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冬のビストロは熱々のごちそうがいっぱい『メリメロ』@飯田橋

2003年にオープンした『メリメロ』は今年で22歳。フランスの三つ星レストランなどで腕を磨いた宗像康雄シェフは、フランスでの修業時代、ビストロを食べ歩いたという。そこで郷土料理や定番のビストロ料理も大好き。

今回紹介する「カスレ」もそんな時代に出合った料理のひとつという。「カスレ」はフランス南西部の豆料理で、カルカッソンヌやトゥールーズが有名だ。宗像康雄シェフのそれには、黒胡椒が印象的に効いている。これは食べ歩いた中で、一番おいしかった店の味がヒントになったとか。

カスレ3630円

『メリメロ』カスレ 630円 鴨のコンフィ、ソーセージのほか豚足、豚の皮などが入ってコラーゲンたっぷり。オーブンでじっくり焼き上げるので旨みが濃く、そこに黒胡椒がかなり効いていて、ピリリと味を引き締める

「カスレは柔らかく煮た豆がおいしい。だから形を保つぎりぎりまで火を入れます」と語る。

じっくりと旨みを含んだ白いんげん豆は口の中に入れるとピュレのようにとろけていく。宗像康雄シェフは素材の持ち味を引き出し、活用する達人でもある。

例えばじゃがいもを使ったクロケットには、牛肉を下処理したときに出た脂を加えてコクを出す。それも脂を袋に入れていったん煮た後に、残ったきれいな脂だけを使うという徹底ぶり。クロケットに添えた塩にはにんじん葉を揚げて混ぜていて、こちらも絶妙においしい。

「寒鯖のパイ包み焼き」はこの季節のごちそうだ。脂ののった鯖を塩で軽く〆た後にサッと焼いて臭みを抜く。そのひと手間がワインと合わせてもおいしい秘訣だ。

「メリメロサラダ」は季節によって野菜がガラリと変わるが、冬場は根菜が主役。ピクルスにしたり、茹でたり、生を使ったりと野菜ごとに調理法を変えて手間をかけておいしさを引き出している。

ちなみに「メリメロサラダ」のメリメロとはフランス語でごちゃまぜという意味。この言葉は店名でもあるが、まさにこちらもいろんなおいしいものが詰め込まれた、至福のビストロなのだ。

『メリメロ』店主 宗像康雄さん

店主:宗像康雄さん「おいしいワインと一緒に料理を楽しんで!」

『メリメロ』

[住所]東京都千代田区飯田橋4-5-4CUBE飯田橋ビル1階
[電話]03-3263-3239
[営業時間]17時~22時LO
[休日]日、不定休
[交通]地下鉄東西線飯田橋駅A5出口から徒歩2分、JR総武線ほか飯田橋駅東口から徒歩4分

撮影/貝塚隆(ラミティエ、ビストロヴィヴィエンヌ、メリメロ)、浅沼ノア(ビストロアマノ)、西崎進也(La Boucherie Goutons)、取材/岡本ジュン(ラミティエ、ビストロヴィヴィエンヌ、メリメロ)、白鳥紀久子(ビストロアマノ、La Boucherie Goutons)

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※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

…つづく「新宿の晩ご飯」でも、自慢のビストロを実食レポートしています。

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おとなの週末Web編集部
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