「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎
第4回の今回は、仕事でもプライベートでも、多かれ少なかれつきまとう「不安」の正体について。
[今回のお悩み]
「一人暮らしは充実しているが、病気を機に、将来への不安が浮き彫りになってしまいました」
私はバツイチ歴9年です。
一人暮らしは充実してるし、今となってはよく他人と暮らしてたなぁと思うぐらいです。
そんな中、去年、癌が見つかり今年の1月に手術をしました。
両親は他界してるので唯一の身内の姉には報告して、手術当日は付き添ってもらったんですが、もし、パートナーがいれば色々違ってたのかなぁと…。
ただ、今は一人の方が楽だし、他人と生活とか考えられなくて、仮にいい人が現れたとしても週末婚とか別居婚がいいなぁと思ったりして、でもそれは自己中心的な考えだから現実味はないと妄想を終える感じです。
友人が何かあったらいつでも連絡してねと言ってくれていて、本当にありがたいんですが、実際問題、身内じゃないと病気の相談は出来ないと実感しました。
病気のための予防線のためにパートナーを探すのも違うし、結婚はしたくないけど精神的な支えは欲しいなぁと思ったり…。
この先一人で大丈夫なのかとか、癌になって将来に対しての不安というかモヤモヤが浮き彫りになってしまいました。。
(埼玉県・40代・会社員)
不安は、自分自身の幸せを願う気持ちから生まれるもの
病気になると、心も弱ってしまいますよね。癌は性質上長く付き合っていかないといけない病気の分、精神的にも悩まされる時間は長いでしょう。
悩む種類は違えど、私もあれやこれや悩み苦しむ時間が長いので、僅かながらでも気持ちは分かってあげられるような気がします。
仕事やら何やら、何かしら腹の中に黒いものが蠢いている時間が長いので、そういう一撃では倒れないけれど、ボディーブローのように不安が続くと膝から倒れそうになる瞬間ってありますよね。
状況は違うけれど、不安だったりのモヤモヤした感情を誰かに頼ることなく自分で自己補完できれば如何に楽だろうか、と思う。
けれど、消化することができないから澱が心に溜まっていく一方。
誰かに頼ることができたら楽なんですけどね。お願いしたり弱い部分を他人に見せることって勇気が必要で難しいですよね。
私は本質的に見栄っ張りなのかもしれない。弱いと思われたくない、舐められたくない、という気持ちから、他人に心を開くことが苦手だ。
だから、相談者の方とは違うかもしれないけれど、誰かに話をすることができずに溜め込んでしまう。
世の中には貴方のような誰かに頼ることができない人間が沢山いるのだ。
貴方と同じような、モヤモヤを抱え続けている人間として、私の場合は不安に対してどのように接しているのか、参考になればと一縷の希望を込めて記しておく。
何故、不安に感じるか、私は私なりに自分の不安の正体を考えたんですよ。
どんな選択でも、どんな未来でも、不安は常に付き纏う。
それは、不安を感じてしまう性格だと言ってしまえばそれまでなのかもしれない。
けれど、何故、不安という感情が生まれてくるのか理由を掘り下げて考えてみると、不安は”自分の幸せに期待している”から生まれる感情なのではないだろうかと思う。
「このままでは自分の思った幸せを享受できないのでは」「幸せじゃなくなってしまうかも」という可能性から、不安になる気持ちが生じるのだ。
病気は確かに辛いし不安になるけれど、それは自分自身が無意識下で自分の幸せを望んでいるから。
別に、もうどうにでもなれ、と自暴自棄だってなれる訳で、そう考えると、意外と不安は感じない。
けれど、そうならないのは、自分が自分の幸せを願っているからなんですよ。
だから、不安であるのは確実に良いこと。
良いこと?と疑問に思うなかれ。自身の幸せを自身が願うことができるのは、当たり前のようで忘れがちで大切なことなのだ。
貴方は貴方が幸せになることを願っている証拠なんですよ。
不安は、良いことだと、もう割り切って感情と接していくしかない。
それでも、不安を抱えていくのは辛いですよね。
もうそうなったら、誰かに相談するという「心を軽くする方法」に、思い切って挑戦してみるのも良いと思います。
相談とは、自分の心を分け持ってもらう行為。誰かに相談することが何よりの解決法であるのは明白なので、私のように拗らせてしまう前に、思い切って誰かに話してみるのをお勧めしたい。
打ち明けた所で、何か変わる訳ではないように思うかもしれないけれど、確実に心が軽くなるんですよ。
相談をすることで、相手に迷惑が及ぶ可能性があると考えてしまうかもしれません。
けれど、他人は思っているよりも自分に興味なんて持っていないので、意外と話してみたら他人に不安を相談することなんてそこまで大ごとではないと感じるに違いない。
一歩を踏み出すのは難しいけれど、いざ踏み出して仕舞えば、こんなに楽で簡単なことだったのか、と。
モヤモヤを抱えていても、それでも明日はやってくる。
勇気を出せば、その明日を過ごす自分が少しでも健やかに過ごせるなら、手を打たないのは、自分の幸せを願う自分自身が可哀想ではないか。
私は相談をすることが苦手な人間なのでどの口が言ってるんだよ、という話なのだけれど。
近しい人間に、思い切って今の気持ちを相談して、モヤモヤを分け持ってもらえると良いですね。
人生一度きり。
少しでも健やかに過ごせることを祈っています。
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前田裕太(まえだ ゆうた)
1992年8月25日生まれ、神奈川県出身。愛媛県の名門、済美高校野球部の同期である高岸宏行とのお笑いコンビ「ティモンディ」のツッコミ担当。趣味はサッカー観戦、読書。テレビ番組で画力を披露したり、複数メディアでコラムを執筆するなど、マルチな活動で注目を浴びている。
ティモンディ
高岸宏行・前田裕太によるお笑いコンビ。コンビ結成は2015年、グレープカンパニー所属。高岸のポジティブなキャラクターや、二人の野球経験と身体能力などがバラエティ番組で引っ張りだこに。コンビの野球経験をいかしたYouTubeチャンネル『ティモンディチャンネル』の登録者数は約28万人。