2026年で27年の歴史を誇る、ラーメン業界最高権威の「TRYラーメン大賞」。4名のTRY審査員と、3名のTRY名店審査員、2名のTRY新店審査員、合計9名の審査員が東京・神奈川・千葉・埼玉のラーメン店を食べ歩き、味ジャンルごとに審査・ランキングを発表している。10月22日の最新版発売を前に、昨年(2025年)の審査会で交わされた議論の一部を紹介する。テーマはスープと麺。いま、ラーメンの世界で何が起きているのか。
白熱の審査会! 計9名の審査員が語る2025年の傾向
ラーメンのランキングを決めるのに、7時間超の激論! そこまで話すことがあるのか。だが、審査員たちは本気だ。数々の店を食べ歩き、一杯一杯の味を確かめ、評価をめぐって意見をぶつけ合う。その結果は、編集部でさえ予測できない。これが、27年の歴史を誇る「TRYラーメン大賞」の審査会だ。
TRY審査員の青木誠さん、しらすさん、田中一明さん、尾瀬さんの4名と名店審査員のレイラさん、星野能宏さん、かずまさんの3名。そして、新店審査員のいけ麺さん、しらけんさんの計9名に、ラーメン業界の潮流を存分に語ってもらった。
清湯(ちんたん)、自家製麺の時代を経て再び“スープ”を磨く時代へ―
田中:今期のキーワードはズバリ“微濁”。これに尽きると思います。今までのスープは、完全に白濁している“白湯(ぱいたん)”、濁りのない“清湯(ちんたん)”と、明確に分類できるものが多かったのですが、最近はそのどちらのタイプにも当てはまらない半濁のラーメンが増えてきました。
新店組の『創作麺 ひとすじ』(杉並区)や『ら~麺 瑞藤(みずふじ)』(松戸市)は、その典型例といえるでしょう。今後は、こうしたタイプのラーメンがますます増えていく気がしているんですよね。
2024年の下半期、2025年の上半期は、その黎明になるんじゃないかな、と。
尾瀬:特にしおのジャンルはその傾向が顕著な気がします。
田中:2023年にTRY新店大賞に輝いた『桜上水 船越』(杉並区)の影響が少なからずあると思うんですよね。
「既存のスタイルに縛られず、自分のスタイルで自分の作りたい味を作る」。そういう気概のある姿勢に感銘を受けた店主は、きっとほかにもいるんじゃないかなと思います。
星野:『船越』の影響は確かにあると思いますね。淡麗系の時代が長らく続いてきたので、「まわりの店とは違うことをしよう」という流れが生まれてきていることは、フリークの一人としても楽しみに感じています。
しらす:個人的には、微濁のラーメンが増えているというよりも、清湯を出す店が減ってきているという感覚の方が強いです。
『中華そば しば田』(狛江市)や『中華そば 深緑』(東松山市)、『らぁ麺 すぎ本』(横浜市)といった、これまで清湯を売りにしてきた名店勢も、この数年でどんどんスープが濃くなってきていますよね。
田中:確かに、名店もド清湯から微濁に寄ってきていますよね。首都圏のラーメン業界は、今、スープを見直そうというフェーズに入ってきていると思うんです。
透き通ったスープに細ストレート麺を合わせる長き淡麗系ラーメンの時代を経て、数年前から自家製麺や手打ち麺で個性を打ち出す“麺の時代”に突入しました。
自家製麺が当たり前になり、業界全体の麺のクオリティが押しなべて上がってきた現在は、再びスープを磨いて他店との差別化を図ろうという店が増えてきているんじゃないかと思うんです。













