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京都市内だけを巡って、帰路に着いていたあなたへ。古都の北と南、千年の都を支えてきた山々と川の向こうには、さらなる美味と豊かな自然、悠久の歴史が眠っています。新たな京都と出会いに、いざ森の京都、お茶の京都、海の京都へ。 今回のテーマは、「海の京都」前編です。意外にもあまり知られていない海の京都は、歴史ある佇まいと良港が育む美食が自慢の地。知られざる京を求めて、いざ。

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東と西、ふたつの顔を持つ舞鶴で、歴史も食も満喫

『舞鶴赤れんがパーク』の一角にある高台に登ると、舞鶴湾が一望できる。周囲を400m級の山に囲まれ、複雑に入り組んだリアス式の地形。空を映し込み穏やかな表情を見せる湾は見るからに良港だ。

眼下には赤れんが倉庫群や海上自衛隊の護衛艦も見える。潮風に吹かれてボーッとするだけで気持ちいいが、まずはここに立てば、舞鶴の空気感や積み重ねられてきた時間が感じられるはずだ。

舞鶴の特に東は、明治以降、海軍の町として発展を遂げた。明治34(1901)年、横須賀、呉、佐世保に続き、舞鶴に鎮守府(軍港に置かれた海軍の本拠地)が開庁。それまで鄙びた寒村だった東舞鶴は一気に近代的で異国情緒あふれた街になっていく。

『舞鶴赤れんがパーク』には明治から大正期、海軍倉庫として造られたレトロな赤れんが建造物が今も12棟残っている

そんな“らしさ”を満喫するのにおすすめなのが、「海軍ゆかりの港めぐり遊覧船」だ。海から巡る海軍ゆかりのスポット、そしてイージス艦はじめ、海上自衛隊北吸桟橋に停泊する護衛艦などが次々と至近距離に!いやはやカッコイイぞ。

が、舞鶴湾のお楽しみはもちろんそれに留まらない。入り組んだ地形と周囲の山々から流れ込んだ栄養――ご想像の通り、漁場としても恵まれているのだ。

そこで向かったのはかき小屋の『美味星』だ。ここは地元の若手漁師たちが運営。彼らが素潜りで採った“天然”の真牡蠣が食べられるのだ。大きな鉄板の上に並べられた牡蠣に蓋をして豪快に蒸す。

蒸しあがった牡蠣からは、おお〜!潮の香りが上がり、なんとも濃厚。じゅわわわ〜と旨みが押し寄せる。ちなみに夏場は岩牡蠣に変わり、海鮮バーベキューを楽しめる

ミネラルを含んだ清水が流れ込む湾で育つ天然の真牡蠣は2〜3年ものもあり、肉厚で惚れ惚れするほど濃厚。10個2000円。同じく天然のサザエやアワビなども 

舞鶴の西はかつて城下町として栄え、港町として賑わったエリア。東とはまた別の落ち着いた佇まいもいい。その雰囲気も楽しみつつ、地元の食材や地魚を中心とするイタリアンの『アメイロ ビストロ アルル』へ。これも港町ならではの楽しみだ。

〆に向かったのは西舞鶴の『魚源』。ここには仲買人である代表が仕入れた舞鶴漁港直送の魚介が揃う。厚めに切られたピカピカのお造りで一杯。く〜、舞鶴、たまらないのである。

舞鶴湾かき小屋 美味星(おいすたあ)/舞鶴市

[住所]京都府舞鶴市下安久無番地552-6
[電話]080-6166-1158
[営業時間]70分入替え・完全予約制・11時〜15時10分(日16時40分、土19時40分)
[休日]月〜金(祝は営業)
[交通]西舞鶴駅前から京都交通バス五老ヶ丘公園方面行き広小路下車、徒歩20分

舞鶴赤れんがパーク/舞鶴市

[住所]京都府舞鶴市北吸1039-2
[電話]0773-66-1096
[営業時間]9時〜17時(各施設により異なる) 
[休日]年末年始
[交通]JR東舞鶴駅から徒歩15分

アメイロ ビストロ アルル/舞鶴市

[住所]京都府舞鶴市魚屋252-2
[電話]0773-76-6661
[営業時間]11時半〜15時(14時LO)、18時〜22時(21時半LO)
[休日]不定休
[交通]JR西舞鶴駅から徒歩17分

魚源(ととげん) 西舞鶴店/舞鶴市

[住所]京都府舞鶴市字引土263-18
[電話]0773-77-5534
[営業時間]11時〜14時、17時〜23時
[休日]木
[交通]JR西舞鶴駅から徒歩3分

撮影/鵜澤昭彦、取材/池田一郎

※データは、2022年4月号発売時点の情報です。

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おとなの週末Web編集部
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