燗した焼酎と白湯を好みで割ってぐい呑みで『兵六(ひょうろく)』@神保町
上海から引き上げてきた初代が神保町の片隅に店を構えたのが戦後間もなくのこと。最初はかき氷を売ったりミルクホールをやったり右往左往したものの鳴かず飛ばず。そんな折「故郷・薩摩の焼酎を出したらどうか?」と提案したのが、初代と中学の同窓生だった当時の鹿児島県知事。現在、東京を代表する酒亭となったこの店のはじまりだ。
燗として置くのは「さつま無双」の1本。大きなやかんに1升瓶からドボドボ注ぎ、コンロの火に乗せ、時折揺らしながら満遍なく温めていく。温度を計るのは三代目として店を守る柴山さんの手の感覚。注文すればそこから正1合を注いだ徳利に、白湯の入った小さなやかんも添えられる。
兵六あげ540円、さつま無双830円、つけあげ650円

客はそれらを思い思いの割合でぐい呑みに注ぎ入れて飲むのがここでの作法だ。大きなカップでなく、ぐい呑みってところも丁度いい。熱々のうちに飲み干せる上、徳利とやかんを行き来する手数の多さもなぜだかどんどん楽しくなる。
合いの手には「つけあげ」や「餃子」など、これまたずっと昔から変わらぬ味を。
「初代のやってきたことを守るのが僕の仕事」と柴山さんはうれしそうに話してくれた。
3代目亭主:柴山雅都さん「コの字カウンターを囲んで和気あいあいと楽しんで」
[店名]『兵六(ひょうろく)』
[住所]東京都千代田区神田神保町1-3
[電話]なし
[営業時間]17時〜22時(21時10分LO)
[休日]土・日・祝
[交通]地下鉄半蔵門線ほか神保町駅A7出口から徒歩2分



