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全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、東日本大震災後に復活した気仙沼のシンボル「かもめ食堂」を紹介します。

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気仙沼出身のラーメン職人が考えた復興プラン

東京・葛西に本店を構えるラーメン店「ちばき屋」。店主の千葉憲二さんは、2011年の東日本大震災で壊滅的な被害となった宮城県気仙沼市の出身です。

「かもめ食堂」を運営するのは、東京・葛西に本店を構ええるラーメン店「ちばき屋」店主の千葉憲二さん。東日本大震災で壊滅的な被害となった宮城県気仙沼市の出身

あの日から3年―。2014年秋、千葉さんと私たちは、その気仙沼にいました。かつて「かもめ食堂」のあった港付近は被害を最も受けていたため、現地では内陸の町の復旧が先に進んでいました。千葉さんと一緒に私たちも物件を探すなか、内陸にいい場所がありました。

でも千葉さんは、「内陸でやったらカラス食堂だろ。できる限りもとのかもめ食堂があった、港の近くでやりたいんだ……」と、言われたのが今でも思い出されます。その後、千葉さんは根気強く場所を探し、2015 年11月に、もとの「かもめ食堂」の近くに店を復活オープンすることとなりました。

東京で商売をしている千葉さんにとって、正直、気仙沼で更地から場所を探し、店を建てて商売するというのは大きな投資とリスクがあると思います。けれども、千葉さんが「かもめ食堂」の復活を宣言し、数年かけて実行されたのは、生まれ育った気仙沼への愛だと感じますし、なかなかできることではないと思います。

【「かもめ食堂」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:2012年2月2日~2015年4月5日
・「あの銘店をもう一度」出店:2023年10月3日~2023年10月30日

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港にあったかつての繁盛店を復活させる
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