比叡山へ続く叡山ケーブル・ロープウェイ「ケーブル八瀬駅」や瑠璃光院からすぐの高野川沿いに建つ。鳥のさえずりや川のせせらぎが心地よい。
ゲストルームは40平米以上の広さで、高野川や苔庭に面した4つの部屋タイプがある。大きな窓を開けると清涼な空気と八瀬の季節の移り変わりを楽しめる。
館内のいたるところで自然素材を用いたプリミティブモダンなアートに出合う。
八瀬の小原女(おはらめ)文化を象徴する“炭化した薪”をイメージした「炭蒸」。外気浴のための坪庭も付いている。
ヒノキの香りに包まれる「檜蒸」のサウナ室。木製の背もたれは移動可能で、壁にもたれて足を延ばすこともできる。
ヒノキの香りに包まれる「檜蒸」のサウナ室。木製の背もたれは移動可能で、壁にもたれて足を延ばすこともできる。
「美蒸」は全面タイル貼りのミストサウナ。コラーゲンライトを採用し美容効果に特化した。
野菜を軸にメニューを構成するため、ディナーコースは「季節替わり」ならぬ「畑替わり」。写真は料理長の佐野良輔さん。
丁寧に火入れした京赤地どりは衣をつけて焦がしバターでカリッと仕上げる。金時人参、菜の花もそれぞれ薪火で炙りうま味を引き出した。
薪は美山のナラ材で薪割りもキッチンスタッフの仕事。薫香をまとった野菜は記憶に残る味わいだ。
オープンキッチンをぐるりと囲むカウンター席はマホガニーの一枚板。このほか庭に面したテーブル席や個室がある。
八瀬の上流にある大原のつくだ農園からおまかせで届く旬の野菜。畑で採れる野菜に合わせてメニューも変えていく。
「養生朝食」は亀岡のお米を炊いたおかゆに柚子餡をかけた湯葉餡かけ。朝の胃袋に優しく染みわたる。
4席のカウンターでお茶を提供する〈帰去来〉。目の前に広がる庭の景色や美しい道具を眺めているだけでも楽しい。
〈hahahaus〉の養生茶、〈小慢(シャオマン)〉の中国・台湾茶、〈一保堂〉の日本茶を用意しており、茶器や道具類は現代作家の作品を使用している。
茶葉によもぎや菊、柿の葉など生薬をブレンドした滋味深い養生茶。東洋医学のひとつ「気・血・水」をもとに問診で体質にあったお茶を選んでくれる。
琥珀糖や焼き菓子など、ホテルメイドの小さな菓子が添えられる。
就寝前のナイトキャップには薬酒を用意。一保堂のいり番茶を漬けた自家製ジンに護王神社のカリン酒、保命酒の3種がセットになっている。
ギャラリーのようなショップでは、帰去来で使用している茶器や、薬膳茶・中国茶等の茶葉、アメニティのコスメなどを販売している。
日本庭園には高野川の支流を引き込んだ小川があり池には鯉が泳ぐ。6月頃には周辺で蛍の姿を見ることもあるとか。