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県民に聞いた!ご当地自慢のグルメ・お土産

ご当地自慢 by 白央篤司/2014年9月13日

県民に聞いた!ご当地自慢のグルメ・お土産
第23回

石川『加賀麩』

 今回は石川県の方に教えていただいた「加賀麩」をご紹介します。お麩、みなさんは馴染みのあるものですか?
 日本でも地域によって食べるところ、あまり食べないところと差のある食材ですが、金沢~加賀地方の方々にはとても身近なもののようですよ。

細工麩・車麩・すだれ麩、お麩もいろいろ

『加賀麩 不室屋』の「秋の野」(写真左/972円・税込)。秋の花をかたどった細工麩と、お湯を注げばお吸いものになる「宝の麩 照葉」のセット。もみじの形の「ふやき」(モナカの皮のようなもの)をお椀に入れてお湯を注げば、菊の花や舞茸など秋を感じさせる具材と共に、上品なお吸いものが出来上がります(写真右)

「よく差し上げものにするんですよ。梅や桜の花びらがかたどってあったりして季節感がありますし、保存もききます。お湯をそそぐだけで味噌汁や吸いものになる『宝の麩』、お味もいいんですよ」
 そんな声がよく聞かれた、『加賀麩 不室屋』さんの麩商品の数々。創業は慶応元年(1865)という老舗です。
 
 麩とは小麦粉のたんぱく質(グルデン)を練り固めたもので、生麩、焼き麩、揚げ麩、乾燥麩と様々な種類があります。
 宮城県の「仙台麩(油麩)」、新潟下越地方~北陸にかけての「車麩」、滋賀~京都にかけての「丁子麩」などが有名で、これらの地域ではよく食べられているようですね。また沖縄にも麩食の文化があり、『麩チャンプルー』という料理がポピュラー。
 そのほか、あまり食べられていない地域でも、「すき焼きのときに入れる」「たまにお吸い物に入っていた」という声はよく聞かれました。

 石川県南部も麩をよく食べる地域ですが、『加賀麩 不室屋』さんの麩製品の美しさはまた格別でした。トップ画像は「細工麩」と呼ばれるもので、小花、松茸、手毬などがモチーフとなり、折々で料理に季節感を添えてくれるもの。かつて、加賀藩の城下町として栄えた歴史が感じられます。
『故郷レシピ』の石川県の回でも紹介した「治部煮」にも、「すだれ麩」という筋目の入った平たい麩が欠かせません。
 それ自体には味のない麩という食材。ちょっとした意匠を料理に加えたり、出汁のうま味を味わうための存在ですが、郷土性が強く表れる食材のひとつなのです。


●文:白央篤司(はくおう あつし)/
東京都出身。フードライター。大学卒業後、編集者を経てフリーに。本誌『故郷レシピ』『死なないレシピ』を始め、食記事・レシピ記事を手掛けつつ、日本酒やアジア料理のイベントを企画している。


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<次ページへ続く>

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