全国区の知名度を誇る肉、魚はもちろん、野菜にフルーツ、そしてお酒まで、うまいもんが盛りだくさんの九州地方。今回はそんな食の宝庫・九州が誇る名物料理と産地直送の食材を使った美味をご紹介します。
【もつ鍋】壱岐牛モツのポテンシャルに身悶え必至!『博多もつ処 煌梨(きらり) 目黒店』@目黒
それは鍋に咲いた白い花。ひと口目から身悶えしたのがこのモツだ。プルンッと唇と舌に当たる感覚は、どこかライチの質感を想わせて、心地良いその弾力に歯をうずめると、純そのものの旨み、甘みがにじんできた。くどさや臭みは皆無。牛たちがのんびり青草を食む牧場の風景まで目に浮かんでくるようだ。
煌梨鍋(1人前)1980円
このモツの正体は長崎の離島で生まれ育った壱岐牛。出荷頭数がわずかなため、精肉だって都内じゃそうそうお目にかかれぬ代物なのに、希少な小腸を安定して仕入れることができるとは!
というのも、この店のスタート地点は本場の博多。東京に場所を移した今でも長い付き合いのある現地の問屋から一級品が届くというわけだ。また仕込みでは脂と皮を繋ぐ膜を取り除くひと手間も。こうすることで冒頭にある、えも言われぬ舌触りを生むのだそう。
さらに壱岐牛のタン焼きや、博多の味を揃えたおばんざいの盛り合わせなどの一品料理も上々で、鍋に挑む前の気分を盛り上げてくれる。
店長:江口寛樹さん「鍋の〆はラーメン、ちゃんぽん、雑炊などから選べます」
[店名]『博多もつ処 煌梨(きらり) 目黒店』
[住所]東京都品川区上大崎2-15-19MG目黒駅前2階
[電話]03-5422-9533
[営業時間]17時〜24時(23時LO)
[休日]無休
[交通]JR山手線ほか目黒駅東口から徒歩1分
【水炊き】水炊きと胡麻鯖二枚看板の本場を越える味『博多 徳』@浅草
もつ鍋と肩を並べる博多の2大鍋物のひとつが水炊き。その名作を浅草のはずれで見つけた。そもそも店主の徳永博史さんは福岡生まれで、本場でもこの鍋を作っていた料理人。
仕込みはスープ作りから始まる。鶏ガラをぐつぐつ炊くこと7時間。乳白色のそれを飲んでみれば、雑味のない澄んだコクがスッと舌に染み込んだ。鶏の滋味に満ちていて、それでいてクドくない。
そこに浮かべるのは「水炊きに抜群に合う」と彼が太鼓判を押す”はかた地どり”。骨つきの身にかぶりつけば、シャモに似た確かな歯応えから、とめどなく旨みがあふれてきた。食べるそばから栄養が身体の隅々まで行き渡り力が漲ってくる気分。
博多地鶏水炊き(1人前)2200円
そしてもうひとつの看板が胡麻鯖だ。福岡から早朝に出荷されたものが昼過ぎには店へと届く。ブリンッと舌の上で踊るような歯応えと爽やかな風味に、擦りたてのゴマやねぎの香りが寄り添って、身の輪郭がはっきり立ち上がる。そんな本場を超える味が東京の下町に潜んでいた。
店主:徳永博史さん「水炊きの〆は雑炊と素麺を用意しています」
[店名]『博多 徳』
[住所]東京都台東区西浅草2-25-7
[電話]03-5830-1577
[営業時間]18時〜翌1時(24時半LO)
[休日]不定休
[交通]つくばエクスプレス浅草駅A2出口から徒歩3分
【鉄板焼肉】福岡の隠れた人気者わんぱくな旨さに一発KO!『鉄板焼肉 大当り 本店』@経堂
モツ鍋、水炊き、豚骨ラーメンと、名物グルメが群雄割拠の福岡県。もちろんこれらは知られた存在だけど、ネイティブのソウルフードが鉄板焼肉なのだ。こちらは都内では数少ない、その専門店。
めし(みそ汁付)中200円、焼肉1人前半1490円
まず具材の豚肉とキャベツをラードで炒めてから熱々の鉄板へオン。味付けはほぼ塩のみというストイックさだ。
この料理を味わうには作法がある。
1.土台の端に専用の棒を挟んで傾ける。
2.鉄板に溜まった肉汁やキャベツのエキスが溶け込んだ油に特製の味噌を溶かす。
そうして準備が整ったなら、いざ!味噌をたっぷり絡めて挑んだ直後、一発KOされた気分。
豚のハラミやウデ部分の角切りは、ぎゅむっとたくましい食感で噛むほどに旨みがあふれてくる。同時にキャベツの小粋な歯触りと優しい甘みもやってきた。そしてこの味噌!
辛さの後からコクや複雑な香りも膨らんで、暴力的なまでに米を誘ってくるではないか。福岡が生んだこのわんぱく飯。一度知ってしまえば沼ること間違いなしだ。
店長:冨樫虎千代さん「鉄板焼肉はビールのおつまみにもピッタリですよ!」
[店名]『鉄板焼肉 大当り 本店』
[住所]東京都世田谷区経堂1-25-19清照ビル1階
[電話]03-3439-8929
[営業時間]11時半〜15時(14時半LO)、18時〜23時(22時半LO)
[休日]年末年始
[交通]小田急線経堂駅南口から徒歩4分
撮影/小島昇(煌梨、徳)、浅沼ノア(大当り)、取材/菜々山いく子(煌梨、徳、大当り)
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