清水焼団地には60を超える京焼・清水焼関連業者が集まる。『TOKINOHA』のような工房兼ショップもあるが、多くは工房のみ。
清水寺周辺、東山五条交差点のすぐそばにある若宮八幡宮。陶器神社としても知られる。
五条坂の中ほどから清水寺に向かう参道「茶わん坂」。五条坂で店を営む「茶碗屋久兵衛」は「金・赤・青」を彩色した陶器をつくり、清水焼の名を冠したとされる人物。その名が坂の名前に。(清水寺周辺)
〈TOKINOHA〉の店舗&工房はひと際目立つ。おいしいスイーツが出てくるカフェのよう。
パープルとブルーで展開される〈Copper〉は、ざらりとした手触りで存在感のあるシリーズ。トールカップ各4,180円(税込)。パープルは店頭限定販売。
どんな料理にも合うシンプルな〈shiro-kuro〉は、「料理を盛ることで完成する」というトキノハのコンセプトを一番強く感じさせる。豆皿は全種を集めたくなるかわいさ。各1,430円(税込)。
ゴマのような小さな黒い斑点が特長の〈sesame〉シリーズ。アイボリー、グレー、マスタードの3色で展開。大皿7,920円、中皿5,060円、小皿3,300円(すべて税込)。
アミューズなどコースの最初の一口を乗せる器として好まれる、高さのある台皿。器が主張しすぎず、存在感もある。〈素―siro〉で過去に制作した器のアーカイブ。
フチが特徴的なボウル。これも清水焼の自由な世界。〈素―siro〉で過去に制作した器のアーカイブ。
京都とオーストラリアのレストランに採用された、通称「ふにゃ皿」。一見使いにくそうだが、料理が映えると評判がいいそう。〈素―siro〉で過去に制作した器のアーカイブ。
自然光がたっぷり入る店内。『TOKINOHA』の焼き物の魅力である釉薬の色ムラもくっきり浮かび上がる。
2階のギャラリーは、サイズや色、素材感など、テイストの異なる陶器が並ぶ。レストランや料理人らプロのフルオーダーのほか、『TOKINOHA』メンバーズになるとセミオーダーが利用できる。
工房も明るい空間。“薄暗くてほこりっぽい、夏は暑く冬は寒い”。それでよしとする環境を変えたかった。
「飾るためでなく、使うための器をつくるほうが性に合っている」と清水さん。料理が盛られて完成するようなシンプルさを心掛ける。
特注皿の素地に色付けをする。釉薬の発色は窯の酸素量にも影響されるため、同じ釉薬を塗ってもまったく違う色に仕上がることもある。
「電動ロクロ体験」(8,800円・税込)は40~50分の器づくり。丁寧にレクチャーしてくれるので初心者や子供にも安心。完成品は後日送付(2ヵ月程度)。
「楽焼体験」(8,800円・税込)は約1時間の色付け体験。釉薬の厚みや、いぶしの違いで、出来上がりもさまざまに。その日に持ち帰ることが可能。体験予約はともに前日の15時まで。
塗り終わったら専用窯で10分程度の焼成。火バサミで取り出し、新聞紙でくるみ“いぶし”の作業へ。
『TOKINOHA』の釉薬はすべてオリジナル。清水焼ではつくり手が自分で釉薬を配合するのが一般的だとか。
塗ったときの色と焼き上がりが異なる、釉薬の色変化を味覚で体感する〈トキノスミ〉(770円・税込)。液体は真っ黒でも味は赤い(!?)炭酸飲料。
粘土を飲むような体験ができる〈トキノドロ〉(880円・税込)。ドリンク袋の隙間に粘土が詰められ、それをグニョッグニョしながら飲む。中身が見えずドキドキするが、中は粘土の食感を表現した甘いソイプロテイン。
2011年にこの地に工房を開き、同じく陶芸作家である奥様の友恵さんと夫婦合作からスタート。