旬の食材は食べて美味しいだけではなく、栄養もたっぷり。本コーナーでは魚や野菜、果物など旬食材の魅力をご紹介します。
さて、今回のテーマとなる食材は?
文/おと週Web編集部、画像/写真AC
■甘い
正解:サトウキビ
難易度:★★☆☆☆
天然のチューイングガム!?
サトウキビとは、イネ科サトウキビ属に分類される多年生の植物です。一見すると竹や巨大なススキのようですが、その茎の中には甘い汁がたっぷりと蓄えられています。
サトウキビの起源は紀元前の南太平洋、現在のパプアニューギニアあたりだといわれています。そこからインドへと伝わり、仏教の広まりとともに中国、そして日本へと渡ってきました。
日本に初めてサトウキビが持ち込まれたのは奈良時代、鑑真和上によるものという説がありますが、本格的に栽培が広まったのは江戸時代に入ってからのことです。
熱帯から亜熱帯にかけての温暖な気候を好むため、日本ではおもに沖縄県と鹿児島県の奄美群島が二大産地となっています。この地域は年間を通じて気温が高く、日照時間が長いため、サトウキビが光合成によって糖分を蓄えるのに最適な環境なのです。
とくに沖縄県では、耕地の3~4割前後を占めるといわれる主要作物で、地域の経済と文化に深く根付いています。
旬は、冬から春にかけての12月中旬~4月中旬頃です。とくに鹿児島県の南西諸島や沖縄県では、1月~3月が収穫の最盛期となり、この時期に新鮮なサトウキビの収穫や黒糖の製造が活発に行われます。
私たちが普段口にする精製された白砂糖は、不純物を取り除いて甘さだけを抽出したものですが、生のサトウキビや、それを絞っただけの汁には、ミネラル分や植物特有の青っぽい香りが含まれています。
口に含むと、まずは強い甘みが広がり、その後に独特のコクと、わずかな渋みが追いかけてきます。この複雑な味わいこそがサトウキビの魅力といえるでしょう。
食べ方については、産地ならではの楽しみ方があります。もっともポピュラーなのは、生の茎をそのままかじる方法です。
非常に硬い外皮を包丁や専用の道具で剥き、中の繊維質が露出した状態にします。その繊維を噛むと、中からジュワッと甘い果汁が溢れ出してきます。甘みを存分に味わったら、残ったカスは飲み込まずに吐き出します。
絞りたてのサトウキビジュースも格別です。産地の直売所では、専用の圧搾機に茎を丸ごと通し、その場で搾りたてを味わえる光景がよく見られます。
これにライムやレモンの果汁を少し加えたり、ショウガを足したりすると、爽やかな酸味と辛味が甘さを引き立て、南国らしいエネルギッシュな飲み物になります。




