×

気になるキーワードを入力してください

SNSで最新情報をチェック

港にあったかつての繁盛店を復活させる

人にはそれぞれ故郷があります。故郷とは自分の原点でもあり、自分らしさを取り戻せる、そんな場所でもあります。そんな故郷が災害に襲われました。東日本大震災です。生まれ育った故郷の風景は津波に飲み込まれ、戦慄を覚える悲惨な光景へと一変しました。知人・友人の家、役所、漁港、なじみのお店……故郷の大切な人と思い出は、津波によってすべてを奪い去られました。

震災の翌日に救援物資の運搬や炊き出しで気仙沼を訪れ、その後も幾度か訪れた千葉さんは、「この先、気仙沼が復興するためには希望や生きがいといった心の支援が最も重要……」と感じるようになりました。そんななかで、千葉さんはある復興プランを考えました。それは以前気仙沼に存在した「かもめ食堂」の復活でした。

気仙沼の港の近くにあったかつての「かもめ食堂」。震災前の2006年、惜しまれつつ閉店

「かもめ食堂」は、1942年、気仙沼市南町で創業した老舗の食堂です。約6坪14席の店内は、気仙沼漁港に出入りする人、水産加工会社に勤務する人、そして学生たちでいつも大繁盛していました。

1955年頃からラーメンの提供を始めると、すぐに店の一番人気メニューとなりました。以降も地元客に愛され続けた食堂でしたが、2006年4月、後継者不在から惜しまれつつも閉店。そして、2011年3月11日、東日本大震災の津波により、かつての店舗は全壊してしまいました。

「ちばき屋」の千葉さんが立つのは、津波で流された「かもめ食堂」の跡地。当時のラー博のポスターより=2012年
次のページ
気仙沼のシンボルが、ラー博でよみがえった
icon-next-galary
icon-prev 1 2 3 4 5icon-next
関連記事
あなたにおすすめ

この記事のライター

おとなの週末Web編集部
おとなの週末Web編集部

おとなの週末Web編集部

おとなの自動車保険

最新刊

全店実食調査でお届けするグルメ情報誌『おとなの週末』。2025年8月16日発売の9月号では、東京で食…