旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■苦い?
正解:ウコン
難易度:★★★★☆
カレーには欠かせないスパイスです
ウコンは、ショウガ科に属する多年草で、英語では「ターメリック」と呼ばれています。カレー粉の主原料として知られているため、スパイスとしての印象が強いですが、実は古くから薬草としても重宝されてきた植物です。
原産地はインドや東南アジアで、熱帯性気候を好むため、日本では沖縄や鹿児島などの温暖な地域で栽培されています。
沖縄では「うっちん」と呼ばれ、琉球王朝時代には薬草として珍重され、専売制度まで敷かれていたほどです。
邪馬台国の女王・卑弥呼が中国の王にウコンを贈ったとする伝承や、江戸時代の八代将軍・徳川吉宗が朝鮮人参とともにウコンの栽培に挑戦したという逸話もあります。さらに、江戸の奇才・平賀源内が著した「物類品隲(しつ)」にもウコンが紹介されているなど、日本でも古くからその存在が知られていたことがわかります。
ウコンにはいくつかの種類がありますが、代表的なのが「春ウコン(キョウオウ)」と「秋ウコン(ウコン)」です。この二つは見た目や成分だけでなく、旬の時期も異なります。
春ウコンは春に花を咲かせ、4月~5月頃に収穫されます。精油成分やミネラルが豊富で、香りが強く、苦味もあるため、おもに健康食品や薬膳として利用されます。
一方、秋ウコンは10月~11月頃が収穫期で、クルクミンという黄色色素が豊富に含まれており、カレー粉や食品着色料としても使われています。一般的に「ウコン」といえば秋ウコンを指すことが多く、スパイスとしての用途が広いのもこの種類です。
乾燥させて粉末にしたものが一般的ですが、流通量は少ないものの、旬の時期には生ウコンが市場にも出回ります。
生のウコンが手に入った場合は、薄切りにして甘酢漬けにしたり、スライスして煮出してウコン茶にするのもおすすめです。
とくに甘酢漬けは、時間を置くことで苦味が和らぎ、保存性も高まるため、常備菜としても重宝します。
また、ウコンのシロップを炭酸水で割ってソーダにしたり、ヨーグルトにかけて楽しむという使い方もあります。



