気仙沼のシンボルが、ラー博でよみがえった
「かもめ食堂」は、特別な店ではないけれど、町の誰もが知っている気仙沼のシンボル的な店でした。千葉さんにとっても生まれて初めてラーメンを食べた店であり、故郷を感じる忘れられない存在でした。
「かもめ食堂は気仙沼の人々にとって日常の食堂。日常であるからこそ震災前の平和な気仙沼を象徴するもので、店の復活は復興へのシンボルとなるのではないか……」という、千葉さん流の復興プランでした。
そして、「復活による雇用創出や次世代を担う気仙沼の子どもたちの希望になれば……」と千葉さん。できるだけ早い復活の実現を願っていましたが、復旧もままならない状況のなか、建築制限もあり、すぐに復活させることは難しく、断念せざるを得なかったそうです……。そんな話を私たちが聞いたのは2011年の秋のことでした。
私たちは千葉さんの思いに共感し、「ならばラーメン博物館に、かもめ食堂をオープンしましょう!ラーメン博物館で気仙沼、そして、かもめ食堂の魅力を知ってもらい、その後3年をメドに気仙沼で店舗を構え、気仙沼のシンボルとしていきましょう」と提案したのです。2012年2月2日、気仙沼の「かもめ食堂」が6年ぶりにラー博で復活を果たしました。
サンマの香油のきいた塩ラーメン
こうして復活した「かもめ食堂」でしたが、その味は当時の気仙沼にあった「かもめ食堂」のものではありません。メインのラーメンは、気仙沼らしさを前面に出した塩ラーメン。
スープは魚介類を丸2日間塩漬けし、水、酒、昆布を合わせた特製のタレが決め手となる塩ラーメン。そこに、鶏ガラをベースに煮干し、昆布を加えたダブルスープとしました。
麺は中細のちぢれ麺。適度にちぢれた麺は持ち上がりがよく、スープ、香油との一体感を強めます。サンマでは日本有数の水揚げ量を誇る気仙沼。そのサンマを使った香油がアクセントになった、気仙沼の海を感じさせる塩ラーメンとなりました。
仕上げの玉子は、東北銘菓の「かもめの玉子」風に切った煮玉子を昆布ダシに浸け込んだ、ひと手間かかったもの。半熟煮玉子を最初にラーメンに取り入れた千葉さんらしいアイデアでした。
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¥4,380(税込)
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¥5,400(税込)
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¥5,100(税込)
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¥5,280(税込)