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未知なるソース焼飯に感動!!

56年生きてきて、食べたことなし。ソース焼飯だ。

そりゃあ食べたことのない料理は、世界中に山ほどあるが、ソースと焼飯。こんなポピュラーなふたつの単語が、合体した途端に未体験料理に変容するというこの不思議!!

とにかく一度食べなきゃ。でもどこで食べられる? なんと『おとなの週末』のラーメン特集でも常連のラーメンの名店、都立家政駅近くの『食堂七彩』に“ソースチャーハン”が存在。さっそく食べた。

予想通りに普通のチャーハンより色黒く、予想通りソースの香り漂う、まさしくソースの焼飯。ただひと口食べれば、予想よりソースの味は薄目だが、そのほのかな甘酸っぱさが、食欲をグイグイ引っ張っていく。

あ、これウマイ!! ウマイぞウマイぞ、率直にウマイ! これは他の店も食べ歩きたい。

食堂七彩(都立家政)

ソースチャーハン(670円)
喜多方ラーメン(醤油/820円)

[住所]東京都中野区鷺宮3-1-12
[電話番号]03-3330-9266
[営業時間]11時半〜15時、18時〜24時、土・日・祝11時半〜15時、18時〜22時
※スープ売り切れ次第終了の場合あり
[休日]火

ニュー王将(浅草)

そして探した2軒目は、浅草は千束通りにほど近い『ニュー王将』。メンチカツが名物で、看板に“和洋食”とあるこの店での料理名が“ソース焼飯”!

洋食のケチャップライスのケチャップをソースに変えたようなハイカラな味わい。大きめにカットされた玉ネギの甘みとソースの酸味がゴハンと交じり合い昇華した幸福を感じる味だ。

ソース焼飯(750円)
ハムカツ(600円)

店舗情報 非公開

石の家(新宿)

さらにもう一軒ソースチャーハンの店を新宿駅南口すぐ近くに発見。中華『石の家』である。

この店の「ソース五目炒飯」の特徴は、ソースの味がかなりしっかりしていること。

だがこれもまた独自の美味しさなんですよ。レモンサワーも注文してしまったのだが、なんとツマミにもなっちゃう! “中華居酒屋”と看板にあったが、お酒のお代わりと同時にソース炒飯もお代わりしたくなる、呑ませるソース焼飯なのだ!

ソース五目炒飯(650円)
お店はビルの地下にある

[住所]東京都新宿区新宿3-35-4 ユーコービル中地下
[電話番号]03-3354-9334
[営業時間]11時半〜23時50分(23時LO)、日・祝11時半〜22時50分(22時LO)
[休日]無休

失われつつある東京下町の味、それがソース焼飯だ!!

とにかくソース焼飯、ウマイっす!! でもどの店も味付けから具材まで全部違う。

・焼豚・玉ネギ・ソース薄
・玉子・豚肉・玉ネギ、ソース薄
・ハム・ナルト・長ネギ・ソースしっかり

3軒の具と特徴を書いたけど、全軒共通項がひとつもない! 紅生姜だけは共通だけど。

となるとソース焼飯のスタンダートがわからなくなってきた。

そんな中『食堂七彩』のツイッターで興味深いコメントを発見。
ソースチャーハンの写真とともに
“幻にならないように。僕たちが繋ぎ止めています!”
ってことは七彩の味が、伝統的なソース焼飯の味なのか?

ツイッターの真意を聞いてみると“高齢のため店を閉めた仲御徒町『来集軒』の絶品だったソースチャーハンを基準に作っている”とのこと。さらに“東京のソース文化を象徴する『失われつつある東京下町の味』として伝えたい”という。

なるほど。でも関西の人もお好み焼きとかソース好きだし。あ、お祭りの屋台なんて、日本全国、焼きそば・お好み・たこ焼きとほぼソース味じゃん!

そう。日本の庶民の味って実はソースなんじゃないか? その味に日本の食の王道ゴハンを混ぜる……これはまさしく日本人のドストライク味覚!!

ただ現在は、その完成形を求めて模索し発展途中の、未だ萌芽の段階なのではないか?

ソース焼飯。それは絶滅危惧食どころか、いつか隆盛を誇る、明日のスター料理だ!!

撮影・文/カーツさとう
※店のデータは、2019年10月号発売時点の情報です。

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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