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ピザトースト、玉ねぎ、ピーマン、ハム…懐かしき美味しさ。 ピザの代用品として生まれ、喫茶店の定番メニューになった「ピザトースト」。ナポリタンと並ぶ懐かしの味として、若い世代のファンも多い。

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我らが愛すべき味、 曖昧なる 〝ピザトー〞

まずは「ピザトースト」の定義を考えてみよう。

第一に「食パンを使っている」。 理由は簡単。喫茶店には必ず「トースト」があり、それに食パンを使っているから。形は大体山型、角型の二種類となる。

第二に「パンは厚切りであ る」。これはピザ生地に比べ表面積に劣る食パンで食事として の満足感を担保するため。具の重みでへにゃっとなるのを防ぐ意味もある。

第三に「特別な具材は使わない」。チーズはグラタン、玉ね ぎ・ピーマン・マッシュルームはナポリタンと共用。だからどの店もほぼ同じ具になる。

なんて消極的なメニューだろう。ボリューム的にもスナックなのか食事なのかはっきりしない。すべてにおいて曖昧な存在。だからこそ僕たちは、時々狂おしいほど“ピザトー”が恋しくなる。何でも白黒つけたがる世の中で、ひとつくらいどっちつかずの食べ物があったっていいじゃないか。
個性なんて意識しなくても自然と滲み出るもんだと、この4軒の“ピザトー”は教えてくれるのだ。

珈琲デン

名物グラパンの影に隠れたリピート必至の裏名物

写真:ハムと玉葱のピザ風トースト
厚さ4cm。具は玉ねぎ、ピーマン、ベーコン、 マッシュルーム。 耳がしっかりしているので持ちやすく、食べやすいのがうれしい

昭和46年創業の「珈琲の店 デン」は食パン一斤をくりぬいてホワイトソースを注いで焼く「グラパン」が名物だが、ピザトーストも人気。[交]鶯谷駅南口徒歩5分、入谷駅徒歩6分 ※ランチタイム有

ロージナ茶房

自家製ピザソースとゴーダチーズが味の決め手

写真:ピザトーストセット
厚さ4cmの山型パン。具は玉ねぎ、ピーマン、ベーコン、マッシュルーム。単品はなく正午までのセットメニューとして提供

昭和29年創業の「ロージナ茶房」は作家の山口瞳が愛した有名店だ。ピザトーストはモーニング限定で25年前に登場。マネージャーの長谷川文三さんは「ランチまでの繋ぎ」というが、ソースは自家製、チーズはゴーダという本格派だ。ロージナ茶房 [交]JR国立駅から徒歩3分 ※ランチタイム有

カフェ 紅鹿舎(べにしか)

発祥の店のピザトーストは、焼けたチーズが食欲そそる

写真:元祖ピザトースト
パンの厚さは2cmだが、ゴー ダチーズがたっぷりなのでもっとぶ厚く見える。具はサラミ、玉ねぎ、ピーマン、マッシュルーム

昭和39年に「珈琲館 紅鹿舎(ベニシカ)」のマダムの村上節子さんが、「気軽にピザの味を楽しんでほしい」と始めたのがピザトーストの発祥とされる。今や平日でも50食は売り上げる看板メニューだ。[交]日比谷駅A4出口徒歩2分、JR有楽町駅徒歩4分 ※ランチタイム有

コーヒーショップペガサス

古き良き浅草を伝えるマスター手作りの逸品

写真:ピザトースト
パンの厚さ4cm。チーズの下にはハム、ピーマン、コーン、玉ねぎがどっさりと。見た目はヘビーで満腹感もあるが、食後感は不思議と軽い

昭和31年創業の「コーヒーショップペガサス 」がピザトーストを始めたのは昭和40年ごろ、当時、国際通りに10軒はあったキャバレーのホステスや同伴客に飛ぶように売れた。「そのころが一番忙しかった」と創業者の蒔田好一さんは懐かしむ。[交]浅草駅すぐ ※ランチタイム有

※写真や情報は当時の内容ですので、最新の情報とは異なる可能性があります。必ず事前にご確認の上ご利用ください。

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