全国のラーメンの名店が出店する「新横浜ラーメン博物館」(ラー博)は、年間80万人以上もの客が訪れる“ラーメンの聖地”です。横浜市の新横浜駅前にオープン後、2024年3月に30年の節目を迎えましたが、これまでに招致したラーメン店は50店以上、延べ入館者数は3000万人を超えます。岩岡洋志館長が、それら名店の「ラーメンと人が織りなす物語」を紡ぎました。それが、新刊『ラー博30年 新横浜ラーメン博物館 あの伝説のラーメン店53』(講談社ビーシー/講談社)です。収録の中から、超濃厚スープの“どトンコツ”久留米ラーメン「魁龍(かいりゅう) 博多本店」を紹介します。
「一風堂」が卒業の際、強く推薦した店
「一風堂」が2001年6月にラー博を卒業するにあたり、「一風堂」創業者の河原成美さんから後継の出店先として、強い推薦を受けたのが博多にある久留米ラーメンの店「魁龍(かいりゅう)博多本店」でした。
店主・森山日出一さんは私・岩岡と同い年で、何度か衝突もありましたが、味を追求されている姿は本当に尊敬しています。とんこつのルーツ・久留米の伝統的なやり方を愚直なまでに貫き、手間を惜しまない店主の思いが伝わってくるような超濃厚スープです。
また、2001年7月からのラー博への出店時は、久留米ラーメン特有のとんこつの匂いに対して、まだ首都圏の人が慣れていませんでした。そのため、排気ダクトをラー博の屋上まで伸ばす工事をしたり、匂いを緩和させる器具をつけたりと、設備面で苦労した思い出もあります。
とんこつラーメンの源流は博多の南西に位置する福岡県久留米市が、その発祥地。1937年に創業した「南京千両」が開祖とされ、1947 年創業の「三九」が、偶然の失敗からスープを白濁させてしまい、これが九州に広がったことが、今のとんこつ隆盛につながっていました。
【「魁龍 博多本店」過去のラー博出店期間】
・ラー博初出店:2001年7月11日~2004年8月31日
・「あの銘店をもう一度」出店:2023年9月19日~2023年10月2日
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¥4,380(税込)
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¥5,400(税込)
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¥5,100(税込)
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¥5,280(税込)