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夕暮れ時から谷根千は違う顔を見せる。観光客やスイーツ目当ての人たちがいなくなり、美酒佳肴を求める人々が煌々と灯りがともる個性派店に集まるのだ。 ここ数年、谷根千に新風を吹き込む魅力的な店が増えています。創作フレンチから気軽な中華、居酒屋まで、地元住民も注目する新店を徹底調査。散策の夜をおいしく楽しく盛り上げてくれること間違いなし

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野菜の栽培過程をストーリーにしたコース『柔菜(やわらな)ハタウチ』@根津

白状すれば、野菜がこれほど料理の主役になるなんて思いもよらなかった。組み合わせを工夫したり、粉末にしてタルト生地にしたり、味の要となるソースにしたり。その個性と未知の可能性を創作フレンチに昇華させる店主・松尾さんの世界観に感心。

おまかせ4品コース4500円(月替わり・取材時は3月の内容)

『柔菜(やわらな)ハタウチ』【右手前】ハタウチ(土づくり)赤水菜、春菊、ミニトマト、八朔のサラダ・【右奥】野菜のお引越し(定植)ルッコラクリーム、せとか、ホタテの玉葱タルト・【左手前】種まきそら豆、グリーンピース、島らっきょうのオイル煮・【左奥】柔土う(中耕)菜花、のらぼう菜のポシェ、コブミカン葉 野菜が育つ過程をコース料理で表現。例えば「種まき」を表現した1品は野菜の種のそら豆などを自家製の香味油でオイル煮に。産直野菜は飛騨高山など各地から。生産者との交流も大切する

ある客が「薬膳のよう」と称したのも納得、どれも旬の素材力がすーっと細胞に浸透するような滋味深さがある。もちろん肉や魚も使うのだが、なぜ主軸が野菜なのか。

聞けば家庭菜園をやっていた祖父母の影響で幼少期から好きだったことが原点とか。生産者が丹精込めて作ったその力強いおいしさを栽培の裏側と共に伝えたいと、コースでは「土作り」から「収穫」までの過程をひと皿ずつ独自の料理で表現する。和のダシ使いで旨みを引き出すなど実は和食出身の技を生かした味は軽やか。食べ疲れず、体の芯から元気になる。

おまかせ8品コース7700円

『柔菜(やわらな)ハタウチ』【手前】栄養のバランス(追肥)ラムの肩三角、行者ニンニク、セリ、ベビーリーフ・【奥】自家製すじ青のりパン1個300円 炭火で焼いたラムは行者ニンニクのピュレと柿酢を合わせた味付け。塩漬けのセリが食感と味のアクセント
『柔菜(やわらな)ハタウチ』スタッフ:相馬一文さん(左)、店主:松尾裕さん(右)

スタッフ:相馬一文さん(左)、店主:松尾裕さん(右)「常に新しい挑戦を。4月からは土日限定ランチも!」

『柔菜(やわらな)ハタウチ』

[店名]『柔菜(やわらな)ハタウチ』
[住所]東京都文京区根津2-12-13富田ビル1階
[電話]080-2503-8087
[営業時間]17時~24時(23時LO)
[休日]水曜日
[交通]地下鉄千代田線根津駅1・2番出口から徒歩2分

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いい塩梅の上方料理と素直な酒に心和む『さかなのさけ』@根津
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