桜木町駅から地下通路を抜けて広がるは、酒呑み垂涎の野毛小路や柳通り。新しい店が増えてはいるが、昭和生まれの店もまだまだ元気。はしご酒に最適な街で良店を見つけました。
画像ギャラリーそれぞれの個性がキラリと光る老舗酒場
昔ながらの店が数多く立ち並ぶ野毛は、昭和の酒場を語る上でハズせない土地でしょう。なかでも、『鳥芳』は指折りの古株だ。10席ほどの狭い店内はお客でギッチギチ。肩が触れ合うような、というか肩がぶつかりまくってるこの狭苦しさが不思議と心地良くもある。
菜「なんだろ、このお客さん同士の一体感」
常連さんは常連さんで、我らのような一見にも親切にしてくれるし、新たな客が来たとみれば、「オレ、帰るわ」と席を立つ。
戎「将来ああいうカッコいい酒飲みになりたいッス」
修業を積みなさい、修業を。串焼きをはじめとしたつまみもいいが、客もいい。粋な酒場なのだ。
鳥芳|貝や魚の海鮮串も揃う老舗
神奈川県横浜市中区野毛町1-24
『栄屋酒場』も最古参の1軒。
戎「この雰囲気、もはや文化財ものですね」
よくありがちな、作り込まれた“昭和レトロ”ではなく、正真正銘はオーラが違う。店の“味”ばかりでなく、料理の味もかなりのもので、鯨の刺身や、穴子の天ぷらなど、魚介系の質がとにかく高い。
菜「美味しいものをお客さんに食べさせたいっていう、心意気が伝わってくる店だよね」
栄屋酒場|古き良き酒場の風情をそのまま残す
神奈川県横浜市中区長者町9-175
さて、とある冷たい雨の降る平日。飲食店にとってサイアクな日にも関わらず、開店前から客が並んでいたのが焼き鳥の『末広』だ。メニューは冷やしトマト以外は串のみ。〆もない。
菜「その潔さに惚れた!」
真っ向勝負の焼き鳥は、身の締まりもさることながら、火の入れ具合もカンペキ。
戎「職人技ですなあ」
ここでは日本酒を「たぬき」と呼ぶ。たぬきの意匠の酒器で出てくるからだ。
菜「他を抜く“他抜き”ってことなのかな? 縁起がいいね」
こういう遊び心にも、老舗の余裕ってものを感じる。
末広|焼き鳥にトコトンこだわる行列店
神奈川県横浜市中区野毛町2-76
『福田フライ』は、揚げ物専門の立ち飲みだ。ここの“辛いソース”は鬼門。超ド級のニンニク味なのだ。
菜「ゼッタイ明日まで匂うけど、超ウマい! 止められない」
翌日仕事だったら、ヒンシュクものだろうが、この日は金曜日。お客は皆さんガッツリいっちゃってます。揚げ物、ニンニク、そして酒。背徳感を刺激する組み合わせが蜜の味なのだ。
福田フライ|衝撃のニンニクたっぷり“辛いソース”
神奈川県横浜市中区野毛町2-71
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