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「目指せ、理想の大人」をメインテーマに掲げて始まった、「ティモンディ前田裕太の“おとな”入門」。自身の経験や見聞きしたエピソードから思考を広げてきた「コラム形式」から、次のステップへと進みます!
その内容は、「お悩み相談」です。これまで約1年半のコラム連載を通して、食・あそび・勉強・旅…と、様々なテーマで「(理想の)大人とは?」について考え、目指してきた (そしてこれからも目指していく)前田さん。その経験を生かした視点で、皆さんから寄せられたお悩み相談に答えていきますよ◎
第3回の今回は、何度経験しても難しい、「プレゼント、何あげる?」問題についてです。

[今回のお悩み]

「人に何をプレゼントすれば良いか悩み、結局無難なものになってしまいます」

前田さんに相談です。
私は人に贈り物をすることが好きなのですが、何をあげていいか悩み過ぎて結局無難なものにしてしまう癖があります。

親しければ一緒に買いに行くことも出来るのですが、サプライズで喜ばすこともしてみたいのです。

前田さんは贈り物をする時に心がけていることはありますか?

(秋田県・30代・女・パート)

「喜んでほしい」と期待することをやめよう

勘違いしないでもらいたいのは、贈り物なんて贈る側のエゴなんですよ。

貰う側が何が欲しいか明示して、それを買って欲しいとせがんでいたのならば良いけれど、基本的にプレゼントを渡すという行為は独善的な行為であることを忘れてはならない。

頭の片隅にでも残しておいてもらいたい。

相手に喜んでもらいたい、という比較的称賛されるべき感情だから誰も気に留めていないけれど、贈り物をするという行為は、相手に特定の感情になってもらいたいという自分勝手な感情を相手に押し付ける行為なんですよ。

というのも、プレゼントを贈ること関係なく、他人に対して見返りを求める行為というのは推奨されるべきものではないのは周知の事実だろう。

相手が喜んでくれると、自分は気分がよくなる。喜んでもらうと嬉しいと思う気持ちは理解できる。それを求めて人にプレゼントをする。

従って、喜んでもらうという相手の反応を求めてプレゼントをするのは一種の見返りを求める行為であるように思う。

つまり。
相手が喜ばなかったとしても、この品物をその人にあげたい、と思うのであれば、プレゼントをするべきだと思う。
あげたいから、あげる。

あくまでも自己完結の感情の上で物をあげるべきだと思う。

ってか、元々相手が欲しがっていた物をプレゼントするのもどうかと思う。

例えば、私が何か欲しいものがあったとして、それは誰かにプレゼントされて手に入れる物と、自分で頑張ってお金を貯めて手に入れた物だとしたら、後者の方が思い出になるし、手に入れた時の喜びは大きいんですよ。

まだテレビの仕事なんて無かった頃、ライブの隙間を縫ってバイトをしたお金を貯めて買ったNe-netのブルゾンがあるのだけれど、他のどんな高い羽織り物よりも、私の中では宝物になっている。

努力したからこそ手に入れることができた喜びってあると思っていて、だからその欲しがっていた物をそのままプレゼントする行為っていうのは、その自身で獲得する喜びを奪う行為でもあると思うんです。

無闇矢鱈に欲しがっているものをプレゼントする行為というのは場合によっては、他人の幸せを刈り取る行為であると認識しなければならない。

「前から欲しいって言ってたから」だなんてプレゼントされた日には、もし私であったら「自分で頑張って買った事実に価値があるんだろうが」と叱咤してしまうかも知れない。

品物は頂戴するけれど。

それに、実際に欲しいものをプレゼントされるととても嬉しいのだけれど。

また、他の側面での問題もある。

私が、大学時代にオニツカタイガーのスニーカーが欲しいと口にしていた時の誕生日、当時付き合っていた彼女が、私の好みに合うようなオニツカタイガーのスニーカーを見繕ってプレゼントしてくれたのだ。

とてもありがたいし、元々欲しかったから愛用するに決まっている。

ただ、そのプレゼントしてもらった日よりも前に、同じスニーカーを自分で買ってしまっていたのだ。プレゼントを開封して思ったのは「嬉しい」よりも「うわ」という動揺だった。

ありがとうと口にするけれど、内心、同じものを買っていることがバレたらどうしよう、という心配で胸がいっぱいになってしまった。いくら欲しい物でも同じ物を二足はそこまで喜ぶことはできない。

なぜ、プレゼントをしてもらった側が気を使わなければならないのだろうか。

それは、私を喜ばせようとピンポイントで商品を狙って渡してきたのだけれど、相手側が思っているほどの喜びが、私側にないからだ。

けれど相手を傷つけることはできない。

自分が欲しかったものを自分で買ったのに、なぜ気を揉まないといけないのだろうか。それは、やはり相手を喜ばせたい、という相手の願望がひしひしと伝わっていたからなのだろう。中途半端な笑顔で感謝を伝えるのみになってしまった。

ってか、プレゼントをもらった時の、リアクションというのが困る。

これは私の問題なのかも知れないけれど、どんな物でも私のことを考えてプレゼントしてくれたという事実は嬉しい。

けれど、その喜びをどう表現すれば相手に伝わるかも分からないし、リアクションが大袈裟にならないかどうかも心配になる。ああ、無理して喜んでいるな、と思われるのも嫌だし。

だから、渡してくれた時に、別にあげたいからあげています、というスタンスでいてくれれば、こちらも心置きなく素のリアクションをすることができる。

プレゼントをするときは相手に期待しない。

喜ぶことを期待してほしくもないし。

私の場合は、拗れた心のせいでプレゼントをする時にそのように考えてしまう。

そんな人間が世の中にはいるというのを頭の片隅に入れて、プレゼントをしてあげると良いと思う。

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担当編集者からのひとこと...
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ティモンディ前田裕太
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