど」というが、現在はまだ準備中だとか。
しかし新生したとはいえ、メニューが大幅に変わったというわけではない。そこは長年のファンもご安心を。
以前はメニューを考え抜いて突き詰めるように仕込みを行っていたというが、これからは「その日仕入れた食材を使い切って、なくなったらそれでいいという、より柔軟な気持ちになりました」と笑う。
いい具合に肩の力が抜けたベテランシェフと4分の1世紀を折り返した名店が、これからどう進化するのか。その物語からますます目が離せない。
[住所]東京都新宿区高田馬場2-9-12柴原ビル1階
[電話]03-5272-5010
[営業時間]17時~23時
[休日]日・月
[交通]地下鉄東西線高田馬場駅7番出口から徒歩4分