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人気の街「東京・下北沢」に、次世代型の商業ゾーン「reload」(リロード)が誕生しました。線路跡地に建つ低層施設には、飲食店をはじめ個性豊かな店舗が並んでいます。建物の内側には、吹き抜けや通路が配され、まるで路地を歩いているような感覚で楽しめる“空間”です。オープン直前の内覧会に出かけ、各店の人気メニューを味わってみました。

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カフェ、立ち呑み居酒屋、ボディメンテ、文具・雑貨、メガネ店、理髪店……計11区画でスタート

開放的な構造です

2021年6月16日開業のreloadは、小田急電鉄が開発を進める「下北線路街」(全13区画)のひとつ。下北沢駅から東北沢駅方向に5分ほど歩いた線路跡地にあります

大小さまざまな建物が軒を連ねるような分棟式の2階建て。ひとつのフロアに店が均等に並ぶ大規模商業施設のテナントのような形態とは異なり、独立した個別の店舗のような印象です。

reloadという名前には「下北沢の地域に根付いた人、店、文化を大切に守りながらも、新たな文化を創る個性あふれるテナントの誘致や、都度表情を変えていくイベントスペースを掛け合わせることで、完成することなく変わり続ける場として新たな歴史を創っていく」という意味を込めたそうです。担当者によると、ウェブページのリロードボタンのように、常に「更新」されていく意味合いも含まれるとのことです。

約100mの細長い敷地に建つ全24区画(延床面積約1890平方メートル)には、京都「小川珈琲」の体験型コーヒービーンズストア「OGAWA COFFEE LABORATORY」(2021年7月オープン予定)、“日本一の茶師兄弟”として話題の大山兄弟によるお茶やかき氷を提供する「しもきた茶苑大山」(同年9月オープン予定)、立ち呑み居酒屋「立てば天国」などの飲食店をはじめ、福井発の老舗ブランド「増永眼鏡」の直営ショップ、理髪店「WOLFMAN BARBER」の姉妹店「TAKESHI‘S BARBER」、ブックストア「Great Books」、ボディメンテナンススタジオ「FLUX CONDITIONINGS」、文具・雑貨「DESK LABO」など洗練されたショップが入居しています。

小田急電鉄では、「セレクトショップやこだわり食材のカフェなど店主の顔が見える個性豊かなテナントを迎え、近隣の方や来街者など多くの人と地域、カルチャーを繋ぐ新たな施設」と説明しています。6月16日のオープン時は、計11区画でスタート。残りの計13区画は順次開業してく予定です

6月14日の内覧会では、立ち呑み居酒屋、カフェ、シーシャカフェ、カレー店に立ち寄ってみました。

2021年6月16日開業のreload

立ち呑み居酒屋「立てば天国」 こだわりの「3冷」 “おひとりさま”でも楽しめる小皿料理

「米沢牛のもつ煮込み」(左)と、4種のおつまみが盛られた一皿

「立てば天国」は、reloadの2階にあります。こだわっているのは、ホッピーの「3冷」。「3冷」とは、焼酎の割り材として知られるビアテイスト飲料のホッピーと、焼酎、ジョッキの3つをよく冷やして提供することを意味します。

緊急事態宣言中ですので、焼酎は入れずに、ホッピーだけを銅製タンブラーでいただきます。容器もキンキンに冷えているので、外側についた水滴を見つめているだけで、「涼」を感じます。焼酎が入らなくとも、充分に美味い!

試食で提供されたのは、自慢のメニュー「米沢牛のもつ煮込み」。大根やにんじん、キノコ、こんにゃくとともに、米沢牛のホルモンを煮込んだ一品です。店員さんによると、お店のコンセプトは「アジアのエッセンス」とのこと。それだけに、味付けはスパイシー。しかも、コクがあるので、ホッピーが進む感じです

次に出てきたのは、「ワカメとひじきのナムル」「黒酢で味付けしたゴーヤのおひたし」「米沢牛のセンマイに白みそと実山椒、パクチー入り」「もろきゅうにタイのハーブ添え」。この4種が小皿にのっています。どれも、美味い!ホッピーにも合いますが、個人的には日本酒とともに味わいたくなるおつまみでした。

自慢のホッピー。写真のホッピーには、焼酎が入っていません

立てば天国

ボディメンテの「FLUX」のカフェ フィットネスバイクをこぎながらプロテインドリンクを味わう!

抹茶エバーグリーン

同じく2階にある「FLUX CAFE」は、隣のボディメンテナンススタジオ「FLUX CONDITIONINGS」のカフェ。“ウリ”は、10種類もあるプロテインドリンクです。FLUX CAFEは、都内の代官山や田町にも店舗があり、プロテインドリンク10種類のうち5種類が下北沢店のオリジナルメニュー。そのオリジナルの中から、オススメの「抹茶エバーグリーン」(税込み850円)をいただきます

バナナを抹茶プロテインとあわせたドリンク。クリーミーでマイルドな味わいですが、抹茶テイストで意外とさっぱりしています。うん、美味い!

店員さん曰く「うちのプロテインは、飲みやすさを追求しています」とのこと。そして、この1杯で、プロテインが「26.8g」もとれます。「女性のたんぱく質の1日の推奨摂取量が50gといわれていますが、半分程度がこれでとれます」(店員さん)。人工甘味料、香料、着色料、保存料は不使用という品質にこだわったヘルシーな1杯です。

何よりもおもしろいのが、店内に、フィットネスバイクや体幹を鍛えるバランスボールが置かれていること。実際に、フィットネスバイクのペダルをこぎながら、ドリンクを飲んでみましたが、これは、楽しみ方としては充分に“アリ”です。バランスボールも、わりと安定していて、くつろげました。

フィットネスバイク


椅子として使われているバランスボール


FLUX CAFE

水たばこ「シーシャ」を楽しむ 「chotto」

シーシャの喫煙具

FLUX CAFEからほんの少し離れた2階の一角にあるのが、シーシャカフェの「chotto」です。ミュージシャンやダンサー、フォトグラファーら分野の異なる「表現者」たちがスタッフを務める下北沢らしいお店です

シーシャとは、水たばこのこと。中近東で発明されたと言われています。水パイプという喫煙具を使い、水をくぐらせた煙を吸います。

体験したのは、ノンニコチンのもの。ラズベリーとミントを合わせたフレーバーです。ゆっくり吸って吐いていると、たしかにリラックスできます。これなら非喫煙者も楽しめます。コロナ禍では店内の環境が気になる人は多いと思いますが、店員さんは「換気を徹底しています」と安全対策を強調していました。

chotto

絶品激辛カレーを味わう 「SANZOU TOKYO」

カシミールカレー。やわらかいチキンが入っています

最後に味わったのは、カレーの飲食スペースとギャラリースペースで構成された「SANZOU TOKYO」(1階)の看板メニュー「カシミールカレー」(税込み1000円)です

このお店では、千葉・柏で熱狂的な人気を誇る「カレーの店ボンベイ」のコウイチ・イソノが手掛けるスペシャルなカレー6種類が味わえます。

出てきたカシミールカレーは、スパイシーな香りを放ち、いかにも辛そうです。さらっとしたカレーをまずは一口。口の中に“電流が走りました”。とにかく辛い! 汗が吹き出します

試食は、ミニカレー程度の分量でしたが、時間をかけてなんとか食べ終えました。ただ、辛いのは辛いのですが、カレーは肉や野菜の旨味がぎゅっと詰まった感じで、美味いです。これは、クセになる辛さです

お米は、「山形産はえぬき」。小粒で、さらっとしたスープのようなカレーにからみやすいために、使っているそうです。カレーは、玉ねぎを焦げる一歩手前まで炒め、スパイスを加えて1日程度寝かすなど手間暇をかけた逸品。鶏ガラスープや、ジューサーにかけたりんごやじゃがいも、にんじんなども入っており、コクがあって、深い味わいです。

店員さんが「また、食べたくなりますよ」と帰り際に声をかけてくれましたが、確かに、翌日にはあの辛さと味がなぜか恋しくなりました。ちなみにこのカシミールカレーよりも、辛いのが「デスバレーカレー」(1100円)。店員さん曰く「カシミールカレーの倍以上は辛い」らしいです。

ギャラリースペース

「下北線路街」 東北沢~世田谷代田の1・7kmの線路跡地を開発

reloadの2階から下北沢駅方向を眺める

下北線路街は、小田急線「東北沢駅」「下北沢駅」「世田谷代田駅」の地下化に伴い、この3駅間の線路跡地に生まれる新しい街。全長約1・7km、敷地面積は2万7500平方メートルにもなります

開発テーマは「支援型開発」。「何かを変える」のではなく、開発を通じて「街を支援する」との想いが込められているのだそうです。そして、コンセプトは「BE YOU.シモキタらしく。ジブンらしく。」。「であう」「まじわる」「うまれる」という3つの要素で、支援していくとしています。

飲食店やセレクトショップなど多種多様なお店が駅周辺にひしめき、演劇の街としても知られる東京の若者文化を牽引してきた人気エリアの魅力を、未来につなぐ役割を果たすのがねらいです。

小田急電鉄の担当者によると、全体の約8割がすでに開発済み。東京農大のオープンカレッジやアンテナショップ、地域密着のカフェレストランなどが集まった「世田谷代田キャンパス」、温泉旅館「由縁別邸 代田」、メゾネット型のテラスハウス賃貸住宅「リージア代田テラス」、下北沢駅の商業施設「シモキタエキウエ」などが既にオープンしています。2021年度中には開発エリアは9割ほどに達する見込みです。

撮影・文/堀晃和

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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おとなの週末Web編集部 堀
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