平日と侮るなかれ! 『アンミラ』との別れを惜しむ人の来店多数
6月中旬に『アンナミラーズ』(以下、『アンミラ』)高輪店の閉店が発表されてから、店は毎日大盛況だともっぱらの噂。そのため、店内利用・パイのテイクアウトともに整理券配布、店内利用は90分制(1組4人まで)、パイは10時と18時の2回のみ販売(店内飲食、テイクアウトともに)というシステムになっている。
混んでるとはいえ、平日ならば空いているはず。開店の9時より1時間くらい早ければ大丈夫でしょ! 7月下旬、8時に到着……した筆者は16人目。想像以上に多い。幸いにも先頭集団はグループ客が多かったため、筆者は整理番号9。1巡目に入店できた。
あさイチの入店なら、アメリカンなモーニングを楽しもう!
1巡目の店内利用での食事は[朝食]になる。ならば、トーストとパンケーキが同じ皿の上にのる、いかにもアメリカンなモーニングが食べたいところ。事前にネットで確認し熟考して決めた、「ファーマーズブレックファスト」(1210円)を迷わずオーダー。
添えられたホイップクリームは、パンケーキが温かいうちにオン。アメリカっぽい甘さを楽しむべくシロップはすべてかける。シロップがしみた部分と溶け出したホイップクリームで、パンケーキの美味しさが倍増。カットしたベーコンを合わせると、甘じょっぱく、アメリカのダイナー感が増して筆者は大満足だった。
卵を3つは使っている? 思いがけずボリューミーなスクランブルエッグは、ふわふわ。セントラルキッチンではなく、注文ごとにキッチンで作っているのだろうか? ホテルメイドの朝食レベルのクオリティだ。
食べている途中で、店員さんが「コーヒーのおかわりいかがですか?」とテーブルをまわってきた。飲み物はドリンクバーでセルフが当たり前になり、すっかり記憶の彼方になっていたサービスに気分が上がる。実は、このコーヒーおかわり無料サービスは、日本では『アンミラ』が最初にはじめたという。
白いブラウスにオレンジやピンクなどのエプロンとミニスカートを組み合わせた制服の店員さんが、コーヒーポットを片手に席をまわる。オープン当時の70年代、日本は個人経営の喫茶店が主流だった。アメリカ映画の中のダイナーが日本で体験できた『アンミラ』は、当時はさぞ新鮮だったに違いない。