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 市民の手で発見・再生! 廃線トンネルの中のビアホールへ〜あいち冷やし旅3〜

市民の手で発見・再生! 廃線トンネルの中のビアホールへ〜あいち冷やし旅3〜

「愛岐トンネル群」なる廃線トンネル群をご存知だろうか? 愛知県春日井市。市民有志の手によって、歴史の闇の中から再発見され、今なお保存再生活動が続くレトロな赤レンガのトンネル群。そこで、期間限定の「森のビアホール」が開催されるという。うーむ、なんとも心惹かれる話じゃないか。

perm_media 「愛岐トンネル群」を写真でチェック! navigate_next

3号トンネルを前に再生秘話を聞く

JR中央本線にて名古屋から約40分の定光寺が最寄駅。この定光寺駅自体が、ゴロゴロした岩場も印象的な庄内川の崖っぷちに張り付く“秘境駅”と言わている、そんなロケーションに「愛岐トンネル群」はある。

「愛岐トンネル群」の入り口

まずは「森のビアホール」開催場所ともなる3号トンネルの入り口に。

不思議な存在感。馬蹄形の綺麗なアーチを描く赤レンガが美しい。時を感じさせる少しくすんだような色合い。それが精緻に堅牢な建造物を構成している。周囲は樹木の緑に囲まれ、涼やかに風が抜ける。側壁はイギリス積、天井アーチは長手積工法で建設されているそうだ。

実はこの愛岐トンネル群、つい15年ほど前までは歴史の中に埋もれ、人々の記憶の中からも忘れ去られていた。それを発見し、保存再生に携わってきたのは、市民有志のボランディアからなるNPO法人「愛岐トンネル群保存再生委員会」だ。

トンネルを目の前に、その事務局長・村上真善さんにお話を聞いた。再生へのそのストーリーがまたいい。なので、そのストーリーも含めて紹介しよう。

40年間藪に眠っていたトンネルをついに発見!

愛岐トンネル群は、廃線となっている軌道上に、当時のまま残されたトンネル群(13基現存)だ。

今はないその鉄道とは、1900(明治33)年に名古屋〜多治見間を繋いで開通した国鉄中央(西)線。「殖産興業」の時代から、戦後の高度経済成長期初期まで、それは経済発展の大動脈として存在し、そこには、力強く煙を吐く、SL機関車が行き交っていたのだ。

しかし、戦後の高速・大量輸送の時代を迎えると、複線化、電化と長大トンネルによる新線が建設されることになる。1966(昭和41)年、高蔵寺〜多治見間、8kmあまりの軌道敷とそのトンネル群はついに廃線に。レールも枕木も撤去され、廃線路はいつしか茂った藪の中に埋もれ、人々からも忘れ去られてしまったのである。

歴史の闇に沈んだ廃線トンネル群。それが発見されたきっかけは、2005(平成17)年、JR勝川駅の高架化改修工事が行われたこと。この工事で、残っていた明治の赤レンガ土台のプラットホームが撤去されることになった。

その貴重な赤レンガを町おこしに再活用しようというイベントで、「そういえば……」と地元の古老が定光寺駅付近にあった赤レンガのトンネルのことを語ったのだ。

その話をきっかけに探索を開始。約半年間、市内を駆けずり回って、ついに崖の上の廃線跡らしき藪の中にトンネルは発見された。「それを目にしたときの震えるような感動は、今でも古参会員の語り草」ということだ。

ついに一般公開されたトンネル群

2007(平成19)年には、市民有志による「旧国鉄トンネル群保存 再生委員会(平成21年にNPO法人愛岐トンネル群保存再生委員会に)」を結成し、発掘と調査を開始。

当初、長く放置された廃線跡には、直径30cmを超える樹木が育ち、鬱蒼とした藪は5人がかりで1日5mも進めないほどの密林状態。「がむしゃらにヤブ漕ぎで前進する、探検もどきの活動」だったという。

なんとか安全に人が歩けるようになるまで1年あまり。活動が本格化するとともに、トンネル群の価値は多方面に認められ、経済産業省「近代化産業遺産」認定など注目を浴びるようになった。また、2014年には、ナショナルトラストにより敷地を取得。2016年には登録有形文化財にも認定されている。

同委員会によって保存再生活動が行われてきたのは、トンネル群のうち、愛知県側の3〜6号トンネル1.7kmの区間。現在も保存再生活動が続く中、毎年春と秋には一般公開され、現在まで延べ30万人が訪れている

多治見口から見た6号トンネル

実際に足を運んでみると、一つひとつていねいに手を入れて大切に再生されてきたのがよくわかる。

300本もが自生するというモミジの群生林などをはじめとする豊かな植生が生かされ、その一方で、公開時には多くの人で賑わうマルシェ広場や、コンサートも開かれるレンガ広場なども整備。

日本初の動くSL動輪。子どもでも自転車ペダルで簡単に回転できる

もちろん、歴史的な建造物である各トンネルは、いたずらに手を加えられることなく、その重厚な風合い、存在感を放っている。

そしてタイムスリップできるビアホール開催!

さて、「森のビアホール」だ。この愛岐トンネル群3号トンネル周辺にて、2021年7月22日〜8月29日の土・日・祝、全15日間(開催日は変更の可能性あり。HPにて確認を)にビアホールが開催されるのだ。

3号トンネル内でも楽しめる

トンネル内は冷んやりとして、中に入ると外気とは10℃くらい違う。当時のままの赤レンガ空間でタイムスリップしたような感覚を覚えながら、味わうビールが旨い。つまみには炭火焼きや鮎の塩焼き、そして春日井市名物というサボマ(サボテンと豚肉の串焼)なども!

さまざまな料理とビールを飲みながら見るトンネルもいい!

毎回各部定員60名の2部制で、専用サイトでの事前予約制。そんな時間を味わいたい方はぜひ。

■森のビアホール
[住所]愛知県春日市玉野町(愛岐トンネル群3号トンネル周辺)
[電話(問)]0568-81-4141(春日井商工会議所内 春日井市観光コンベンション協会)
[開催日]2021年7月22・31、8月の土・日・祝
(最新の開催日はHPにてご確認を)
[営業時間]第1部13時〜14時半、第2部15時〜16時半(webページにて要予約

撮影/西﨑進也 取材/池田一郎

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。
このグルメ記事のライター
池田一郎

ワインと日本酒、ウイスキー、ジンに泡盛……って、あまねくお酒と食べることが好きな本誌ライター。昭和生まれ、海辺育ち。近頃はロングライドで自転車に乗り、山登ったり、焚き火が好きだったりと野にかえりつつある。お茶と汁なし坦々麺も好き。焚き火料理修行中。

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