堀切菖蒲園・編集武内、青砥・ライター池田、曳舟・ライター白石と、「おとなの週末2024年4月号」にて、「京成線飲み歩き」取材を敢行した編集スタッフたちによる座談会。果たして、ポスト立石はどこだ?
地元愛をつまみに酒を楽しむエリア揃い
武「京成線が通る葛飾区や墨田区は普段、あまり取材に来ないエリアです。今回はリサーチや取材で何度も足を運びましたが、いかがでしたか?」
池「青砥は、同じ下町でも浅草のような観光地じゃないし、隣の立石みたいに外からの客中心で、どこか地元飲み感がやや薄いのとも違う。どこの店に行っても地元のお客さんが飲んでいることが多くて、青砥に来たんだって感じが濃かった」
白「京成だけじゃなく東武も含めた曳舟駅周辺は元気で明るいお年寄りが多い印象でした。親子や三世代でやってる店も数多く、街全体が親戚の家に来たような感じの街でしたね」
武「堀切菖蒲園は青砥に近いのかな。地元の人が営む店で、地元の人が飲んでる感じ。そういえば、堀切生まれで堀切育ちという人にやたら出会いました。堀切はなんでも揃っていて暮らしやすく、他に出ていく理由がないんだそうです」
池「どこも地域密着感が強い」
武「でも、飲食店の傾向には違いがありますよね。堀切はラーメン特集号で紹介したようにとにかくラーメン店が多い。あとはもつ焼きと焼肉店が多い印象です」(「堀切菖蒲園駅のラーメン店15軒、全部食べてみた」記事はこちら)
池「青砥にもそういう店はあるけど、魚の旨い店が多かった。イワシ料理の店があったり、実は寿司屋も多くて。足立市場から仕入れた鮮度抜群のやつを、かなりお得に食べさせてくれるんですな」
武「安さなら負けてません。『きよし』なんて、毎日でも飲みに来てほしいって、つまみの最高値が500円!」
白「へぇ。ふたりのエリアに比べて京成曳舟駅周辺は、飲食店の数が少ないんですよ。でも、西に数分歩いた東武線の曳舟駅周辺には細い路地の飲み屋街が残っているし、取材させてもらった『七々』や『とよ多』の2店舗のように雰囲気も味もいい居酒屋が点在してました。(「曳舟駅の居酒屋」記事はこちら)
あとは個性的な喫茶店が多いし、『大道芸術館』のような、下町ならではのユーモアやアイデアが面白いところも」
武「3エリアとも安くて旨い店が揃ってるわけですね。じゃ、逆にムムムと首を捻ったところってありますか?」
池「あえて言うなら、割と終わりの時間が早いところかな。夜10時を過ぎると寂しくなる」
白「こっちもです。店主も飲み始めたり、疲れてしまうと営業時間中でも暖簾を下げちゃったりと、自由すぎる(笑)」
武「立石の再開発が進んでいて、名店がいくつもなくなりました。じゃあ俺たちはこれからどこで飲めば良いんだ!?ってことで今回の企画がスタートしたわけですが……」
池「このエリアが立石に近い!って感じじゃなく、いろんなエリアに足を運び、微妙に違う様子も含めて楽しみたい」
武「魚介なら青砥、肉と焼酎ハイボールなら堀切、お酒以外も楽しみたいなら曳舟って感じで、使い分けてもいいし」
白「店主も常連さんも気さくで、一見でもきっと楽しい時間が過ごせるはずです」
武「上手くまとまったので、堀切で飲みませんか?」
池「いや、青砥にいい寿司屋があるんで、そこにしよう」
白「何言ってるんですか!曳舟の居酒屋で飲んだあと、スナックでカラオケですよ」
武「我々はちっともまとまってないじゃないですか!」
文/編集部、撮影/浅沼ノア(大道芸術館)、橋本真美
※2024年4月号発売時点の情報です。
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